自分は勉強ができなかったから…

「勉強頑張ってるな。俺は勉強したくてもできなかったから、しっかり勉強するんだぞ。

「え?お父さんが勉強できなかったのと僕の勉強って全然関係ない話だよね?」

「いや、お父さん本当はとっても勉強して頭良くなりたかったんだけど、全然勉強わからなかったんだ。だからお前はそんなふうになるなよ。今はいい教材や勉強方法もあるだろうしな。

「頭良くなりたいなら僕に構ってないで今からでも自分で勉強したら?今はいい勉強方法もあるんでしょ?

「いや、今から勉強しても受験とかないから意味ないし、それに仕事も忙しいし、テストもないし勉強する必要もないんだよ。

「ふーん。お父さんって本当に頭良くなりたかったの?勉強したかったなーって言ってるけど本当は勉強したくないんじゃないの?勉強嫌いなんじゃない?言い訳してるだけなんじゃないの?僕に勉強させようとしてカッコつけてるんじゃない?」

「…確かに、勉強なんて嫌いだ。でもそういうとお前も勉強嫌いになりそうで、カッコつけてお前に頑張ってほしいと思ったんだ。」

僕は僕自身のために勉強することを選択するよ。将来の夢のために。お父さんは勉強する意味がもうないって言ってたけど、夢を叶えたからなの?」

「いや、勉強しないのは夢が叶ったからではなく、今生きるので精一杯だからというか…頭が良ければもっといい暮らしができてたんだろうかと思うこともある。でも勉強はしたくないんだ。難しいし分からないからな。」

その嫌なことを僕に押し付けないでよ。僕が頭良くなっていい暮らしするようになったとしても、お父さんが幸せになるとは限らないんだよ。」

…俺は息子に甘えてたのかもしれないな。息子の頭が良くなれば俺が周りからトンビが鷹を生んだと褒められる、将来も安泰、なんて思っていたかもしれない。でもそれはお前を俺に縛りつけるようなものだったんだな。」

「お父さん、勉強は何歳になってもできるよ。いい教材も今はきっと沢山ある。お父さんの勉強は難しい、嫌いって気持ちを、勉強は面白いに変えられるものもあるはずだよ。僕と一緒に勉強しようよ!僕が分かることなら教えてあげるよ!知識は人生を豊かにしてくれる、誰にも奪われない財産なんだよ。

「…本当に俺の息子かな?今から大学…なんて流石に考えられないけど、得たかった、なりたかった夢に近づけるような知識をつけたいと思うよ。」

「「一緒に頑張ろう!!」」

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