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第5回 アスレティックリハビリテーションとコンディショニングの違い

こんにちは。
アスレティックトレーナーの小嶋たかひろです。

今日の話題はスポーツにおける
アスレティックリハビリテーション(以下アスリハ)と
コンディショニングの違いについてお話ししてきます。


アスリハとは?

アスリハは文字通りリハビリを主とするところで、
ケガをする→ケガの治療(日常生活への復帰)→競技への復帰
とざっくり3分割して考えます。

・ケガの発生

ケガをすると第一に安静・治療を選択します
ここでいう安静とは、ケガ(患部)の安静であって全身の安静ではないことを明言しておきます。
ケガしていない部分のトレーニングは患部に支障が出ない限り通常通り行い、復帰への道のりをスムーズにしておきましょう。
この患部外に関しては競技復帰まで一貫してトレーニングを通常通り行っていきます。

・日常生活の復帰

まずは日常生活を問題なく送れるレベルに達することが重要です。
競技というのは日常生活以上の身体能力を要求されるので、
ここの到達はマストです。
ここでは一般的なリハビリが行われることが多く、
病院内での理学療法士によるリハビリテーションが適切な場合が多いです。

そして、この日常生活レベルに戻らず競技復帰すると
ケガの再発やパフォーマンスの低下、新たな外傷の発生に繋がっていきます。

ケガの治癒促進に関しては主に施術ができるトレーナーや治療家と呼ばれる人たちの分野になります。

・競技復帰まで

日常生活に支障がないという前提で話を進めていきます。
まずは受傷機転に基づいたアスリハを行います。
足関節を着地時に内反捻挫したのであれば、
まずは平地で片足のバランスが問題なく取れる
→不整地での片脚バランス
→平地でのジャンプ&着地
→不整地でのジャンプ&着地
→マルチタスクを含んだジャンプ&着地
といった具合です。

患部のアスリハが進んで行ったら、
部分的に競技へ競技ごとのシュチュエーションや身体操作、戦術的身体能力の再獲得を目指し
最終的には競技への完全復帰という流れになっていきます。

コンディショニングとは?

・目的達成のための手段

一方コンディショニングとは、
もっと包括的な意味合いで使われることが多く
目的達成のために必要な要素を調整すること全てを指します。

・いつやるのか?

そのためコンディショニングは常日頃から行われなくてはなりません。
試合や大会で成績を残すために疲労管理のためのストレッチやセルフケア、マッサージもコンディショニングです。
普段の練習参加もコンディショニングですし、いつもより強度の高いトレーニングも食事、休養、睡眠もコンディショニングとなります。

誤解を恐れず言えば生活全てがコンディショニングになります。

共通すること

・課題解決に向けて調整をする

アスリハは
「ケガが発生した時に計画的かつ重点的に患部を以前の状態に戻す、あるいは強化することを目的としたコンディショニング」
と言い換えることができます。

一方コンディショニングとは
「普段から試合や大会で最高のパフォーマンスを発揮するために行うこと全て」
と言えます。

どちらも細かく行うことは違えど、
目的はその選手がより良い成績を収めるための課題や問題を解決することは共通事項であると言えます。

まとめ

アスリハとコンディショニングの場面の使い分けはありますが、
どちらも選手がより良い状態へ導けるように行うことは変わりありません。

その選手が抱える課題や問題を的確に把握し、
適切なアドバイスを実施できることはとても重要になります。

ここにアスレティックトレーナーとしての技量が試されるとともに、
面白さが詰まっているのではないでしょうか?

BodySchool日吉店
アスレティックトレーナー
小嶋たかひろ

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