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#049 (笑)を使うの禁止

「○○選手のことは好きじゃないけれど、今回ばかりはかわいそう」
「普段はアニメを観ない方だけど、これはおもしろい」

なんでもひと言前置きをはさんでから、お気持ちを表明するひとが結構多い。それによって感情をやわらげたり、真っ向から反論されることを避けたり、相手との距離感をうかがっているのだと思う。

いたずらに緊張が走るのを避けるという意味で、日本人らしい物言いであり、物腰だとも思う。空気を読み、仲間意識を高めるには有効な態度ながら匿名性の高いネットのコメント欄でも散見されていて、一体誰に何をそれほど気をつかっているのか。

こうした前置きとは逆に、文末を(笑)で締めくくるひとも多い。それが仕事のやりとりメールだと、だいぶげんなりする。ただの一度も会ったことがなく、少なくともあなたと僕は友達ではない。

友好の意を示す手段として、もしくは場を和ませる手段として、(笑)を使うひとはごく普通にいる。笑顔や冷や汗タラリの絵文字なんかも同様だ。

でも、(笑)は余程意図することがない限り、使わない方がいいのでは。使わないように意識すると、必然的に文面の機微をじっくりと考えるようになる。言葉選びが丁寧になり、簡潔になり、明瞭になる。相手もまた、そこから伝わる温度をきちんと受け留めようとする。

普段こういうことを言ったり書いたりするのはあまり好きじゃないけれど、一度試してみるといいと思いますよ(笑

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