WGIP文書研究中の妻の詩⑴

拙著『WGIPと「歴史戦」』(モラロジー研究所)をわかりやすく解説した英語の本を出版できないかという打診がイギリスの出版関係者からあり、椿山荘で協議した。WGIPの原文書は勿論のこと興味深いが、同書の序章などに掲載した旅先での妻の詩も興味深いという。そこで、本ノートに連載することにした。
 髙橋塾のオリエンテーションでは、全員が髙橋こずえ詩集『ありがとうの音色を響かせて』(MOKU選書、平成24年)の中から自分の好きな詩を選んで朗読し、好きな理由を述べて妻と「心のキャッチボール」をすることが習わしとなっている。妻の詩集には三木露風の親友であった祖父(日本画家で小学校長であった)の絵がちりばめられ、妻が作詞作曲した「ありがとうの歌」が音符付きで掲載されている。
 慰安婦問題、徴用工問題などで中韓との対立が続いているが、在外文書研究の旅先で出会う人々との出会いは、そのような民族的対立を超えている。妻の詩がそのこと物語っている。

  出会い

韓国から留学しているという貴女
バイトをしながら学んでいる貴女
どうぞ このアメリカでの学びが
貴女の人生にとって充実したものでありますように!

“ジャパニーズ?”と尋ねた貴女
”私はチャイニーズ”と言った貴女
レストランで
私たちの担当ではないのに
ちょっとした合間に
何度も何度も私たちの席へ来て話しかけた貴女

席を立ったとき
私は貴女を探して
私たちはハグをした

コリアン チャイニーズ ジャパニーズ
このアメリカの地で
一瞬だけど 出会った私たち
私の心のキャンパスに
温かい 大きな円が描かれた

 


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