#1「river side walking」楽曲解説

音源をリリースする度にnoteで楽曲解説をしているが、基本的には自己満足だ。

ただ、思いもよらなかった記憶が蘇ったり、書いてるうちに意外な想いに着地したりと面白い。

さて、

この「river side walking」がミニアルバム「それでも僕は、」の起点と言っていい。

この曲を作ったのは、ちょうど1年前。
演劇ユニット「さよならキャンプ」の公演「あながどこにいても」の稽古真っ只中。
セリフを覚えなきゃいけないというプレッシャーの中、まるで受験生が試験前に部屋の片付けをしちゃうかのようにレコーディングをした。

数年前に友人を亡くした。
彼はその少し前から心の病があり、なんとなく距離を置いていた。

知り合ったのは20年以上前だけど、そこまで頻繁に連絡を取り合ったりご飯を食べに行くような仲だったわけではないけれど、周辺の共通の友人が多かった。
そんな関係性。

なので、僕の生活がガラリと変わってしまったということはなく、日常が続いていてほとんど変化はない。
じゃあ、僕にとって彼の死とは?

よくわからない。
考えれば考えるだけモヤモヤする。

シンガーソングライターらしく歌でも作ってみようかとギターを抱えたけど、全然まとまらなかった。
それから数年。

彼のことは年に数回ぐらい思い出す。
お酒好きで、本やラジオが好きで、おしゃべり好き。思い出す顔はいつも少し赤らんでいて、ちょっと照れ笑いみたいな笑顔。
色々と考え詰めるタイプで、少し繊細。

心の病の発症のきっかけも海外の酷いニュースだったって聞いた。

もしかしたら彼にはこの世界がちょっとだけ狭くて、ちょっとだけ窮屈だったのかもしれない。
やっとこの現世から解放されて、好だった河原を缶ビール片手に散歩してんのかも。

river side walking.

長い散歩(旅)の途中で、少しだけ現世で休憩して、また続きを歩き始めた彼を想像して作った曲。

僕もいつか必ず旅にでるけど、その先でまた会えるかな?

歌はなるべく淡々と歌ったつもり。
ほら、だって散歩だから。

基本的に同じリフが最初はアコギ、途中からエレキギターでずっと鳴ってる。これも、旅をイメージ。

旅に出た友人の歌でもあるけど、まだここで生きていかなきゃいけない僕らの歌でもある。
打ちつける雨をただ耐えなくちゃいけない時もあるし、押し流す逆流に抗わなきゃいけない時もある。

それでも僕は、

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