真我 Singer


 二井原実著「二井原実 自伝 真我 Singer」を読みました。著者はジャパメタの雄・ラウドネスの初代ヴォーカリストです。稲盛塾長の「心の階層構造」のお話を掘り下げたくて、心の中心にあるといわれる「真我」をAmazonで検索してみたら、本書がヒットしました。まさか稲盛塾長からラウドネスにつながるとは驚きです。

 自伝ですから著者の生い立ちから始まりますが、中学時代は意外にも剣道部でした。しかしその剣道の声出しによって自然と通りのいい声の出し方が身に付いたとありました。高校は上宮高校で、我らが黒田博樹氏の先輩です。また、アースシェイカーのSHARAとは高校の同級生で、著者はアースシェイカー発足当時のボーカル&ベース担当だったということでした。この辺りは全く知らなかったので、電車の中で読んでいて「うぉっ」とか声出しちゃってたかもしれません。

 著者がラウドネスを脱退した後から、私はラウドネスを知ることとなりますが、脱退なんて言うと方向性の違いとやらで離れたのかと思っていたのですが、著者は中心メンバーの高崎晃から「アメリカ人のヴォーカリストを入れた形での可能性を一度探ってみたい」と言われたのだそうです。本人も自嘲気味に「クビになった」と書いていましたが、そんな経緯もありながら、再結成なんて言うこともあるのだなと思いました。また、著者の脱退が新聞に掲載され、それを見た母親から「あんた、ラウドネス辞めたんか?」と電話があったそうですが、ラウドネスと大阪のオバちゃんのギャップに笑ってしまいました。

脱退後は“手数王”・菅沼幸三らとデッド・チャップリンを結成、このバンドも聴いておりましたが、バンド名がレッド・ツェッペリンをもじったダジャレである事には気が付きませんでした。本書のタイトルもそうですが、著者はダジャレがお好きなのでしょう。

ラウドネスの世界進出については、当時バンドメンバーたちは知らなかったそうなのですが、伊藤政則氏が自らのネットワークで世界中にラウドネス、アースシェイカー、5X。BOWOW、アンセムなんていうバンドを紹介していたのだそうです。いやセーソク流石だわ。

読んでいてあまりにも懐かしくて、電車の中で読むだけでは飽き足らず、自宅でアルバム「DISILLUTION ~撃剣霊化~」を聴きながら読んだりしました。しかしながら、音楽に気を取られて集中できず、全く読み進めることができませんでした。そんなわけで、ラウドネスは読書のBGMに圧倒的に向いていないということを教えてくれた1冊でした。

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