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所有者不明の土地は使用者に課税

 登記簿情報からは誰のものか分からない「所有者不明土地」について、その土地で居住や商売をしている「使用者」に固定資産税を課税するという制度が2020年度税制改正大綱に盛り込まれました。

 土地には固定資産税がかかります。しかし所有者が分からなければ課税できないのが現行制度で、「税制が歪んでいる」(国税庁幹部)などと批判する声が出ていました。このため、固定資産税を課す対象を、登記簿上の土地や家屋の所有者から使用者へと切り替えることを認めることとなったわけです。新制度では調査を尽くしても所有者が特定できない土地に限定して、使用者に課税できるようになります。自然災害などで所有者が行方不明になると市町村がその土地を使っている人を所有者とみなして課税できる制度があり、この制度を適用拡大します。

 国土交通省の土地基本調査(13年)によると、利用されていないか利用が少ない土地は全国で1413平方キロメートルも存在します。東京23区の面積の2倍以上に達していて、このうち空き地や原野が7割を占めている状態です。

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