からメシ 第123話 カラオケ
期末テストのテストが返却されていく。
先生「西片、よく頑張ったな」
そう、私とみっちり毎日勉強して、西片が頑張った甲斐があったのか。
「高木さん!俺初めて90点以上取ったよテスト!ほら、92点」
「おめでとう!西片。よく頑張ったね。」
その後他の教科も返却されていくが、軒並み90点以上。最高98点だったみたい。
田舎の公立校の専門学校・就職向きのクラスとはいえ、すごいと思う。
この二学期で西片にとっては相当環境が変わったと思う。毎日私と勉強するようになって、土日なんかは一日中私と勉強することもあった。
西片は本来勉強好きじゃないみたいで、そんな長時間の勉強に慣れてないから飽きちゃったりして色々大変なこともあったけど、そういう時こそ私が西片を楽しませて。
面白くわかりやすい教え方をしたり、ご飯作ってあげたり。キスしたり、ちょっとえっちな誘惑したり(逆に集中できなくなるから!)とか言ってたけど
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放課後
「これは西片にご褒美あげなきゃだね」
「え?いいよそんなの。」
「ううん。ダメ、こういうのはモチベーションに関わるから」
「……どんなの?」
高木さんが耳元で囁く
「今日、えっちしよっか。西片の部屋で」
「……///」
一気に下半身に血液が集まる。
また、高木さんと……
お、俺だって高木さんと……
ご褒美なんだ、いいだろ今日は、高木さんがいいって言ってるんだし、もう一回してるんだぞ。と心の声がするも……
「そ、そ、そういう景品みたいの良くないんじゃないかな。そういうのは…」
「西片が頑張ったからプレゼントしたいだけなんだけどなあ。西片に私を。」
「……」
「……そ、それでも」
「今一瞬悩んだよね。西片。男の子だねー。西片も」
「と、とにかく!別のやつで///」
「ちぇー。」
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土曜日
今日も朝から勉強。
テスト終わってまだ一週間、勉強漬けなんて西片かわいそうだな。ご褒美もあげられてない。
西片もさすがに集中力切れてきたな。仕草でわかる。
テスト終わったのに、なにも遊べてないし、私も何もあげられてないし……よし
「よし、もう今日は勉強やめよう!」
「ええっ?いいの?そんな事で」
「西片期末テスト頑張ったしさ。たまにはぱーっと遊んでさ」
「……でも……」
「西片も遊びたいでしょ?うずうずしてるの分かるよ?それとも……ベッドで遊ぶ?///」
「そ、外で遊ぼうか」
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と言っても外は雨ふり始めている。
「やっぱやめとく?」
「やめたらベッドで勉強になるけどいい?もちろん、西片が照れちゃう方の勉強だよ?///」
「雨でも外出しよう!///でもどこにする……?」
「そうだ、ひさびさにカラオケ行かない!?」
「いいね。それ。大きい声出したいかも」
すると高木さんが脇腹つんつんしてきた
「ひゃああっ///」
「あははははは。」
「カラオケ行かなくても私に敏感なとこ触られると大きい声出るけどねー。西片は」
「やめてよ!あ、あと敏感なとこって言わないで!///」
「恥ずかしがってる時も声大きいよね」
というわけで超久しぶりにカラオケに来た。たっぷり3時間コース。最後に来たのはたしか中学二年の時、高木さんと…
「もう付き合ってるんだし、好きって歌詞も照れずに言えるね。西片」
「まあね。」
そうその通りだよ高木さん。
こないだなんか人いなかったけど山で
高木さん好きだー!なんて叫んだんだぞ
めっちゃ恥ずかしかったけど///
そんな俺は好きだなんだなんて歌詞には動じないのさ
「あ、あと、勝負しようよ。最高得点で、負けたら罰ゲームで勝った方の言うこと1つきくこと。」
「えええええ」
……とはいいつつ。
歌詞の好きとかで照れなくなった俺は大丈夫だろ。
もらった!この勝負
「じゃあ俺から行かせてもらう」
「どぞー。」
ピッ
「あはははは。やっぱ一番最初は西片100%片想いなんだねー。」
「キライだったはずなのに~♪やばい不意打ち……」
よし順調だ。さすが俺の十八番ソング。
と思った時だった
「眠たい朝のじゅひゃうっ」
高木さんが脇腹つんつんしてくる
「君がいるなら全部乗りこえらひゃううっ♪」
今度は首筋をぺろっとしてくる
結果は
53点
あと頼んでたポテトやからあげ、お茶が来た
「こんな感じなら楽勝そうだな~」
「ずるいぞ高木さん!触って妨害するなんて!」
「だって触るの禁止なんてルール作ってないもん。西片もだから触っていいよ?なんなら揉んでも……」
「こ、こんな所でできるかー!」
「あははははは。」
やはり高木さん。なかなかやるな。
しかも…部屋ならともかくカラオケで……高木さんに触るなんて……
ドアにはガラスが入ってて通路から見えるし、だいたい防犯カメラとかあるんじゃないか?カラオケって。
と、俺が躊躇するの見越して俺の妨害は上手く防いでやがるっ!
……高木さんはどんな曲を……
ん?…マンピーのGスポッ...ブホッ
ウーロン茶吹き出してしまった。
「あー、なにやってんの西片は~。まるでこの単語の意味に心当たりがあるような反応だね~。」
「な、なんのことやら。」
「教えてあげるね後で、あ、始まる。...多分本当の未来なんて、知りたくないとアナタは言う~♪」
いきなり俺をからかうためにえっちなタイトルの曲を入れてくるなんて。高木さんめ!
あれ、でも割と歌詞は普通か?いや、意味わからんけど
「メケメケの世界~♪...触ってみる?西片」
「へ?」
そういうと高木さんは俺の手を取り
ズボンの上の隙間に俺の手を入れっ...
毛の感触...てかこれぱ、パンツの中じゃん!
「マンピーのG★スポッ♪」
咄嗟に高木さんから手を離す
「な、何やってんの!!高木さん!///」
「永遠の夏のメロディ~♪……西片、Gスポットって詳しく知らなそうだったから触らせてあげようかなって」
「い、いかがわしい行為禁止!///ほら、ドアから見えちゃうし!監視カメラとかあるかもしれないんだよ!?///」
そしてしれっと
からかいながらカラオケで80点取る。
いきなりからかいの為だけにこんな
曲のチョイス、仕掛けるタイミングなど綿密な構成組んで...
高木さん恐るべし
「あはははは。一応見たところカメラらしいカメラないけど、まあたしかにドアからは少し見えるし、他の人に見られるの嫌だし、
触るのは服の上と、手とか露出してる部分だけにしよっか」
正直もう勝てない気がしてきたぞ。
俺がコノナツの主題歌歌ってる時も爆サカの主題歌歌ってる時もツンツンしたり、耳に息ふきかけたりして妨害してくる。
その度に「ひゃう!」とか声を出してしまい点数が下がる。
このままじゃ負ける。
これは分からせる必要があるな。俺だって妨害できるんだ!
「My love is forever♪あなーたと~出逢った頃のよ~うに♪」
脇腹つんつんしてみる
き、効かない!
「季節が変わっても~きっと~♪」
は、恥ずかしいけど耳をふーってしてみる
き、効かない!
「西片、私、弱いの腋と、おっぱいと、...あそこくらいしかないよ」
こ、こんな所で触れるかー!
いや待てよ、腋ならまだ...
だめだ、腋しめて歌ってるし、さっき決めたルールで服に手を入れてはいけない。つかこんなところでそんな行為したくない
つ、詰んだー!
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「笑いたい時や泣きたい時~知らずにブレーキを踏み込まずに♪」
しかし高木さんって
「君が君でいられる~そんな僕でいたいな♪」
声も綺麗だよな。何もかも...綺麗だ。
そんなこんなで、 たまに
ポテトや唐揚げをつまみながらカラオケをしたが
大惨敗状態。
残り時間10分の電話がなる。
「西片、最後勝負関係なくデュエットしない?」
「へ?罰ゲームってそれ?」
「いや、それはまた別だよ~そんな人生甘くないよ~」
と、高木さんが俺の正面に向かい合うように立つ。
「明日、今日よりも好きになれる~溢れる気持ちが止まらない♪」
これって...
もしかして...
「君がいるから、生きていけるから♪だからいつもそばにいてよ、愛しい君へ♪」
「最後の一秒まで~♪」
高木さんの気持ちだ。
……そして俺も同じ気持ち。
曲が終わると、高木さんが抱きついてきた。
「西片。大好きだよ。」
「うん。俺も。高木さんが...大好き///」
「えへへ。言ってくれるようになってうれしいや。」
暫く抱きしめあってると終了の電話がなる。
会計を済ませて外に出ると、雨が止んで、うっすら虹が出ていた。
「見て!西片、虹だよ!綺麗だね」
「うん。」
虹も綺麗だけど、高木さんのが綺麗だ。
なんて言わないけど。
「西片声ガラガラだね。扇風機の前で喋ってるみたい」
「宇宙人ごっこね。高木さんもやった?」
「よくやったよ。一緒だね」
「……まあ普通やるのかもしれないけど」
「……西片、のど飴舐める?」
「うん。」
そういうと高木さんは自身の口にアメ玉を入れる
「え、くれるんじゃないの?」
「うん、あげるよ。口開けて。西片」
あれ、これって。
高木さんが俺の口を吸うようにキスをして、
舌を絡め上手く俺の口の中にアメ玉を移す。
「西片がさ、辛いアメ玉持ってきた時あったじゃん。中二の時だっけ?あの時もさ。...」
「ほ、ほんとはこれがしたかったんだ。叶っちゃった。願い。」
「も、もっと凄いことしてるけどね。」
「まあね。」
そんなこんなで高木さんを家まで送った。
「じゃあまた明日。明日はみっちり勉強だよ」
「うへえ。」
「嫌な顔しないの。優しく教えてあげるから。手とり足とり。...手とり足とりね...……///」
「に、二回言うと含みある感じだからやめてよ!」
「あはははは。西片顔真っ赤」
「夕日だよきっと!」
久しぶりのカラオケは楽しかった。
第123話完
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