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立ち上がれ日本人

 マハティール・モハメド著「立ち上がれ日本人」を読みました。著者はマレーシアの元首相、いや、2018年に再登板されたのですね。本書は2003年、首相を退陣された時のものでしたので、読後には「元首相」というイメージがしっかり残ってしまいました。

 マレーシアについての予備知識もほとんどない中で、タイトルに惹かれて手に取ってしまいましたが、マレーシアは日本を見習った「ルック・イースト政策」という政策を採用していたということです。本書の中に政策の細かいところはありませんでしたが、欧米やアジア各地の歴史について述べられており、そうした歴史的経緯から植民地政策等への批判、また発展途上国の地位向上に向けた発言がなされています。「個人の権利を優先させる欧米の文明は、倫理の荒廃を招いている。それに対して、日本や韓国では集団の利益を個人の利益に優先させ、規律・勤勉・忠誠心を最も大事にしている。」と言っていました。「韓国では」というのがちょっとわかりませんが、こうしたところが日本の良い所なのでしょう。しかしながら、昨今は徐々に個人の権利を優先させる方向に進んでいるような気がします。

 「軍国主義はよくないことだが、愛国主義的であることは悪いことではない。愛国主義は国が困難を乗り越える上で助けになる。祖国を守ることと攻撃的な軍国主義は同義語ではない」、「日本は戦争の贖罪意識から解放されるべきだ」と語ってくれていました。前者は日本の政治家にも言って欲しい言葉ですね。後者は、、、日本の周辺国にも強く行って欲しいところです。

 また、イラク戦争を支持したことに対しては失望の意を唱えていました。そして、昨今というか2003年当時の日本の状況にも憂いていましたが、おそらく今は当時から比べても大して変わっていないでしょうね。知らなかったのですが、戦後日本の輸出商品は「安かろう悪かろう」と言われていたそうですが、そこから品質を上げて世界第二位の経済大国間野上り詰めたところを大変褒めて頂いていました。後は、明治維新以降の日本についても褒めちぎっていました。現在の日本も見直してくれてはいないと思いますが、まだ「立ち上がれ日本人」と思って頂いているのか、ちょっと心配になりました。

 日本人の良いところは、何より勤勉だということですから、私自身も派手さはなくともコツコツ勤勉に努めたいなと思いました。

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