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再犯の心理と社会の仕組み

6月21日に埼玉県川越市のインターネットカフェで、立てこもり事件が起きた。およそ5時間に渡り、女性従業員を人質に立てこもり、警察が突入し現行犯逮捕に至った。

犯人の立てこもり事件はこれで2度目。
犯行理由は「人生に嫌気がさした。事件を起こし、刑務所に戻りたかった」などと供述していると報道されている。


どんな人生を送ってきても、それがどんなに理不尽な人生であっても
悪いこと、犯罪を犯したものは罰せられるのは当然である。

極端な話、死刑も罪の重さに値するなら肯定をする。

被害者や被害者家族など、被害にあった方々の心情を少しでも救ってあげること。軽犯罪であれば、再犯防止や更生、罪の意識を自覚させるためなど、世界中、大昔から行われている妥当な処分であり法律である。


2021年の再犯者率は過去最悪の49.1%。
要因として初犯者が減少したこともあるが、検挙者の人数と再犯者の人数を見比べると、約2人に1人は再犯者になるというショッキングな数字になる。

再犯を犯す理由のひとつに、仕事が無いこと。
元受刑者にとって、最大の再犯防止策は仕事があることではないかと感じている。

更生しようと社会復帰し、働くことで社会貢献や自立、生まれ変わる機会を再度与えられたことで、生きていくことを認められたと感じることができるのは仕事でしか得られないのではないか。


コロナ禍で一時、求人は減少はしたものの、今の世の中、どの業界も人手不足である。しかしながら元受刑者にとっては、甘くない現実が待ち構えている。企業の多くは「受け入れ」を拒むことが多いからである。

半年以上、仕事を探したが、面接すらしてもらえなかった。などという声が聞かれるそうである。

当然ながら、出所時にいくらかの現金は所持させてもらえるだろうが、仕事がなれけば住むところも得られない。負のスパイラルは続く。
仮に仕事に就いたとしても、犯罪歴を明かして就労が認められたなら別だが、隠したまま就労に就き、後にバレたら、恐らくクビになるだろう。

最終的には再犯を犯してしまう可能性がある。と、そんな簡単にまとめられないが、厳しい現実があることに間違いはない。


これまでの日本の文化というか、社会は、犯罪歴を隠したまま、就労へのアプローチをせざる得ない文化というか、風潮というかが、あると感じる。それは、当たり前でもあり、元受刑者にとっては残酷な話でもあり。

犯罪は決して許されるものではないが、再犯の観点から考えれば、保護司による保護観察などに頼ることが全てではなく、受入れる企業に期待するのでもなく、希望者がいるのであれば、元受刑者のための専門的な就労施設を持つことも、ひとつの提案ではないかと思う。(北洋建設って会社が似た活動をしているそうだ)

簡単な話ではないので、安易な発想や記述はできないが、本気で更生を目指すのであれば、元受刑者は人生の修練として、自らの過去を明かした上で

社会との壁を作らず、地域貢献活動も率先して行い、就労することから経済活動を行った上で、納税につなげる。そんな民間による特別就労支援施設的な発想と、取り組める民間が出てくることを期待したい。