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実録「偽装結婚の闇」(後編) 戸籍を汚すだけで375万円も儲かる

割引あり

報酬は1年あたり50万円


「次に、中国人妻がパスポートを取れるように、結婚相手を日本に呼びたい旨を書いた陳述書などを中国へ送付します。だいたい1ヶ月もすれば発行されるので、そのパスポートのコピーを日本に送ってもらうんです。それを持って入国管理局へ出向き、中国人妻の入国申請をするんです」
 
 入国申請に必要な書類は、中国人妻のパスポートのコピー、ふたりの写真や家族と撮った写真、男性の住民票や戸籍謄本などのほか、交際経歴書といったものも提出しなければならない。書類に不備なく審査が通ると、2ヶ月程度で「在留資格認定証明書」が交付されるので、これを中国へ送付し、中国人妻が中国の日本大使館もしくは日本領事館にビザを申請しに行き、ビザが下りるのを待つ。

 最初に中国へ渡ったときからここまででだいたい2~3ヶ月、ビザが取得できた時点で50万円が男性に渡される。その後、中国人妻は晴れて日本に入国。男性にはふたたび50万円の報酬が支払われる。
 
 最初に取得したビザの有効期限は1年。一般的に中国人女性との結婚では、この1年のビザが3回発行されると3年期限のビザに切り替えられるといわれている。
 
「報酬は1年あたり50万円の計算です。1年ごとの更新の都度、男性には50万円が支払われる。このパターンを3周繰り返して、いよいよ滞在期限3年のビザに切り替えというタイミングでは150万円をまとめて払います」
 
 段階的に支払われるといっても、3年の間に数百万円のお金が動く。1年目だけでも100万円以上、負担するのは中国人妻である。お察しの通り、彼女たちの目的はパブやスナック、マッサージ店で働くことだ。しかし、中国にいる時点でそんな大金を用意することは出来ない。
 
 これらのお金は中国人ブローカーらが肩代わりすることによって支払われる。

「ブローカーっていうと凄く聞こえが悪いけど、日本で働いている中国人の女の子、ってことです。まぁ、女の子という年齢ではないですが…。日本で商売してる中国人女性が立て替えるんです。日本に来たら(中国人妻となった)女の子たちはよく働くし、お金もあんまり使わないし、もともと人のつながりで来てるせいか、あまり問題も起きないようですね。まるまる働けて、きちんと儲けてるから文句を言う子はあんまり出ないです」

摘発対策も抜かりなし

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