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キャプテン翼というカリスマ

 2022年3月24日、日本代表チームはオーストラリア代表チームに2-0で勝利した。日本チームが勝利することにあまり驚かないようになって、日本人としての共感を覚えるわたしにとっては、感慨深い出来事である。サッカーは実に分かり易いスポーツでボールを足で蹴って、ゴールに入れれば得点を得ることが出来て、時間内で得点数が多いチームが勝つ。
 その単純な法則が実は難しいことだと教えてくれたのは『キャプテン翼』である。
 主人公大空翼は、様々な困難に立ち向かい、圧倒的な練習量で〈全国小学生サッカー大会〉に臨む。優勝したらブラジルでプロで活躍していたロベルト本郷が、翼をブラジルに連れていくと約束していて、その約束が果たされることを心にしまってビッチに立った。
 翼はとても仲良しでサッカーセンスに秀でた岬太郎とゴールデンコンビを組んで、明和FCゴールを目指す。対するは4年生でありながら、日向のパスを正確に受ける沢田くんと、絶妙なコンビを組む日向小次郎。その小次郎の獰猛なシュートを絶対防ぐと、息をあげる天才ゴールキーパー若林くん。それぞれの対決も見事な小学生編である。
それもまだ〈タイガーショット〉〈ドライブシュート〉が登場していないのにである。
 小学生編では名前がつけられた必殺技みたいな表現は少ないが、冒頭の翼が、道路を走るパスの下を蹴ったボールをパスするシーン、若林くんに挑戦状を渡す為に、神社の境内からボールを蹴り落とすシーンは、もちろん実際の人間にはかなり不可能に近いのだが、大空翼というコは、本当にサッカーを愛している!と考えさせられたのだ。
 そんな少年でも全国大会で優勝を果たせなかったサッカーというスポーツは、まさに芸術。いくつもの作品が生まれ、日本代表チームのワールドカップ初出場につながっていくのである。

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