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ライブハウスと生きていくために 【076/200】

ヤマカワタカヒロです。

緊急事態宣言の解除に引き続いて、東京アラートの解除、そして、営業自粛要請の解除が続いています。

そして、6/19をターゲットに、ライブハウスの営業自粛要請も解除される予定であることが発表されました。

「新しい生活様式」への移行と、経済活動の両立。

ライブハウスの営業再開は、経済活動という側面はもちろんあるけれど、人生に生歌や生演奏が必要な人たちにとって、それ以上の大きな意味があると思っています。


生きるための場所


一概に「ライブハウス」と言っても、メジャーアーティストがツアーをやるようなオールスタンディングでキャパ500〜1000を超える大箱から、複数のアマチュアアーティストがチケットノルマを分担して1日の集客数を確保するキャパ50〜100人くらいの小箱まで、様々な大きさ・形態があります。

普段僕がお世話になっている後者のライブハウスは、アコースティックメインで、着席50人キャパの、ゆったり生音を楽しむ形式の箱です。

そこでは、多くのアマチュアアーティストたちが夢を追ったり、ライフワークとしてライブ活動を続けていたり、そんなアーティストたちの歌にお客さんたちは心を癒されたり、アーティストを応援することで人生の潤いを感じたりしながら、そこに訪れる誰もが、日常生活におけるいろいろな「役割」から離れて、「自分自身の人生を生きる瞬間」を分かち合っています。

僕自身、そんな空間にとりつかれた一人で、ライブハウスは、なくてはならない場所です。
ライブハウスは、僕にとって「生きるための場所」です。


今やるべきことに集中する


もう半年以上も前から決まっていた6/27の下北沢LOFTでのワンマンライブ。
どうするのがLOFTにとって最もいいのか、ずっと考え続けて、答えが出ていませんでした。
先日、まだ東京アラート解除前のタイミングで、店長の長沢さんに会いに行きました。

休業期間中、長沢さん一人でDIYでリニューアル作業を続けているLOFT店内は、雑然としていました。
床が張り替えられていたり、分煙化に向けた smoking room ができていたり、営業再開に向けて、着実に前に進んでいることがわかりました。


相談半分、リニューアル作業のお手伝い半分、のつもりで伺いましたが、特にお役に立てることもなく、30分ほどお話しさせていただき、長沢さんの作業の邪魔にならないよう、おいとましました。

「先のことなんか全然考えられてないよ」

いつもどおりの笑顔で話す長沢さんが、一言そうおっしゃった時の表情が、とても印象に残っています。

LOFT出演アーティストでもあるシンガーソングライター・粟生田水葉さんの呼びかけで集まった下北沢LOFTを応援するクラウドファウンディング。長沢さんはこれにとても助けられた、と。それはおそらく、資金的なことよりももっと、長沢さんを応援する声が気持ち的な面で助けになった、ということだろうと思います。そうして長沢さんは、先のことを考えることよりも、ただ、今、目の前の営業再開に向けて作業に集中しているのだと。

数々の有名店が廃業に追い込まれている中で、この状況をしのぐことがどれだけ大変なことか、容易に想像できます。この状況をしのいだとしても、これからの「新しい生活様式」の中では、これまで同様の営業ができるわけでもなく、困難はまだまだ続いていきます。それでも、営業再開を目指して作業をしている長沢さんの背中を見て、僕は言葉に詰まりました。


ライブハウスを必要とするアーティストたちがいて、ライブハウスでアーティストを応援しながら生計を立てている人たちがいる。

「新しい生活様式」は不可逆的な変化であり、ライブハウスもこれから変わっていかなければならない。泣いても、恨んでも、叫んでも、昨日は戻らない。第2波、第3波による休業リスクも常にある。
6/19に休業要請が解除されたとして、営業を再開できたとして、その先は、ライブハウスとアーティストが二人三脚で一緒に変化しながら、新しいライブを作っていかなければならない。
入場できる人数が限られるなら、回数を増やしたり、配信したり、録画コンテンツを一緒に見るイベントをやったり、StayHome期間に生まれてきた知恵を活用して、ライブの価値を再定義していくしかない。
できるかどうかなんて考えても時間の無駄。どうやったらできるかだけ、考えていく。


営業再開後初のワンマンライブに向けて


6/27(土)下北沢LOFTの営業再開後初のワンマンライブに向けて、準備を進めます。
まだ6/19に向けて何があるかわからないけれど、予定通りライブハウスが営業再開できる想定で、今、やれることに集中します。
来週発表される新ガイドラインを踏まえて、十分な感染防止対策を考えた上で、販売するチケットの枚数を確定します。

入場できる人数を絞る関係上、ご希望される方全員にチケットを販売することが難しいと思います。
また、ライブは観たいけれど、この状況下でまだライブハウスに行くことが心配だったり、健康面やいろんな観点でリスクを感じている方もいらっしゃると思います。
今回は生配信はいろんな事情で難しいのですが、別日に録画映像を一緒に見るオンラインイベントの開催や、下北沢LOFTを応援する投げ銭企画など、あわせて考えていきます。


当日のライブ、関連イベントなどの詳細は、来週のブログでお伝えできたら、と思っています。

「新しい生活様式」の世界で、ライブハウスと生きていくために。

多くの皆さんと、知恵と力を合わせて、がんばっていきたいと思っています。

noteを読んでくださりありがとうございます。 歌を聴いてくださる皆様のおかげで、ヤマカワタカヒロは歌い続けることができています。 いつも本当にありがとうございます。