設計に関する48章『の』伸び、たわみ、歪を忘れるな

『の』伸び、たわみ、歪を忘れるな
副題:動くところに要注意
機械系の車両の場合、動くところに要注意である。
高所作業車の場合、ブームの中にシーブを介して油圧のナイロンホースを引き回す。
温度、圧力によって、このホースは収縮する。
標準品のホースだと、条件によっては伸び過ぎて、ブームの中で弛んでしまいトラブルを起こす。
よって、問題が発生しないようにナイロンホースの仕様設定をする。
油圧バルブの場合、締め付けトルクを守らないと、方向制御弁の場合はスプールの動きが渋くなり所定の性能を得られない場合もある。
ゴミにも注意、油圧の場合はコンタミに注意が必要である。
電磁比例制御弁などは、最もコンタミに気を付けなければならない。
0.3mmの異物でも問題となる場合があるので、コンタミの基準は厳しくしなる。
電磁比例弁のパイロットポートの穴がφ0.5mmで1個だったが、そこに0.3mmの異物が2個同時に、その穴にはまってしまい作動不良を起こたこともある。結果、パイロットポートの穴は2個以上に設定した。
PTねじの場合、シールテープを巻いて、ねじ込むがシールテープが切れて異物となる。
また、ねじ込み時に、鋳物の異物を発生させる。油圧部品としてはPFタイプの方が製造品質が確保出来る。
油圧部品でもブースタなど超高圧70MPaレベルになるとPTを採用せざるおえない場合は、コインフィルタ等のフィルトレーションが必要となる。
副題の、動くところに注意の例としては、可動する部分のホース、配線の引き回しである。
特に難しいのは首振り回りの配策であり、周囲温度、作動圧力にも影響される、設計ではそこまでの動きは想定出来ないので試験部門はパラメータを振って評価することになる。 
とても大変な評価だと思う。
無給脂ブッシュも同様に異物には十分注意が必要でピンがかじる原因も異物混入である。
くれぐれも、動くところは注意すること、ごみ『異物』は恐いということを胆に命じて設計して欲しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?