【短編小説】after TwentyTwenty
隣の部屋からテレビの音が聞こえなくなった。ふと気づいたとき、まさか死んでるんじゃないだろうな、と思ったが数分後にトイレを流す音が聞こえた。生きていると分かれば関心はなくなった。
エアコンがないアパートは窓を全開にしないと夏をやりすごせない。それはお隣さんも同じだった。去年は強い雨のように鳴り響く蝉の声に重なって、お隣さんの部屋からはオリンピック中継が流れてきた。普通なら苦情ものの大音量だったが、文句を言わない代わりに思う存分中継を聴いた。その時期はそれが、俺にとって休日の