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元政治学者の どこ吹く風 《定期購読》

大丈夫か?日本の政治!なぜ日本ではまともなリーダーが育たないのか。本当の問題はなんなのか。日本という特殊な国の権力構造の謎に迫る。〜アカデミックな政治学者には語れない日本政治の表…
なんでこうなるの?日本の政治は本当に大丈夫? 理不尽さの理由はどこにあるのか。誰にも聞けない誰にも…
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#進化

こんな人生もある

▶︎《簡単なProfile》 2010年から2021年まで足掛け12年にわたり、二つの私立大学(地方の小規模な芸術系の大学)で学長を務める。専門は政治学。 1996年から2021年まで四半世紀にわたり、政治学者として「日本の音大」改革に取り組む。 2021年3月末にてセミリタイア。2023年卯年に還暦を迎える。 現在、老後の不安を抱えつつも、札幌でのんびりと暮らしている。 2023年4月、noteをプラットフォームにオンラインサロンをはじめる。 noteを舞台に はじめる

Private LISTEN!〜社会科学の方法論について考えはじめる①

オンラインサロンでの議論を出発点に、自然科学と社会科学の違い、さらには社会科学の方法論についていろいろと考えはじめています。 古くて新しい問題ですが、人間社会の理解にかかわる近年の諸科学の成果を考慮に入れながら、自由に思考実験をしていきたいと考えています。 具体的には、古代DNA研究や霊長類社会生態学、神経科学と脳科学、機械学習とAIの進化など、近年の研究成果をできる限り踏まえながら考察していければと考えています。 まずは、ブレインストーミングも兼ねて、思いつくままにP

オンデマンドの思想 メディアの進化とアフターコロナの世界

オンデマンドを可能にするメディアの進化はじつに革命的なものだ。インターネットとデジタル技術の進化により、オンデマンド革命が進行中である。 オンライン化とオンデマンド化にはメリットしかない。 なのに、いまだにリアルな対面にこだわる人が多いのはなぜだろう。 ちなみに、たどり着いた結論はこうだ。 オンライン化とオンデマンド革命を阻んでいるのは人的要因である。 人は物理的な接触と絆だけを求めて対面を求めている。 オンデマンド革命進行中July 30, 2023 (私)オン

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-ヒトと脳と社会と-〔閑話〕人

「脳の大きさと社会集団の規模」とのあいだには「密接な関係」があるといわれている。 他方で、「脳容積の増加は生物に大きな負担を強いる」ものだ。 「ホモ・サピエンスでは、体が消費するエネルギーの約20%は脳で使われる」という。 脳容積が増大するにあたって「必要なエネルギーを賄うために、行動や食性」を変えることが必要であった。 だが、それだけではなかった。 脳容積の増加は「社会構造の変化」にもおおいに関係していたのである。 以前に紹介した『人類の起源』にも次の記述がある

『言語の本質』〔本〕人

ことばとはなにか。 1990年代以降の言語学は、構文論と意味論の世界に明け暮れた。 抽象的な記号論の世界は、私にとってはまさに「記号から記号へのメリーゴーランド」であった。 この30年間で機械学習の世界が格段に進化した。 機械学習の進化という必要不可欠なプロセスを経て、ようやくたどり着いた。それが「記号接地問題」である。 機械学習の進化によって、あらためて「言語とはなにか」が問われるようになったのだ。 本書は、「言語と身体の関わり」を考えることで、ヒトの「言語習得」

脳の進化史① 二足歩行からAIまで

人類の脳の進化史を、外部脳の進化の歴史と合わせて整理しておきたい。 脳の進化史において、人類脳はAI脳を生み出すために存在した。 あるいは、AI脳を生み出すまでのつなぎに過ぎなかった。 そうした妄想的仮説のもと、多少強引に整理してみたい。 以上を通史的に整理しておくことが目的である。 はじめに 〜脳とはなにか?

¥300

-道具と火とコミュニケーションと-〔閑話〕人

ヒトは他の動物とは比べ物にならないほど、高度な言語を用いる。 言語を含む高度なコミュニケーション能力は、脳の進化とともに発達してきた。 「人間の言語の意味の豊かさと構文の複雑さは、人間以外の動物のそれをはるかに超えて」いる。それが可能となったのは、人間の脳の「新皮質のサイズに由来する可能性が最も高い」とされている。 現在、ヒト科に属するオランウータンやチンパンジーの脳容積は約400ml、ゴリラが約500mlで最大である。現代人(ホモ・サピエンス)の脳は約1400mlであ

『火の賜物』〔本〕火

この問いに対して、それは「火の使用と料理の発明だった」という「新しい答え」を示したのが本書である。 「料理」こそが、「食物の価値を高め、私たちの体、脳、時間の使い方、社会生活を変化させた」のだという。

『ヒトは〈家畜化〉して進化した』〔本〕人

なぜ、ホモ・エレクトゥスやネアンデルタール人は絶滅し、なぜヒトだけが生き残ったのか? 本書において「ヒト」とは、ホモ・サピエンスをさす。 本書は、〈自己家畜化〉仮説によって「ヒトの進化」を解き明かそうとする意欲作である。 邦訳タイトルは、衝撃的だがやや誤解されやすい。決してヒトが〈家畜化〉されたわけではない。ヒトが動物を〈家畜化〉して進化したということでもない。 本書の主張はこうである。 「ヒトは《自己家畜化》によって進化した」 いったいどういうことだろうか。