からメシ 第165話 高木-takagi- 連荘

ナレーター「副将戦終了ー!小豆島総合高校、高木選手から継続してトップをなんとか維持しましたが、千里山女子が猛追。小豆島総合123200点に対して千里山女子120500点。僅か2700点の差になってしまいましたー!」

神之浦「高木ちゃんの時は2位と70000点以上、そん時3位だった千里山からは90000点以上差があったからな。
小豆島は高木ちゃんは強かったけど、やっぱ優勝候補の強豪校は層の厚さも違うのを肌で感じるわ。これで千里山は絶対的エースがまだ控えてるんだから怖いよな。」

ナレーター「3位は大生院女子で79600点、4位は尼ヶ坂女子で76700点。こちらも僅差です!さて、いよいよ大将戦だー!」

~~
大将戦
みんなで鷹川さんを送りに行く

後輩たち「すみれ先輩。頑張ってください!」

高木さん「すみれちゃん。頑張って!」

西片「鷹川さん頑張って」

六車「研究した通りやれば大丈夫やぞ」

すみれ「うん。」

~~

丹羽「尼ヶ坂女子の丹羽菜緒子です。よろしくお願いします。」

加賀城「か、か、か、加賀城です。よ、よ、よろしくお願いします><」

椋「椋千尋です。よろしく~」

すみれ「鷹川すみれです。よろしく。」

すみれ(あれが千里山の椋千尋か。日本代表に選ばれたとか。緊張するけど、日本代表にもし勝てたら凄いことだよね。)

~~

ナレーター「2日目のC対局室の試合も大詰め。なんとかトップを維持している小豆島総合の大将を務めるのは鷹川すみれ選手。香川予選決勝では最下位から神樹館等強豪校を逆転で下し優勝を決めたその人です。」

神之浦「香川大会は高木ちゃんも入部前だかんな。対戦相手の研究だけで香川制したんだから大したもんだよ」

ナレーター「続いて大生院女子の大将を務めるは加賀城雀選手。愛媛大会では先鋒戦で戒能選手が作った大量リードをなんとか守り抜いて全国を決めました。」

神之浦「こいつは本能なのか危機回避能力が異常に高い。愛媛決勝では何度も振込回避してギリギリのところで勝ってたな」

ナレーター「続いて尼ヶ坂女子の丹羽菜緒子選手!愛知の強豪苅安賀とのデットヒートを制して出場を決めました」

神之浦「一進一退でオーラスまで負けてた所の逆転勝利だったな。」

ナレーター「そしてー!千里山女子高校大将は、ワールドカップ日本代表に選ばれた超実力者。
トッププロより強いかも。北大阪大会では前回代表三箇牧を飛ばし、チームの総獲得得点386000点のという驚異的な点数で北大阪を蹂躙した立役者。強靭、最強、無敵。椋千尋選手だー!」

神之浦「ぶっちゃけると八道も宇田川も嶋貫も負けたことあるからなこいつに。」

ナレーター「全員トッププロじゃないですか!」

神之浦「まあ俺は負けたことねえけどな!!」

ナレーター「自慢ですか?」

神之浦「そうだよ。全日本一位だからな」

~~

早速場決め・親決めをする。

親は丹羽さんから

すみれ(私が最初南家で椋さんが北家、加賀城さんが西家からか。)

東1局
ドラ四

すみれ(点差を広げて逃げ切るのが私の役目。椋さんの親が来る前に、終わらす!よし、6巡目聴牌。ここはリーチかけよう)

すみれ「リーチ!」

丹羽「追っかけるわ。リーチ。」

加賀城(私も聴牌したけど、なんか怖い感じするから多分リー棒取られて終わり。だからここはオリ)

丹羽「ツモ。6000オール。」

11②③一二三四五六七八九

すみれ(和了られた。でもこれから!)

~~
ナレーター「大将戦、最初に和了ったのは丹羽選手だー!それもおやっぱね炸裂!これにより尼ヶ坂女子は95700点、大生院女子を抜き3位になりましたー!」

東1局1本場

すみれ「ツモ!2100・4100!」

東2局

すみれ「ツモ!2000オール!」

東2局1本場

すみれ「1700オール!」

~~
ナレーター「開幕一閃、丹羽選手のおやっぱね炸裂の後は鷹川選手の3連続和了で小豆島総合が点差を広げましたー!小豆島総合135600点、2位の千里山女子108700点と26900点差!一気に中堅戦終了時くらいの点差にまで戻しました!しかし椋選手、動きがありませんね」

神之浦「椋千尋は親番が怖いんだよ。まだ奴の親番になってねえだろ?」

~~

高木さんと一緒に鷹川さんの試合を中継で見てる、が

高木さん、なんで俺の膝の上に座るのか。

「高木さん、なんで俺の上に座るの?///」

「私の定位置だもん」

服着てるとはいえ(当たり前だが)夏服で(ちなみに高木さんは試合があったから制服)密着されると……
しかも鷹川さんが和了るたびに
「やった!」「すごい。すみれちゃん」
とかいっておしりが上下運動して…

…こんなとこで恥ずかしい話だが。硬くなってしまう。あれが
というか、高木さんわざと押し付けてない?おしり。お互いにズボン・スカート越しだけどおしりの割れ目の感触を感じてしまう。しかも敏感な硬い部分の全体で
ぐいぐい、ぐいぐいと

抱きつきたい衝動に駆られるが絶対だめだ、みんなの前でそんな。人前でも膝に乗るだけならまだ仲良いカップルで済む…のか…?わからんけど、とりあえずギリギリセーフかもだがそれ以上はっ///

高木さんの顔を見るとめっちゃにやにやしてる

高木さん、意図してやってる!!
高木さんめ!

「た、高木さん!やっぱ膝の上に座るのはダメっ!///」

「えーなんで?ちょっとくらいいいじゃん」

「みんないるから恥ずかしいのっ///」

「あはははは。顔真っ赤だね。西片。でもさ」

高木さんが小声で耳打ちする
「いいの?西片。私が膝の上から離れたら、おっきくなってるのみんなにバレちゃうよ?」

「なっ…///」

た、高木さんめ!
くそう、そんな策略を。たしかにそれじゃあ膝の上から離すのは難しいし、考えたな。って感心してる場合か!///かくなる上は

「と、トイレ行ってくるから!」

「ごゆっくり~」

前かがみになりながら控え室を退散しトイレに行った。

~~

東2局2本場

丹羽「ツモ。700・500」

丹羽(椋の連荘も厄介だけどトップの小豆島の親は流しておきたいわね。)

東3局
ドラ7

すみれ(椋さんの連荘を止めるには東3局が流局すればいいはず。…そうしたらスタートが1500点からじゃなくなるから連荘は出来ないはず。問題は他家がそれを理解しているか、はたまた分かってても3位4位の点数状況で実践してくれるかどうか。とくに丹羽さんが和了るとまずい)

加賀城「ポンです!」111

加賀城「それもポンします!」①①①

加賀城「ポンします!」東東東

すみれ(やっぱり、前に出るよね。…まあ無理もないか。加賀城さんは67300点で私の点数の半分以下で最下位。悠長なこと言ってられない上に親番で連荘する限り椋さんの親番は来ないし、
たとえ椋さんの親番になっても振り込む牌が分かれば他家よりかなり有利だからね)

加賀城「ツモ。ダブ東対々和ドラ2で6000オールです」

赤⑤
九九赤⑤⑤/東東東①①①111

~~

ナレーター「加賀城選手のおやっぱねが決まったー!これにより大生院女子、尼ヶ坂女子を抜き返しました~!」

~~
その後、

1本場
加賀城「ツモ!600オールです。」

2本場
流局(全員聴牌)

3本場
流局(鷹川・丹羽・加賀城聴牌)

4本場
加賀城「ツモ。900オールです。」

5本場

すみれ(おかしい。急に流局が多くなったのと…加賀城さんの動きがおかしい。加賀城さんはおそらく自分の手牌の中にある相手の当たり牌がわかる…から放銃率が著しく低い。愛媛大会でもリーチ時含め放銃率0だったけど。
その代わりオリの多さも屈指で回避で後手に回るから和了率がかなり低い。なのにこの5局で3回和了。これはなにかある。どちらかと言えば和了ってるというより、和了らされている。
しかも最初の和了以外が30符1翻だから…最初の和了だけが自力で、他はまさかすでに椋さんの支配下にあるってこと?……なんのために………あれ、30符1翻の5本場って3000点だよね…まさか…)

丹羽「ポン!」北北北

すみれ(丹羽さんがオタ風の鳴き。多分流局時形テン狙い。気づいたみたいね。1人聴牌流局時は、聴牌した者が3000点を得れて、積み棒はそのまま。
つまり5本場で椋さん1人が聴牌して流局して親が椋さんに移った場合6本場の3300点から連続和了が始まるってこと!?仮説だけど。
そしてそれは0本場で加賀城さんが和了ったようになんとか阻止はできる、と。なにしろ0本場で椋さんと誰か、の計2人が聴牌したら椋さんは1500点得れて次1本場1800点だから連荘和了が出来るわけだし。ここもなんとか阻止する!)

しかし

すみれ「ノーテン」

加賀城「…ノーテンです。」

丹羽「…ノーテン」

椋「…聴牌…。」

すみれ(一向聴止まりだった。私の予測が正しければこれで…)

~~

ナレーター「さあついに来てしまった!椋千尋選手の親番!しかし今まで椋選手、和了れてすらいません。その実力如何程のものなのかー!おーっと椋選手配牌で聴牌だああああ!しかし、ダブルリーチかけません。どういうことでしょうか」

神之浦「そりゃあ30符1翻じゃなくなるからなダブリーなんてかけたら」

ナレーター「…よくわかりませんが、他家の配牌もいいのでこの局もわかりませんよ?鷹川選手なんか配牌で九連宝燈一向聴です!」

神之浦「いや、ちゃんと研究してるやつならこの局は完全にオリに回るぜ」

~~

東4局流れ6本場
ドラ⑨

椋 白捨て

鷹川すみれ 配牌
①①②②③ ④赤⑤⑥⑦⑧ ⑨25 ツモ⑨

すみれ(配牌一向聴で九連宝燈・役満、安くても三倍満狙える。今まで麻雀やってきて一番いい配牌だけど、だからこそ、これはおかしい。この不自然に浮いた2・5。明らかに椋さんの当たり牌だよね。いつもとは入り方が違うとはいえ、この予測は多分あってる)

すみれ ⑨捨て

すみれ(万が一もある。親番の椋で絶対に安全なドラを切る。平和あたりだろうけど面前ツモしたら2翻になっちゃうよ?こんな見え見えな手じゃみんな切ってくれないけど、どうする?)

~~

ナレーター「おーっと鷹川選手、役満狙える配牌を初手から崩したー!結果的に椋選手への放銃を回避しましたが、まるで当たり牌が分かってるかのようなうち回しだー!」

神之浦「わかってると言うより、椋の牌譜を総ざらいして、そこからどういう牌が危険牌になるかを洗い出したんだろうな。」

~~

加賀城配牌
25④一二三四五六七八九東 ツモ東

加賀城(普段なら恰好の配牌。でも椋さんの親番でこの揃い方の時点でおかしい。椋さんの連荘を回避するにはとにかく遠回りを…って言うけど、
私の場合は怖い牌が分かるから、それを切らないようにしたらいいだけ。2と5は絶対切れないからここは)

加賀城 ④捨て

椋「チー!」②③④
捨て①

すみれ(手の進まない鳴き。タンヤオに張り替えしたか)

椋「ツモ。1100オール。」

2
34六七八⑤⑥⑦③③/②③④

すみれ(やっぱ2・5牌当たりだった…)

すみれ「やっぱり配牌から聴牌でもダブルリーチかけないんですね。」

椋「まあね。」

~~
ナレーター「椋選手、親番になってこの局初めての和了り。30符1翻をツモりました!さあここからずっと連荘が続くのか~!?」

~~

東4局7本場
ドラ二

加賀城(振り込む牌を切らなきゃいいんだから私なら速攻で和了れるはず)

加賀城「ポン!」北北北

加賀城(これで1翻確定。あとは鳴いて速攻で和了る!)

加賀城「チー」一二三

加賀城「チー」②③④

加賀城 4ツモ
4
114九/②③④一二三北北北

加賀城(1も4も七も怖い牌じゃない。これは通るはず)

捨て九

椋「チー!」七八九
捨て⑨

加賀城(えっ…今のチーで一気に1も4も危ない牌になった……でも1・4引けたら和了だし、他の牌ツモっても和了られる確率は低いはず……三面張以上じゃなければ……)

~~
六車「まずいな…加賀城が能力にあまりに頼りすぎてる。愛媛大会で一度も放銃してないとはいえ…。その上で椋の上家。振り込む牌が分かる、は全然絶対的な守備能力じゃないのに絶対的な守備能力だと思ってそれに基づいて打ってる。
これだといいように椋が鳴ける上に、一向聴のうちに加賀城の逃げ場無くしてから椋が聴牌して八方塞がりにされてる。完全に椋千尋に利用されてる」

~~

加賀城 ツモ7

加賀城(ひぃぃぃ、これも怖い牌だよ。><)

捨て7

椋「ロン。3600。」
7
23456白白白中中/七八九

加賀城「こ、怖いっ…」

~~

ナレーター「大生院女子の加賀城選手、愛媛県大会も含め今大会初めての放銃ー!しかし加賀城選手が放銃は珍しいですね」

神之浦「まあ普通の奴相手ならまず絶対放銃しないわな。リーチかけてる訳でもないし、本能的になのか直感的になのか当たり牌が分かれば普通の相手なら放銃はしないが…」

~~

東4局
8本場
ドラ9

加賀城配牌
222556689二八⑨南 ツモ9
南捨て

加賀城(いい感じに索子が揃ってる。あまり鳴くと身動き取れなそうだから一副露までならどうかな?狙えたら清一色。でも無理はしない)

椋9捨て

加賀城「ポン!」999
⑨捨て

4巡目
加賀城手牌
ツモ8
222355668八/999

加賀城(手牌に怖い牌は無い。八切れば清一色三暗刻も狙えそうな手。一副露だけならオリもしやすいし、さっきみたいにはならないはず!)

八捨て

椋「チー!」六七八
捨て⑨

加賀城(えっ…今のチーの後…手牌全部に黒いもやが…全部怖い牌だこれ。……でも次にこの手牌と同じ牌を引く確率は低いはず!…なら
…)

加賀城 6ツモ

加賀城(ああああああああぁぁぁ)6捨て

椋「ロン。3900」
6
三四五3456777/六七八

~~

東4局
9本場
ドラ8

加賀城(もう鳴かない。それなら…)

加賀城5巡目
六ツモ
二三三三四四四五五五六八②

加賀城(絶対おかしい。でもこの中に怖い牌は無いし、副露してないから、オリようはいくらでもあるはず。)

②捨て

椋「チー!」②③④

加賀城(……今のチーで…13牌も手牌あるのに……全部怖い牌になった。どれ切っても振り込む……)

椋「まだわかんないかなあ。当たり牌が分かったところで、そげなことなんの意味もないんだよ。手牌全部当たり牌なら、分かってても…切るしかないよね?」

加賀城「……ってことは次のツモは……」

加賀城 七ツモ
(こ、これもだ><)

七切り

椋「ロン。4200」


二二二三四五六七七七/②③④

加賀城「助けて…」

~~
ナレーター「ここに来て加賀城選手3連続放銃~!なんということでしょう。愛媛大会では絶対に振り込まない加賀城とまで言われていた選手が連続で振り込むー!」

神之浦「加賀城も当たり牌が分かる直感に頼りすぎたきらいはあるが…普通は当たり牌が分かれば振り込まないからな。副露無しで手牌全部当たり牌になるなんて普通は絶対ありえないから、仕方ないとも言える
しかしこれで加賀城はもうまともな手作り出来なくなるだろうな。前に出れば殺られる。下がれば遅れを取り和了られる。……とはいえまだ手はあるんだけど気づけるかどうか。」

~~

東4局
10本場
ドラ8

椋「ツモ。1500オール」
3
一二三33456⑦⑧⑨北北

すみれ(なるほど。今回私の手牌に早い順目で不自然に揃った牌と不自然に浮いた牌がなかった。こういう場合椋さんはツモになりやすいのかな?)

~~

西片「ふぅ…」

西片(高木さんがおしりをあの部分に押し付けてきたとはいえ、こんなとこで何やってんだ俺……しかも2回も……
トイレで長いことなにやってたの?ってからかわれてもアレだし……試合長くなりそうだし買い出しでも行ってくるか。)

高木さんに電話する。

高木さん「西片!……トイレ長かったね~。……何してたのかな?」

西片「そ、そんなことど、どうでもいいだろっ!///」

高木さん「なんで恥ずかしがってるのかな?」

西片「べ、別に恥ずかしがってなんか///ていうかその話はもう無し!///部活の人も部屋にいるんだし!///」

高木さん「今、電話するのに部屋出たから大丈夫だよ~。で、恥ずかしいことしてたの?」

西片「ち、違っ///。そ、そんなことよりさ、試合の状況どう?」

高木さん「まだ1位だけど……かなり点差詰められてるや。序盤ですみれちゃんが突き放したのにね。と言ってもまだ前半戦東4局だけど」

西片「え、まだそんな進んでないの?そろそろ前半戦終わるかと」

高木さん「連荘が多くてねー。今10本場終わったとこ」

西片「10本場!?……かかりそうだし、部員の人の夜飯買ってくるよ」

高木さん「いいの?なんか悪い気がするけど。荷物多くなりそうだし」

西片「一応部のマネージャーだからさ。少しはマネージャーらしいことしたいかなって」

高木さん「……分かった。それじゃあカップ麺とかでいいからさ。給湯器あるし。持つの重いと大変でしょ?
あ、でも後半戦行く前にすみれちゃんに食べさせたいからすぐ食べれる甘いもの買ってきて。頭使うから糖分補給。……ていうか私も手伝うよ」

西片「大丈夫だよ。俺一人でも。」

高木さん「大変じゃない?」

西片「せっかくなんだしさ、高木さんは鷹川さん応援しててよ。俺には縁がなかったけど、最後の夏ってやつでしょ。大丈夫。俺すぐ帰ってくるからさ」

高木さん「どうしても荷物多かったら私呼んでね。あと、後で精算するからレシート取っといてね。」

西片「うん。」

~~

東4局
11本場
ドラ7

すみれ(椋さんから和了るのは簡単な事じゃない。ただ手を遅らせて和了れば和了れることもある。
加賀城さんのケースでは一向聴になった時点で浮いた牌を切ったら鳴かれて一気に手牌全部当たり牌になってる。誰かを狙うなら鳴かないと30符1翻は厳しい。それなら)

4ツモ
123一二三56⑤⑧/發發發

すみれ(序盤で發鳴いて久々に聴牌まで行ったけど……。この浮いた⑤⑧は明らかに怪しい。さらに言えば椋さんは鳴いた時タンヤオを使いがち。一番効率よく早く、待ちも広く30符1翻を作れるのは断幺九。多面張でどれ切っても当たり牌なんてのは断幺九以外は難しい。なら1と一は通る)

すみれ1捨て

~~
ナレーター「鷹川選手!なんと聴牌を拒否!聴牌崩しです!」

神之浦「しっかり椋千尋対策を考えてきてるが……奴はさらにその裏をかいてんだよな……」

~~

椋「ポン」111

すみれ(1を鳴いた!?断幺九じゃない!?2翻食い下がりの役?1をわざわざ鳴くならチャンタ?三色や一通はどうだろ。)

すみれ(チャンタなら56⑤が確定安牌。三色一通はわからないけど、そもそも⑤⑧で引っ掛けようと思ってるなら56どっちか切ればいいのか。特に6はドラ表示牌に1つ、河に2枚も出てるしこれで待ったら地獄単騎。1もポンしたとはいえ最初から暗刻あってポン?も考えにくいし)

ツモ⑧
23一二三56⑤⑧/發發發

すみれ(うん。浮いてる牌はやっぱり⑤。⑤は切れない。それなら、これはどうかな)6捨て

椋「ロン!」

123456789⑤⑤/發發發

椋「30符1翻の11本場は4800。」

すみれ(どうして……それに...これで)

椋「逆転だね。」

~~

ナレーター「ついに小豆島総合高校陥落ー!千里山女子高校125000点、小豆島総合高校120000点!高木選手の東1局の和了からずっと守り抜いてきたトップを千里山の椋選手に奪われましたー!」

神之浦「……椋は3年前のインターミドルに姿を表した時から異常な強さだったけど、3年前よりはるかに強くなってる。特に親番の連続和了がほぼ阻止不可能なくらい難しくなってる」

ナレーター「それって…」

神之浦「千里山女子の椋千尋は北大阪大会の全試合、他校を飛ばしてダントツ1位で終了してる。決勝の三箇牧戦なんか大将戦開始時1位の三箇牧高校を146000点も削って飛ばし終了したんだ」

神之浦「今回も誰かが飛ぶまで終わらないかもな」

~~

椋「ロン!5100」

椋「ロン!5400」

椋「ツモ!1900オール」

椋「ロン!6000」

椋「ロン!6300」

~~

西片「高木さん。ただいま。みんな夜飯買ってきたよ。インスタントで申し訳ないけど。今どんな感じ」

高木さん「…まだ前半戦東4局……今17本場入ったとこ……」

西片「17本場!??点数は!?」

画面を見ると丁度、椋って人が和了った所だった

椋「ツモ。2200オール」

ナレーター「椋千尋選手、圧倒的だー!あっという間に小豆島総合の鷹川選手を突き放しましたー!」


電光掲示板が画面に移る

千里山女子/椋千尋 160100
小豆島総合/鷹川すみれ 93100
尼ヶ坂女子/丹羽菜緒子 75400
大生院女子/加賀城雀 71400

西片「ええっ、も、もうこんなに差つけられたの!?」

高木さん「うん。」

カップ麺を作るお湯を沸かしてる間にも、どんどん和了られていく。

お湯を沸かし

カップ麺を作る。

高木さん「私と西片はなるとラーメン?」

西片「うん。」

高木さん「思い出の味だね。あ、そうだ。待ち時間変えて麺の硬さ変えてみて替えっこしようよ。30秒早い硬めと、30秒遅い柔めでさ。」

西片「そこまでして替えっこしたがるの!?」

高木さん「うん。」

カップ麺が出来上がる

西片「結構1分の差で食感違うんだね。」

高木さん「そうだねー。でも両方美味しいよ。思い出の味だもん。」

そう、中2の時駄菓子屋デートした時に一緒に食べたカップ麺と同じやつだ

西片「……これでちょっと元気出たかな?」

高木さん「うん。ありがと。西片。やさしいね。やっぱり。」

~~
すみれ(強すぎる。まるでこっちの手牌や戦略を見透かした上でそれに対応できるように全ての牌を支配したかのような打ち回し…こ、こんなんどう対処したら……
遠回りして面子崩せばそれで鳴かれ和了られ、真っ直ぐ最速で和了りにいけば浮いた牌切った瞬間和了られ
リーチ棒食わせて300点ずつの点数上昇抑えようにも鳴かないと聴牌すらできない。遠回りしすぎると普通にツモられるし…30符1翻だから速いんだよね)

すみれ(加賀城さんか丹羽さんに差し込みしようと思ってもそもそも聴牌すらしてなかったりその前に椋さんに和了られたり)

~~
ナレーター「ついに東4局も27本場に突入ー!千里山の椋千尋選手、獲得得点は242600点!副将時から122100点もひとりで稼いでおり高木選手の最高得点時の得点も最高時の個人獲得得点も超えています!もちろん今大会の記録更新!おーっとまた椋選手、加賀城選手の手牌を全て危険牌に変えての和了りだー。」

神之浦「今回の加賀城、槓したな。聴牌前で暗槓じゃないし失敗したけど。糸口の一つが見えかけたかも。」

~~
29本場
ドラ③

すみれ(もう一体どうしたら)

丹羽「ポン!」333

丹羽「ポン」三三三

すみれ(丹波さんが2副露。大丈夫かな。身動き取れなくなるんじゃ……2つともポン?…まさか……3と三で鳴いてるのは、狙ってる牌を伝えるため??
でも差し込みさせるならわかりやすくてもっと和了りやすい役も……わざわざ作りにくい三色同刻でやる意味……も、もしかして!)

すみれ(さっき加賀城さんがカンしたのも……椋さんの支配は嶺上牌には及んでないかもしれないってこと?嶺上開花責任払い。結構大きい放銃だけど。椋さんの連荘でこのまま負けるよりは!)

すみれ③

丹羽「カン」③③③③

カンドラ⑦

丹羽「ごめんなさい。ちょっと高いけど。」

丹羽「ツモ!嶺上開花三色同刻対々和ドラ6で三倍満、24000」

④④⑦⑦/③③③③三三三333

すみれ「うん。ちょっとではないけど……」

すみれ(でも、止めれたんだ私。日本代表選手の連荘!24000点の価値全然ある。)

椋「へー。なかなかやるんね。」

椋 手牌
⑤⑥⑥⑥⑥⑦⑧七八九/白白白

椋(カンからの嶺上開花がなきゃ丹羽は次⑧引いて振り込んで、加賀城か鷹川がずらしても⑤・⑧引くことになってたけど。…嶺上牌かあ。…)

~~
ナレーター「23連続和了していた椋選手でしたが、丹羽選手が鷹川選手からの三倍満出和了で止めましたー!これにより、小豆島総合は2位からラスに転落43800点、尼ヶ坂女子は51300点で3位に浮上しましたー!しかし、鷹川選手、見え見えの危険牌を意図的に出した、差し込みに見えましたが」

神之浦「ああ、これは間違いなく差し込みだよ。」

ナレーター「大きくないですか?三倍満ですよ?」

神之浦「全然?持ち点全て犠牲にしても止める価値ある親番だよ。世の中には絶対にあげちゃいけない1000点もあれば、例え24000点でも32000点振っても止めなきゃ行けない親番もあるって事よ。まあ振ったらその分後で回収すんだけどな
丹羽の方もあえて3枚揃いの③以外の3と三を鳴いて③をカンできるようにわかりやすくてカンしやすい三色同刻狙いにしたんだろう。」

ナレーター「カンする意味とは?」

神之浦「山から引く牌がここまで絶望的なら嶺上牌には逆に窮地を脱する牌で占められてるかもしれないだろ?」

ナレーター「そうかもしれませんが…と、とにかく長い長い東4局が終わりましたー!椋選手圧倒的!252500点で二着の大生院女子の加賀城選手から200000点差をつけてのダントツトップ!開始から3時間近く、時刻も19時半を回ろうとしております。ようやく南1局です!。神之浦さん。これ、ここまで来ると継続試合の可能性も高いですよね。」

神之浦「後半戦南場の場合21時半、それ以外は21時の時点で対局をその局(本場)の終わりで打ち切って翌日の朝から、臨時対局室でやることになるな。飛びでもしない限り確定だろう」

~~
すみれ(さて、ようやく南入か…)

第165話 カン

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