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#368 堅気社会における自分の価値

決して広くはない、というか明らかに狭い2輪メディア業界にどっぷり居ると、時々「あれ、俺ってこのままで大丈夫なんだっけ?」と心配になることがあります。おかげさまで、今のところ仕事は堅調ですが、とはいえ、これから先もずっとバイクに乗ってヒャッハー!と、雄叫んでいられるわけもなく、老後の心配は尽きません。

そんな自分の立ち位置というか、世間的な需要の高低、もしくは有無を計るため、たまに転職サイトを覗いて自分の学歴や仕事のキャリア、持っている資格、直近の年収と希望する年収などを登録してみることがあります。

以前勤めていたネコ・パブリッシングに入社したのは、1999年のことで、その時の年齢は28歳。大卒でもなければ運転免許以外の資格もなく、働き始めて間もない頃、会社のえらいひとに「中途採用組で、お前ほど低スペックなやつは見たことがない」と言われたものでした。照れるやん。

当時はそんなこと全然気にしていなかったし、会社を辞めてフリーランスになってからもまったく。

ただし、堅気の世界に向かって、いざ自分のスペックをつまびらかにしていくと思い知るわけですよ。ライターとかジャーナリストなんて自称だし、ライダーやドライバーとしての競技ライセンスなんて社会的価値はゼロに等しく(むしろマイナスかも)、僧階は持っているけど、ストリートでお経読むパフォーマーとか、流しの追善供養みたいな需要はないだろうし。

そんなわけで、いざ登録を済ませてみても、自分で自分のことがいたたまれなくなって、すぐに削除。そんなことが過去幾度かありました。先日、なぜか性懲りもなく、また試してみる気になり、さらに性懲りもないことに、希望年収は大台をそこそこ超える、謎の強気設定でポチッとな。

すると、なんということでしょう。2日後には2件の求人案内が届き、その内の1件はこちらの希望よりも雇用条件がいいくらい。もっとも、案内が届いたことと実際に雇用されることは全然話が違うわけで、ただし、箸にも棒にも掛からないってことはないんだな、ということが分かって、それだけでやや満足というか、ちょっとだけ安心。まだしばらくは、与えられた環境で頑張りまっす。


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