からメシ第180話 高校最後の文化祭開幕

からメシ
第180話 高校最後の文化祭開幕

夏祭りが終わりまた、高木さんと自室で勉強する日が続いた。
夏祭りの前にあんな…まあ…その…えっちなことしてたからやっぱ恥ずかしくはあったけど
でも、去年の初体験の後みたいに手も繋げなくなるくらい過剰に恥ずかしくはならなかった。

受験生。高木さんに丁寧に教わりながら、勉強する。…ただ、3年、受験問題ともなると
高木さんでもなかなか解けなかったりする問題もあったりで。…高木さんが解けないって珍しいよなでも

たまに気分転換に文化祭のバンドの練習をする。バンドと言っても俺と高木さんだけのバンドだが。
あとたまに高木さんが気分転換にえっちでもする?とか誘惑してくるけど、思春期男子には好きな子からこんな誘惑されたら耐え難いけどここは心を強く持って

「べ、勉強しないとダメだから!」といって断るのだ。
高木さんはちょっとすねた顔をするがそんなとこもまたかわいい……じゃなくて!勉強だよ勉強!
実際これは本音だ。したくない訳じゃない。むしろしたくてたまらない。けどこれが習慣化して毎日みたいにハマってしまったら勉強どころじゃなくなるからだ

そんなこんなで勉強時々バンド練習にバイトで夏休みも過ぎ、新学期を迎える。
新学期早々にある

特進クラスのクラスとしての出し物は3年次は特になく、自由研究の掲示(しかも任意で掲示するかどうかは選べる)くらいである。
せっかくなのでオレと高木さんは掲示することにした。

それとは別に文化祭の有志参加は自由なので俺と高木さんは体育館にてバンド演奏の参加をする。のだが…

クラスメイト女子A「きゃー!うちで劣等Feのライブやるんだって!」

クラスメイト女子B「ほんと?よく呼べたね」

クラスメイト女子C「なんでも、ギターのグリップ上庄がうちが母校なんだって」

なんかよく知らないがプロのバンドを呼ぶらしい。
聞くところによるとデビューしたばっかの売り出し中のプロのバンドらしい。イケメンでアイドル要素もあるのか?ビジュアル系とかいうやつ?
母校だし宣伝にもなるからとなんとノーギャラで受けてくれるらしい。その代わりカメラは入るが

「高木さん知ってる?」

高木さんがハマってたりしたら、ちょっと複雑な気持ちだな。アイドルグループではないにしろアイドル性を売りにしてる男のグループで
高木さんがキャーキャー言ったりしたら……なんていうか、心が痛いというか

俺はどこまで独占欲強いんだ?

「知らないよ。そもそもこういうの興味無いし…ていうか昔言わなかったっけ?私の王子様は西片だって。西片にしかきゃーきゃー言わないよ~私は」

「なっ…///」

また微妙に心を読んだな。高木さんめ!

「でも、高木さん俺にもきゃーきゃー言わないよね」

「言ってあげよっか?」

「い、言わなくていいからっ///」

「あははははは。西片顔真っ赤」

そう。問題は
こともあろうにプロのバンドの演奏の後が
オレと高木さんのバンド、N❤Tなのだ
素人丸出しの下手くそ演奏がよりによって
プロの後って……

「大丈夫だよ。西片。演奏ってのは上手さじゃなくて気持ちだよ。それに、観客全員が下手くそってブーイングしてもさ」
「私だけは西片、よく頑張ったね。って言うし。それじゃダメかな?」

「ダメじゃない…けど……でもやっぱ上達はしたいよ」

「そしたら帰ったら練習しようよ」

「そうだね。」

そんなこんなでついに文化祭の日を迎える。

クラスの出し物がないから
逆に2日間高木さんと一緒に文化祭を廻れるのは
嬉しかったりする。

とりあえずまず掲示した自由研究の評判を見る
調べた資料だけでなくみつけた貝の化石も展示したので、結構人気を博していた。
化石を実際に見て触れるってのは小さい子供たちにも好評で、さらに結構恐竜や恐竜進化、地層、化石について等詳しく調べたので大人や先生からも好評だった

別に出来栄えをきそう訳じゃないけど
こうやって高木さんとオレの共同作業を褒められると嬉しい。
ちなみに浜口と北条さんは今年もホームステイに行ったらしく、そのことについて書いていた

次に夏にお世話になった、麻雀部へ向かう
全国出たこともあり賑わっていた

出し物といってもひたすら対局

すみれ「高木ちゃん。来てくれたんだ。ありがとね、夏の大会、助っ人で出てくれて」

高木さん「うん。」

すみれ「…よかったら…半荘一戦やってみない?」

高木さん「うん。…西片。いい?…ていうか西片もやる?」

西片「うん。…ただ、オレは観戦してるよ。…オレ入ったらすぐ高木さんに飛ばされちゃうし」

高木さん「たしかに西片の考えてることだけはなんでも分かっちゃうからねw」

六車「ワイもええか?」

すみれ「久しぶり。腕直ったんだね部長」

六車「何とか打てる程度にはな。あともう部長ちゃうで」

というわけで元部長の六車さんと鷹川さんと現部長の後輩部員(夏の大会では中堅)と高木さんで一戦やることに
持ち点は30000

東一局
高木さん南家 ドラ⑧

高木さん「チー。」「チー。」

123
③④⑤

すみれ(え、高木ちゃんが2・4周りをチーした。)

六車(なるほど。この組み合わせのチーなら②と④が縦に並ぶんな。)

高木さん「カン」■西西■

そして

高木さん「ツモ。…えっと70符1翻だから…600・1200」
ツモ白
■西西■
123
二二白白 /③④⑤

すみれ(二だと役無しだから片和了。西をカンした後に片和了。出たね。高木ちゃんお得意西片君和了)

その後東2局では高木さん得意の西家だったので西にドラが4乗りリーヅモ三暗刻自風牌ドラ4で
16000点を和了し一時、高木さんが圧倒。トップに躍り出る

しかしその後
すみれの5800直撃(他家の供託リー棒で6800)
や2000・4000ツモ、六車元部長の4200・8200ツモ、等で3位になる激戦。

そして南二局 高木さん西家
高木さん「ツモ。えーと、6000・12000」
ドラ西カンドラ2・中・九
ツモ六
二二四五 /■西西■ 2222 4444

一気に高木さんが55400点でダントツトップに躍り出る。
が、

すみれ(今はもう高木ちゃんの能力や打ち方をよく理解してる。弱点までね)

六車(集まる牌に偏りがあるなら、その牌やその周りを鳴かせずに、溢れる牌で待てばいい)

六車「ロン!12000」

そしてオーラス

すみれ「ツモ!3000・6000」

結局順位は
鷹川すみれ 41000
六車元部長 38400
高木さん 37400
後輩部員 3200

で高木さんが3位になった

高木さん「あー負けちゃったか」

すみれ「やった。初めて高木ちゃんに勝った」

六車「まあ私らは高木ちゃんの手の内よう知っとるけんの。大会で対戦相手が高木ちゃん相手にどううち回してくるか想定するために、高木ちゃんの能力打ち方よう研究して対策立てたけんの」

後輩部員「さすがですね、先輩たち。それに比べて私は3200点で1人沈み。せっかく今年念願の行けたのに、途絶えさせずに来年も行けるか不安になってきましたよ。」

六車「あかんでそないな事じゃ」

すみれ「いつも通り、対戦相手の研究をしっかりやれば大丈夫だよ。不安になるのはわかるけど、頑張ってやれば自信は付いてくるし」

後輩部員「そ、そうですね。ありがとうございます。」

高木さん「すみれちゃん先輩らしくなったね」

すみれ「そうかな?もう引退してるんだけどなあ。でも、香川県大会団体戦優勝してから、部員が何人か入ったみたいで、
すでに5人超えてるから秋の大会から団体公式戦出れるしね。肩の荷が降りた感じかな。」

高木さん「そっか。ありがと。すみれちゃん。部長。楽しかったです。じゃあまた」

すみれ「西片君と楽しんできてね。高校最後の文化祭だから」

高木さん「うん。」

そうして麻雀部部室を後にする。
出店で軽くポテトとかを買って食べた。
(高木さんがあーんして食べさせあおうよとかいってたがさすがに学校でクラスメイトとかがわんさかいる中恥ずかしすぎるから断った。高木さんがちょっと不満そうにしてたがそんな所もかわいく思う)
その後、今度は高尾のクラスの出し物を見に行く

なんでも高尾のクラス、(2年次ではにオレと高木さんがいたクラスでもあるが)高尾の念願が叶い、ゲームの出し物を出すことになったのだ

しかも木村のクラスとの合同で、優勝者(それぞれのクラスの出し物で優勝した者が、高尾、木村両名と戦い、勝った場合優勝となる)には
なんと今年度いっぱい使える豊島(小豆島の隣にある島)にある民宿の宿泊券がもらえるとのこと。しかも食事付きと来た

「西片、つまり両方優勝したら宿泊券2人分だから、2人で卒業旅行行けるってことだよ。」

そう、両方優勝したら旅行に行ける

もちろん負けても個人的に高木さんと一緒に卒業旅行はいけるけども
それでも、勝てば貰えるというのは、自分たちで勝ち取る、みたいで余計嬉しいしモチベーションが上がるのだ

ちなみにワンプレイ100円。ゲーセンと同じ設定だ。(旅行券の代金に還元するためらしいが)

まず某レーシングゲームからやってみる
前に家で高木さんとやったゲームと同じだ

(高木さん。あれから練習してショートカットが完璧にできるようになったんだよ?気を散らしても無駄だね。)

高木さんも俺もショートカット成功。他の参加者もショートカット成功した人も居るみたいだが
高木さんは今度はスタートラインの方向にある壁に突進していく

(何やってるんだ?高木さん。その隙に俺は引き離して……ま、まさか。この壁を越えてゴール前に?)

そのまさかだった
上手いタイミングで壁を蹴り上がるようにしてゴール前へ
ラップタイム10秒台という驚異的なスピードで1周する

た、高木さんめ!オレもやってやるぞ
しかし上手くいかず

結局高木さんは40秒弱でゴール
俺は高木さんが完璧にこなした2つめのショートカットが全然できず下位に沈んだ

次に色んなゲームのキャラクターが出てくる格ゲーみたいなやつをやった
高木さんはハメ技で俺含む参加者を蹴散らしていきダントツ1位となった

一日目午後の部で1位は高木さんらしく
ゲームマスター高尾への挑戦権が与えられた
(ちなみに午前の部1位の人は高尾に惨敗したらしい)

ゲームマスターとの戦いは有名な落ちモノゲーム。オレと高木さんが前家でやったのと同じだ
勝負は2本先取
ゲームスタート

何かを感じる、ルミナリー
全消し

いきなり高尾の三手全消しが炸裂
ちょっとだけおじゃまぷよが振る
そして間をおかず高尾の4連鎖が始まる

何かを感じる、来たわ、来たきた、ステリウム

しかしその間に高木さんが
それっ、ほーらよっと、レッドウィスプカモーン!
全消し

3連鎖全消し、そしてすかさず4連鎖を返す
それっ、ほーらよっと、リィンカーネーション、ブルーウィスプカモン

高尾は単発消しでフィーバーゲージ貯めつつ
多少おじゃまぷよを食らう
結構拮抗している。

...しかしちょっと複雑な気持ちだったりする
旅行券のためだけどオレ以外の男子とゲームしてるって...
...て独占欲強すぎだろオレ!俺との卒業旅行のためにやってくれてんのに!
ふと見ると高木さんは真剣そのものって感じだった。
そうだよ、高木さんは俺との卒業旅行しか見えてない!

そっからは2人とも大連鎖を組む
高尾も早いけど高木さんのが早い、が
高木さんが2つ目の折り返しを作るタイミングで(高木さんの言ってたGTRとかいうやつ)
高尾が副砲の4連鎖を打つ

それっ、ほーらよっと、ほいさ、うふふ、見てみてー、リィンカーネーション、グレイブミスト、見てみてー、見てみてー、トゥームストーンストーム!
高木さんがなんとか10連鎖を返しフィーバーイン

高木さんはフィーバーをすぐ打たずに連鎖を増やす。
高木さんがフィーバーインしたタイミングで高尾も連鎖を始める。
何かを感じる、来たわ、来たきた、キェー...アップライ、クロノクレーター!
10連鎖で返される

高尾のクラスメイト「来ましたぞ。高尾氏のクロノクレーター。」

発火できなきゃ高木さんの負けだが
さすが高木さん。フィーバー10連鎖を決めるがが、高尾がフィーバーインして追撃

やられてしまう。

西片「高木さんが負けた...。」

2戦目
こちらは2人とも全消し出来ず連鎖を組み始める。今度は高木さんが副砲の3連鎖を仕掛ける。
高尾は主砲を打たざるを得ない状態、高尾が10連鎖を打つ
その間に高木さんは
それっ、ほーらよっと、ほいさ......見てみてー、リィンカーネーション、見てみてー、レストインピース!

13連鎖を発射
フィーバーインするも高木さんの妨害にあい連鎖を増やせなかった高尾が負ける。

そして最終戦
今までにない大連鎖を作り上げる
一度は高木さんが副砲を打つも同じ連鎖数の副砲でほぼ相殺され
そして、あわやゲームオーバーになりそうなとこまで積まれる。
ここで高木さんが2連鎖。お互い限界近くまで積んでるので仕掛けざるを得ない。
仕掛けたのは高尾からだった

何かを感じる、アップライ、来たきた、キェー、ステリウム、イングレス、グランドトライン、イングレス、イングレス、クロノクレーター、イングレス、イングレス、イングレス、プリンシパルスター!!

高尾のクラスメイトA「た、た、高尾氏のプリンシパルスター、キタ━(゚∀゚)━!」

高尾のクラスメイトB「こ、これは勝つる!」

しかし高木さんはそれより遥か上を行っていたのだ

それっ、ほーらよっと、ほいさ、うふふ、ブルーウィスプカモン、見てみてー、グレイブミスト、見てみてー、見てみてー、トゥームストンストーム、見てみてー、見てみてー、見てみてー、見てみてー、リィンカーネーション、見てみてー、見てみてー、レストインピース!

18連鎖
これが高木さんの実力だ!どうだ参ったか高尾

これは高尾がフィーバー入っても返せず
高木さんの勝ちとなった。

旅行券が高木さんに渡される。

高尾「こんなはずじゃ...」

聞けば旅行券出なければ売上から新作ゲームが買っていいという契約を結んでいたらしい(それで死に物狂いだったとのこと)

「やったよ。西片、やった」

「やったね!高木さん」

高木さんが抱きついてくる

「ひ、ひとまず離れて...///人前だから///」

「あ、ごめん。うっかりしてた。」

とりあえず高尾の教室を後にする。

「いやあ。ありがとう。高木さん」

「お礼言うのはまだ早いよ。この旅行券はまだ一人分。木村くんのクラスの旅行券も取らないと。」

「そうだね。...」

「西片、あのさ。」

「なに?」

「私、ゲームしてる時、ずっと西片のこと考えてたよ?西片と旅行行くんだ!って」

「そ、そうなんだ」

「そ。それがあるからやったんだし。普通にゲームして楽しいのは西片だけだよ」

高木さん、俺が一瞬モヤモヤした事まで見抜いて...とことんエスパーだよな

「私あのゲームであのキャラしか使わないでしょ?なんでかわかる?」

「?気に入ってるとか?」

「あれね、双子の男の子と女の子でいつも一緒にいる仲良し幽霊のキャラなんだよ」
「いつも一緒にいる仲良しの男の子と女の子、似てない?」

「ふ、双子じゃないし幽霊じゃないだろっ!///」

「あははははは。そうだね。...たとえいつか死んじゃっても、一緒に仲良く居ようねって事だよ」

「え、縁起でもないからっ!!」

「あははははは。ごめんごめん。」

さて、木村のクラスにつく
君は耐えられるか。超鬼激辛ラーメン勝負
と書かれた看板

「さ、また2人で挑戦してみよっか」

「……高木さん。高木さんは見ててくれないか。俺が行く」

「え、でも...二人でやった方が確実だよ?私辛いの得意だし。」

「うん、でも高木さんは今日も頑張ってくれたし、去年だって頑張ってくれて、だから今度は...オレの番だよ」

「……わかった。応援してる」

高木さんは昨年も大食い大会で旅行券のために無理してる。ゲームならともかく、激辛対決なんか参加させられない。去年食べすぎて寝込んだ高木さん。去年の二の舞にはしたくない。

それに、好きな子の前で、たまにはカッコつけたくて。

絶対優勝して、高木さんとの卒業旅行の旅行券、取るぞ!

激辛ラーメン勝負、
いざ、出陣

第180話 完

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