からメシ第40話 看板料理は拉麺である


文化祭準備期間
うちの高校は文化祭が盛んなのか、授業が終わった放課後に少しづつ準備
文化祭の前日はなんと授業なしで全日準備に当てられる
部活の出し物があると、クラスと両立しなきゃ行けないから大変だ

接客班は衣装や内装の準備
調理班は料理の考案や試作

高木さんは料理が上手い。特に俺に食べさせるとなるとプロ顔負けの腕前になる。それはあまり知られてないけど...
でも料理が上手くて飲食店でバイトしてるのはそれなりに知ってる人いる。そして部活にも入ってないからクラスの出し物に専念できる。というわけで料理長を任されたのだ。
任されたといえば聞こえがいいが
こう、料理長となるとめんどくさいこともやらなければならないわけで...まあ体良く押し付けられたともいえなくはない。
いや。別にそこまで悪気は無いんだろうけどさ。ただ、お互いに仲良い友達は別のクラスだし...たしかにクラスで高木さんとしかほとんどしゃべってないな...
その代わり、高木さんは俺を副料理長に任命した。なんの反対もなくすんなり決まる。こういう所をすんなり受け入れてもらえるのは案外楽かもしれない。

料理と服飾、内装
全部できる家庭科室が借りれたら1番いいんだけど、というか家庭科室をメイド&執事喫茶に出来たらいいのだが
というか調理も裁縫も、家庭科室じゃないと厳しい

でも家庭科室は料理部が文化祭で使うし...
ダメ元で相談するしかない。

料理部と、交渉
いきなり、面倒事である。
俺と高木さんで

そんな簡単に料理部員が折れてくれるわけ...

ミナ「いいよー!」
身知った顔から良い返事が。
というか日々野さん、料理部入ったんだ

ただ、 そんなに簡単に話が進む訳ではなく

部長「こら、あんた何勝手に決めてんの」
ミナのほっぺをつねる料理部部長
眼鏡をかけ身長が高い黒のロングヘアー姫カットの女性だ

ミナ「いひゃい...ごめんなさい...でも...」

日々野さんが部長に一生懸命交渉する。
メイド&執事喫茶って出し物だと家庭科室を使うしかないと説明。いい加減にしなさいと部長に怒られても何度も頭を下げ
使わせてあげてくださいって部長に何回も交渉する。

部長「あー、もう分かったわ。でも悪いけどあなた達のクラスだけに使わせる訳にはいかないの。料理部も出し物ださないといけないから。
でもウチもまだ、出し物決めてないから、料理部と合同開催と行きましょう。
それと、料理部としての出し物でもあるんだから生半可なものは出しちゃダメ。喫茶じゃ飲み物メインでしょう?それじゃあ料理部としては軽いわね。
できるなら喫茶じゃなくてメイド&執事の定食屋にしましょう。それでもいいなら、一緒にいやりましょ。」

そもそも飲み物メインとは考えてなかったし、喫茶にこだわる理由も高木さんと俺にはなかったが、一応クラスに持ち帰ると

メイドと執事が残るならいいよ!
ていうか、喫茶より定食のが面白くない?
メイド執事に定食って斬新だよね

と好評
かくしてうちのクラスは料理部と合同開催のメイド&執事定食屋になった

高木さん「ごめんね、ミナちゃん。ありがとう。何度も交渉してくれて」

西片「日々野さん、ありがとう」

ミナ「全然こんなの大したことじゃないよ...それに...」

ミナ「ずっと高木ちゃんに謝りたかったんだ。2年前、私達で勝手に劇の配役決めちゃって...ごめんね...高木ちゃん。最初から西片君と姫様、王子様、でやりたかったよね...
高木ちゃん、西片君の事昔から、大好きだったんだもんね...ごめんなさい、オーディションなんかにしちゃって」

高木さん「いいよ、結局西片が王子様になって、私を助けてくれたんだしさ。あんなカッコイイ西片見れて、西片が抱き抱えてくれて、愛の言葉を私にかけてくれて。最高に幸せだったもんあの時」

ミナ「でも...もし木村君が西片君と変わってなかったら...」

高木さん「...あ、それじゃあさ、こうしよう!私のお願いひとつ聞いてくれる?」

ゴニョゴニョゴニョゴニョ

ミナ「それくらいおやすいごようだよ!私そういうのは得意だし」

とりあえず無事服飾も内装も料理も
料理部のお陰で全く問題なさそう。
ただ、一体高木さんと日々野さんはなんの密約を交わしたんだ...?

さて、問題は看板メニューを何にするかだ

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文化祭準備期間も始まって2日目
看板メニューを考えないといけない

でも私は、家で夜ご飯をたべながら
ボーっと西片の事を考えながら
テレビを見ていた

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今週のバツコの知らなかった世界は

煮干しの世界!

今回は香川県観音寺市伊吹島から
煮干しが好きすぎる兄妹が登場

1日一箱煮干しを食う女子中学生。将来の夢は世界一の煮干しを作ること
三好夏凜さん~

バツコ「一箱!?異常者よもはや」

大学時代に全国の煮干しを食べ歩き、煮干し製造会社を新たに開いた
三好春信さん~

バツコ「大学時代全部煮干しに費やしたって事?」

バツコ「久々に凄まじいの来そうよ、今日」
バツコ「それではどうぞ」

バツコ「ちょっとまって煮干し食いながら登場?煮干柄のTシャツ着てくる?かるしうむって。ほんと大した女!いつも煮干し食ってるの?学校でも?」

夏凜「はい。食ってます。自分でも止められないので。でもお陰様で私骨強いんですよ。折れたことなくて。」ポリポリ

バツコ「止められないって当然のように言ってるけどそれ中毒よ...?なんか友達に言われないの?」

夏凜「あだ名がにぼっしーなんで」ポリポリ

バツコ「でしょうね。もはやゆるキャラよ。お兄さんの方は」

春信「大学時代、煮干しを食べに全国回りました。でも、全国回って一番美味しかったのがうちの伊吹の煮干しですかね。あ、夏凜煮干しもらっていい?」ポリポリ

バツコ「出た、地元自慢!ていうかさり気なく煮干し貰ってんじゃないわよ」


その後番組ではきき煮干しやきき出汁で産地などを当てたりとかをやっていて
その後、出汁がらの使い方とか、煮干を使った料理の紹介とか始めた。もちろん讃岐のソウルフードうどんから
といっても小豆島はそんなにうどんうどんしてないけどね
でも私の好物は、納豆、山芋に続いて、にぼしなので(この人達ほどでは無いけど)、結構しっかり見てしまっていた

なるほど。文化祭でいりこ出汁のうどん...
でも香川でうどんだとちょっと定番過ぎるかな...

そして次に


春信「濃厚煮干ラーメン」

夏凜「私たちは煮干しラーメンこそ、うどん、骨付鳥に続く讃岐の新しいソウルフードになるんじゃないかと思っております!」

「これよ!」
そうだ、煮干しラーメンだ。これ、いいかもしれない。早速学校に行ったら西片に相談してみよう。あ、あとクラスの皆に

あと、今週末、西片と伊吹島に行って直接美味しい煮干しを直接仕入れてこよう!

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学校で西片に相談してみる

「どうかな?」

「いいね、それ。煮干しラーメンってあんまり食べたことない人もいるかもだし」

「じゃあ、今週末、バイト土曜日いれてなかったよね私たち。西片。一緒に仕入れに行こうよ。」

「えっ、わざわざ行くの?伊吹島まで?」

「せっかくだし自分の目で全部確かめて買いたいからね。料理部部長さんも妥協はできない。って言ってたし
私も西片に味見してもらったりまかない作るんだから妥協はできないよ」

「久々の島外デートだね❤」

「学校の課外活動みたいなもんだろ?朝始発フェリーで行って夜の最終フェリー...中々大変だよ?同じ香川県なのか、これ...」

高木さんがぺろってちょっとえっちな感じで舌を出しながら
「ワンチャンお泊まりだね❤西片❤」

「それ狙わないでよ!また怒られるよ!」

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クラスの調理班、料理部の人にも話してみた
それはいいわね!
煮干しラーメンってあんまり食べたことない
とみんな賛同

さらに、さすが料理部合同なだけあって色々意見が出て
せっかくだし小豆島の素麺をかん水で茹でてラーメン風にしてみたらどうかしら
小豆島オリーブオイルと小豆島特産のごま油、2種類で香味油を作って2つの味を選べるようにしたら
裏の竹やぶでタケノコとってきてメンマ作るのはどう?
ソーメンのラーメン風だからソーラーメンってネーミングはどうかな?
超濃厚激にぼにぼソーラーメンとか

等、どんどんアイデアが広がる。だんだん定食というかラーメン屋になりそうな雰囲気
メイド&執事ラーメン
なかなか斬新で面白そうだ

仕入れも私たちも行こうか?と言われたが
高木さんが「いいよ、私が思いついて仕入れしたいって遠方地行くわけで、交通費自腹になっちゃうし。私たちがちゃんと目利きしてくるから」
うちの高校は統廃合した割と新しい新設校で、そのせいか元々2校分近くの予算が使え、さらに文化祭にも力を入れており、
さらに前年の飲食店等が大繁盛したせいか予算は相当潤沢にある
それでも食材仕入れ、それもほかの離島に行くから交通費出してなんて言っても、金額もバカにはならないし、そもそも地元か通販で買いなさいって言われて申請は通らなかった。
でも、高木さんがクラスメイトの私たちも行こうか?って誘いを理った理由はまあ間違いなく
俺とデートがしたいから、だろう。こんな自惚れた考え恥ずかしいけど...///
ただ、食材の費用は貰えた。レシートは後で出さないといけないみたいだが。

「西片ごめんね、私が煮干しの本場まで仕入れしたいってのに付き合わせちゃって。悪いから交通費は出すよ。」

「悪くないから!自分で出すよ。交通費くらいならギリギリあるし...それに、だってこれ、...で、で、デートだろ...?で、デートの誘いで悪いからなんて言っちゃダメだよ...///高木さんに誘われるの嬉しいんだから...///」

「ありがと、西片。」

「じゃあ西片には試作段階からいっぱい味見してもらって毎日おなかいっぱいにしてあげるね」

「毎日ラーメンでおなかいっぱいにしたら太っちゃうよ!」

「そしたら、西片のぷよぷよなお腹に顔をうずめて息をぶふぅー!ってしたり、たぷたぷのお腹でお昼寝したりするからいいよー。
いくら西片が太っても私は西片のこと大好きだから安心して」

「太らせるの前提やめて!最近筋肉つけてるんだから!」

「あはははは」

そんなこんなで食材仕入れもとい
久しぶりの高木さんとの島外デートは
明日に迫った

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