からメシ 第93話 水平線まで何マイル?
今日は高木さんと海に行く
仕事が始まって、結構ハードで、全身筋肉痛だがそんなの関係ない。
でも指定された場所が、出身中学の裏の浜辺なので……ちょっと……いやかなり恥ずかしいのだが……
たまーに、部活の生徒とか通るし
時間もなんか昼まで俺の家でおうちデートして、海に着いたのは15時くらい
中途半端な時間だ
暑い……
さすがに高木さんも今日は服の下に水着着てきたみたいだ。中1のとき買った水着。……一緒に選んだ水着……///
「私の着替え見れなくて残念だね。西片」
「べ、別に見る気なんてないし///」
「流石にここは結構人通るしね。西片にしか見せたくないから、今度部屋でね」
「どこをどうしたらそういう理論になんのさ!」
「あはははは」
しかし...高木さんも……
背が伸びて水着が結構パツパツなんだけど……///ただでさえビキニタイプの水着で……
高木さんが近づいてくる
俺の視界いっぱいに水着姿が入るくらいの位置に
「どうかな?私の水着姿」
どうって…
まじまじと見てしまう…
……やばっ...下半身に血液が……
……いかんいかん。
「あれー?西片、なんで前かがみになってんの?」
高木さんめ!絶対知ってて言ってるだろ!
……でも胸はあんまり変わってないんだな、中1の頃から
「ごめんね、胸だけは昔から全然変わらなくてさ。西片に揉んでもらわないと大きくならないのかな?」
「も、揉まないけどね!」
「そっか、西片はこのサイズが好きか」
「そ、そういう訳では……」
「……じゃあ……西片も大きい方が好きなの?」
高木さんが悲しそうな顔をする
何やってんだ俺は
「そうじゃない!お、大きさとか関係ない!た……高木さんのだから好きなんだよ!!///」
ピッ
「大きさとか関係ない!た……高木さんのだから好きなんだよ!」
ピッ
「大きさとか関係ない!た……高木さんのだから好きなんだよ!」
「録音やめてよ!///消して!」
「えーやだよ。目覚ましのパターン増やしたいんだから。私しか聴かないんだからいいじゃん」
「良くないよ!」
高木さんめー!
ところでどうして今日はここで海水浴しようと思ったんだろう
正直海水浴にもっと適したとこなら他にいっぱいある。
もっと水が綺麗なとこもあるし、もっと人通りが少ないとこもある。つか、出身中学の裏は正直恥ずかしすぎる。
俺は少しだけ陸上部にいたんだから、後輩とかいるわけで、陸上部って走り回るからこの辺走る可能性もあるし……見られたら恥ずかしすぎる
んだけど……
ってそんなこと思ってたら……
陸上部が走ってきた
ダメだ、海の方を見てやり過ごそう
顔を見られないように
「西片~!綺麗な貝殻見つけたよ!」
こ、こんなタイミングで、高木さん!
後輩男子A「あれ?いま西片って……あ、あれ西片先輩じゃね?おーい!西k」
後輩男子B「ばっ……空気読めよお前。西片先輩、例のめちゃくちゃ仲良い彼女さんと宜しくやってんだからさ…」
後輩男子C「もう4年半も続いてるんだっけ。夫婦だよな…」
-
正直ところどころ聞こえてしまった
恥ずかしすぎる///
「慕われてるね西片。あとなんか私たち入学式の時から付き合ってると思われてるみたいだね。ちょっと嬉しいや」
「た、高木さん。ば、場所変えない?ここさ、後輩とか通るし」
「ダメ」
「え、なんで!」
「だってさ、今日の目的があずき島に行ってみる事だからさ。しってる?小豆島(しょうどしま)にある小豆島(あずきとう)」
高木さんが、指さすと小さな島がある
あ...あれって……
「そうだよ。夏祭り。一緒に花火見た時に、目の前に見えた島」
「だから行ってみたくてさ」
「そっか、あの島か。でも行けるのかな?」
「西片、足元みてみてよ」
みると、島までは続かないものの
島のかなり近くまで干潟が広がってる
「そっか、今は干潮...!」
「ここは地形的に土渕海峡と伝法川からの土砂が溜まるエリアだからね。島の近くまで干潟になってるってことは、浅いよ。……多分」
「多分!?多分じゃだめだよ。実はめちゃくちゃ深かったらどうすんの?」
「大丈夫だよ西片。浮き輪持ってきてるから。」
「1個じゃん!」
「でもこの浮き輪大っきいんだよ」
高木さんが浮き輪を膨らまそうとするけどなかなか膨らまない
「お、俺がやるよ。」
「ありがと、西片。…...間接キスだけど。」
「知っててやってるんだからわざわざ言わないでよ!///」
「あはははは」
浮き輪を膨らますのでかなり疲れた。
……確かにこれはでかい。形も円と言うより楕円形で
でもなんでこんな浮き輪を……ま、まさか
「ピンポーン。正解。2人でひとつの浮き輪を使いまーす。」
まずい。これはまずいぞ
大きいとはいえ二人用の浮き輪だ。
当然密着することになるわけで……
「じゃあ私前ね!西片。」
俺が後ろ?それは1番まずい。
高木さんのおしりに俺のかたくななアレが
押し付けられるわけで……しかもそれで動くわけで……
硬いのが当たるどころか放ってしまいかねない
「あれー?どうしたの西片。フリーキックの時のディフェンスみたいなポーズして」ニヤニヤ
た、た、高木さんめー!
絶対わかって言ってるくせに
「とにかくダメなもんはダメ!///」
「えー、私が前だとなんか不具合があるような言い方だね。西片。」
「その不具合とそのフリーキックのポーズは関係あるのかな?」
「いや、そ、それは、...た、高木さんが前だと危険が危ないかもしれないからさ!ここは、俺が舵をとる!///」
「ありがと。西片。なんか船長みたいなセリフだね。男らしいや……色んな所が」
なんか含みのある言い方だったが
とにかく、擬似せっ……せっ……///だけは避けられた。
でも……
二人でひとつの浮き輪に入る。
俺が前だけど……
高木さんの胸とか...お腹とか色々……当たるわけで
「私の……ちっちゃくても、やわらかいでしょ?」
高木さんが耳元で囁く
「な、なにが!///」
「えー。分かってるくせに」
「ぜ、全然分からないな!///」
「西片のは逆に硬いけどねー」
「なっ……///なにが!大体触ってないだろ!高木さん!」
「え?筋肉の話なんだけど。あれー?何の話かと思ったの?」
「それは……///」
高木さんめー!
「本当西片はエッチだよね。そんなに触って欲しいなら触るけど?」
「そんな事ないから!///」
そんなこんなしているうちに小豆島(あずきじま)に着いた
-- 一方陸の方 --
後輩男子B「見たかあれ...」
後輩男子C「2人でひとつの浮き輪入ってくっつきながら泳いで行ったぞ。4年半も付き合うとあんなんなるのか……」
後輩男子A「あれもうヤッてるだろ……」
後輩男子B「そうだな...間違いないと思う」
後輩男子A「あれは相当ヤッてる。毎日じゃないかな……」
後輩男子C「……俺らも彼女欲しいよな...」
後輩男子A・B「それな」
---あずきじまの方---
「西片。ついたね。ずっと来てみたかったんだ。ここ。」
「足つかないとこもあったし、浮き輪あってよかった……」
「西片に…告白してもらったあの日に、花火と一緒に見えた島。来れてよかった。」
「……そうだね」
「……2人っきりだね。」
「……む、無人島だからね……」
「二人だけの世界ってなんかいいね……///」
「うん……///でも、いつもそうだろ。オレと高木さんは」
「そうだね。」
「……2人だけの無人島。何も起きないはずもなく……」
「しないからね!そういうことは!大体ここ四方から丸見えじゃん!岸から300mくらいしか離れてないよ!干潟入れたら100mくらいしか離れてないし!」
「そういうことって?あれ?西片またやらしーこと考えてたの?」
「いや、違っ……///」
「案外見えないと思うよ?頂上の方木とか生えてるしさ」
「とにかくダメなもんはダメ!」
「あはははは。冗談だよ。私もこんなとこでするつもりないから安心して。西片以外には絶対見られたくないしね」
「あ、西片。祠があるよ。行ってみようよ」
「うん」
祠にお祈りした
毎度のことになるけど
願いは高木さんとずっと一緒に幸せにいられるようにということだけだ
お願いごとをしたあと
高木さんも微笑みながら俺の顔を見てたから同じ気持ちだろう
「頂上まで行ってみよっか?西片。」
「気持ちはわかるけど、結構急だし危ないよ」
「私、結構こういうの得意だから平気だよー」
「それでも。高木さんが怪我するような事があったら俺は嫌だよ」
「ごめんごめん。わかったよ。祠の辺りでも結構景色綺麗だしね。それに」
「西片といればどんな景色も綺麗だから」
「……///」
「まあ景色より西片見てる方が好きだけどね。私は」
「……///」
「鼻毛出てるなあ。とかさ」
「なっ……///」
「あはははは。でも私は鼻毛出てる西片もかわいくて好きだよ」
「た、高木さんが良くてもかっこ悪いもんはかっこ悪いから」
「いいのに、かっこ悪くても」
「とにかく今抜くから」
「抜くってどっちを?」
「どっち?って……あっ……///は、鼻毛だよ!///」
「あはははは。私に抜かせてよ。」
「いやだよ!」
そんなこんなで
2人で泳いだり、水を掛け合ったりして
高木さんとの海遊びを満喫した
「西片、潮が満ちてく前に陸に上がらないとね」
何だかんだで17時頃
潮が満ちはじめてくるので
また二人でひとつの浮き輪で陸に戻った
……やっぱどうしても高木さんの色んなところのやわらかい感触を背中全体で感じてしまい……
また不覚にも……あの部分が……///
「陸に着いたね。西片。……あれ?なんで前かがみになってるのかな?」にやにや
高木さんめ!わ、わかってるくせに。
「そろそろ、帰ろっか。西片。……?なにしてるの?」
「ゴミを拾ってるんだよ。ちょっとだけでも海を綺麗にできたらなと思ってさ。
ほら、プラスチックを間違えて食べて死んじゃう動物とかがいるって前テレビでやってたし。」
「そっか……。じゃあさ、どっちが沢山拾えるか勝負しようよ。負けたら罰ゲームね!」
「ええっ!急にそんな!」
そう言うと高木さんが耳元で囁く
「大丈夫だよ。罰ゲームは、西片も喜んじゃうようなやつにしてあげるからさ」
「絶対えっちなやつじゃんそれ!///」
「あはははは。西片やっぱり私がえっちなことすると喜んじゃうんだね」
「そ、そういう訳じゃないから!///」
高木さんめ
こ、これは絶対負けられないぞ!
第93話 完
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