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京大過去問 2003の数学(理系)を Copilotに解かせてみた

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京大過去問 2003年度の数学(理系)をCopilotに解かせてみた

「tan1°は無理数か」

 tan1°は無理数です。これは、京都大学の2006年度後期入試問題で有名な問題です。

証明の方法は以下の通りです:

  1. tan1°が有理数であると仮定します。つまり、tan1°をp/q(p, qは整数)と表すことができるとします。

  2. このとき、加法定理を用いてtan2°も有理数であることが示せます。同様に、tan4°、tan8°、tan16°、tan32°も有理数になります。

  3. しかし、tanの加法定理(tan(α-β) = (tanα - tanβ) / (1 + tanαtanβ))を用いてtan60°も有理数であることが示せます。つまり、tan60° = tan(64°-4°) = (tan64° - tan4°) / (1 + tan64°tan4°) となり、右辺は有理数となります。

  4. しかし、tan60° = √3/3 は無理数であるため、これは矛盾します。

したがって、tan1°は無理数であると結論付けられます。この証明は背理法と呼ばれる手法を用いています。

 背理法は興味深い論証方法です。背理法の起源は古く、紀元前5世紀頃の古代ギリシャにまで遡ります。当時、数学や論理学の研究が盛んになり、様々な証明方法が考案されました。その中でも、特に有名なのがユークリッドです。彼は『原論』という幾何学の教科書を著し、背理法を含む様々な証明方法を体系的にまとめました。

 紀元前5世紀頃と言うと日本では弥生時代の始まりの頃です。ギリシャでは既に文明が起こっていたわけですね。

 大学入試問題では、以下のような問題で背理法が有効に使われることが多いです。

  1. 「否定の証明」 - 命題 "X" が成り立つことを証明するために、"X が成り立たない"と仮定して矛盾を導く。

  2. 「『少なくとも〜』の証明」 - 命題 "少なくとも X" が成り立つことを証明するために、"X が成り立たない"と仮定して矛盾を導く。

 背理法は、直接的に証明するのが困難な場合に有効な手法です。命題の否定を仮定して矛盾を導くことで、間接的に元の命題が成り立つことを示すことができます。 大学入試では、数学の証明問題で背理法が頻出します。無理数の性質や集合論などの問題で背理法を使うことが多いのが特徴です。背理法の理解と練習は大学入試対策において重要なポイントといえます。

★当塾の医学部合格実績★
京大医学部医学科6名(2024,2022, 2016, 2014, 2013)
阪大医学部医学科4名(2023-3名、2014)
名大医学部医学科2名(2018, 2013) 

高木繁美。「高木教育センター」塾長。

 名古屋大学卒業後、アメリカユタ州で中学校教師をした後、帰国。英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検A級、ビジネス英検A級などに合格。京大二次試験を7回受けて出題傾向を調査。英語81%、数学70%の正解率。少林寺拳法二段。ジャッキー・チェンの前でヌンチャクを披露したことが自慢。「私の京大合格作戦」(エール出版)2020年度版から2022年度版に漫画化されて掲載。チャットワークを用いた質問無制限の通信添削を全国の難関校受験生対象に募集中。「高木教育センター」検索。桑名市で指導中。God bless you. 指導を希望される方は、HPをご覧ください。

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