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#098 交渉は大事

単価が安い仕事でも請け負うことがあります。収入にすぐ反映されなくても、将来的な拡張性や身になる経験値を踏まえると損はないかも、と判断した時です。

目先のコストパフォーマンスとしては割に合わないので、同じ条件で請け負った他の個人や団体は徐々に消えていきます。その金額ではやってられません、と思うのは当然でしょう。

で、大切なのはそこから。競争相手がいなくなった頃合いを見計らい、交渉の場を設けなければ、徒労が延々と続くことになります。ごく簡単に書けば、「もうちょっとギャラを上げてくださいな」とちゃんと主張すること。そのタイミングや物腰、理屈を間違えなければ、こちらが提示した条件を概ね飲んでくれるはずです。他に誰もいなくなったのだから先方としても背に腹は代えられず、(このひとだけはここまで文句言わずにやってくれたんだから)という情も少なからずあり、結果的に他の仕事もよりよい条件で発注してくれるようになったり。

ま、別に独占できるまで待つ必要はないのですが、いずれにしても受け身のままで愚痴だけこぼしているひとはとても多く、それだと仕事のクオリティはどんどん低下していくのが普通。誰にとってもあんまりよろしくないと思いますよ、という話。

安いままだからやっつけ仕事がまん延し、それでもどうにかやっていたけれど、耐えきれなかったライターが1名離脱。同じクオリティを保てる代替要員が見つからず、それでも記事をアップしなきゃいけないので、正体不明の1名を確保して発注。当然クオリティがグッと下がった原稿が届き、そんなものに前任者と同じ原稿料は払えないからギャラが低下……という悪循環が、今のライター界隈の実情だと思います。ウェブメディアは特に。

昨今、原稿の文字単価が5円/字とか3円/字とか1円/字とか0.5円/字みたいな環境も珍しくないようですが、僕とていくらなんでもそのレベルから関係性を構築していく気はありません。

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