くわばらくわばら

 すごく久しぶりに「くわばらくわばら」というフレーズを聞いてしまったのですが、今更これって何なんだろうという疑問が湧いてきました。意味としては「おそろしい」という印象なのですが、「くわばら」って訳がわかりません。


 検索してみると岡山県立図書館のホームページにレファレンスサービス(このレファレンスサービスも初耳なのですが、質問に対して調査などをしてくれるもののようです)があり、「なぜ、雷が鳴ったときに『桑原桑原』ととなえるのか。」という質問がありました。この質問者の方あるいは少なくともその周辺の方は、雷が鳴ったときに唱えるのですね。この質問に対して「故事・俗語ことわざ大辞典」、「ちちんぷいぷい」、「日本俗語辞典 動・植物編」、「日本随筆大成第2期20」、「雷の民俗」といった、おそらくこの図書館の蔵書から引用して説明してくれました。しかし、こうなると「ちちんぷいぷい」が気になってしまいますが、今回は置いておきます。


 「故事・俗語ことわざ大辞典」には三つの説が載っており、①養蚕による収入が多かった農家では、大事な桑畑が雷で荒らされないように、お察しくださいという意からとなえた、というもの。②雷が桑の木を嫌うとあれるところから言った、というもの。③江戸時代の随筆「夏山雑談」、「一挙博覧」などによれば、「桑原」は菅原道真の所領であった土地の名で、道真配流後、この桑原には雷が一度も落ちなかったという言い伝えから、落雷を防ぐ呪文となった、というものだそうです。


 「ちちんぷいぷい」には、雷神があやまって農家の井戸に落ち、農夫にすばやく蓋をされて天に帰れなくなったとき、「俺はクワの木が嫌いだから、桑原桑原と唱えれば二度とお前のところには落ちない」という説と、菅原道真が亡くなって雷神となり、藤原時平の一族を祟ったと伝えられるが、領地の桑原には落雷の例がないことからこう唱えるという説が書かれているそうです。:


 ほかの3冊に掲載されている説もおおよそ同じでしたが、どうやら菅原道真が大きくかかわっているようですね。菅原道真って学問の神様と記憶しているのですが、古い文献からすると雷神になっているなんて言う説もあるのですね。興味が深まりましたが、ちょっとこれ以上深堀出来るかわかりません。

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