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#251 RidingとWriting

月に何度かサーキット走行の先導やインストラクターを務めます。その時よく話をするのは、「できるだけダラダラと走りましょう」ってこと。

ガバッとスロットルを開けたり、ガツンとブレーキをかけたり、オラァと寝かし込むのではなく、フワフワというか、ヌルヌルというか、スルスルというか、極力バイクに挙動を与えないことを意識すると、それがスムーズな走りにつながりますよ、という意味で使っています。

究極はスロットル全開のまま、ギヤは6速のまま、ラインはインベタのままで走れれば理想なわけですが、そういうわけにもいかないので致し方なくスロットルを閉じたり、シフトダウンしたり、ブレーキを使ったり、車体をアウトに振ったりするわけです。

とはいえ、そんな中でも可能な限り操作をサボれたなら挙動を乱す要素が減り、リスクも体力の消耗も少なくて済みます。たとえば、スロットルとギアだけで減速できればブレーキレバーを使う必要がなくなるわけですが、そのためには早い段階で緩やかに速度を落としていなければならず、結果的にその様がメリハリのない、ダラダラとした走りに見えるというわけです。

たぶん自身の原稿もそう。良くも悪くもサラサラ、スラスラと抑揚のない調子で書くことが多く、武骨さや刺々しさがもたらす引っ掛かりのようなものが少なくて印象に残りづらい。ライディングだと燃費がよかったり、タイヤの摩耗が少なかったりするかもだけど。

ライディングにも、ライティングにも根本的な性格があらわれる。果たしてこれは、今更意識して変えたりできるのだろうか。




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