からメシ 第139話 特進コース編入テスト

2月末、学年末テスト。それと同時に特進コース編入テストも行われた。

3月初め、結果が返される。
クラス分けテストの方も

「西片、すごいね。編入テストも平均90点以上。これなら多分大丈夫だよ!」

「そうかな?そ、それは良かったけど…」

「ちなみに私は全部100点だけどね」えへん

た、高木さんめ~!
褒めといてそれかー!
でも得意げな高木さんもかわいいぞ

「編入テストも結果出たし、今日面談してクラス決まるみたいだね。」

「といっても特進の編入希望は高木さんと俺だけか」

すると
先生「西片君」
名前が呼ばれ、生徒指導室へ

「頑張ってね。西片。」
西片ならきっと大丈夫だよ……。

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ところが
バタン

「どうだった。西片。」

「高木さん...俺っ……俺さ……」

「西片……」

西片が泣きそうになっている。
どうやら西片は、厳しいって言われたらしい
編入テストは基準点上回ってたらしかったけど...
一学期と二学期前半までの成績が悪いからとかで……そんなのって...

「高木さん。毎日、休み時間に会いに行くからさ......でも俺、高木さんと同じクラスで勉強したかった...」
西片から涙がこぼれた瞬間、私は

「こんなの納得いかない!なにそれ。西片が本格的に勉強始めたのは二学期の期末からなんだから、学年前半の成績が良くないのは仕方ないじゃん
昔の成績とか関係ないじゃん!なんで今頑張った西片を先生は見てくれないの!酷すぎるよ!」

高木さんは俺に対しては怒ったことない。
でも、俺の事、俺との事に関してで他人に怒ることは結構ある。
俺はそれだけ、高木さんに想われてるんだなあ。と思う。

先生「高木さん」
高木さんの名前が呼ばれる

高木さん「私、西片と一緒のクラス、諦めてないから。……絶対に諦めないのが、私の西片への想いだから。」

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先生「あなたは成績も編入試験も問題ないので特進クラスに」

高木さん「辞退します。」

先生「え?」

高木さん「西片も特進クラスに編入させて貰えないなら、私は辞退します。」

先生「なんで...」

高木さん「西片は…今すごく、勉強がんばっているんです。編入テストもあれだけ取れてれば問題ないはずです」

先生「それは...西片君の二年前半の成績が...」

高木さん「西片が本気で大学目指して勉強するようになったのは、今年秋からです。本気で勉学を志すのがちょっと遅かっただけ。」

先生「いや…でも一応内申と両方考慮することになっていて」

引くな、私。大事なものを守るためには、戦うことだって必要。西片のため、西片との時間のためなら。

高木さん「一般受験するにあたって過去の成績って関係ありますか?」

先生「確かに関係ないけど…西片君はテストも合格ラインギリギリだし...。」

高木さん「でも上回ってるんですよね?先生は過去に囚われて生徒の可能性を摘むんですか?西片は実際すごい勉強頑張ってて
どんどん伸びていってますよ。二年生になった時とは比べ物にならないくらい。絶対特進行ってもついていけます。」

先生「どうしてあなたはそんなに西片君を...」

高木さん「私にとって、西片は、人生で一番大事なものなんです。西片のためなら私はなんだたってします。…西片といることが、私の全てなんです。」

先生「そう…」

高木さん「西片の頑張りを、信じて貰えませんでしょうか。よろしくお願いします!」

先生「……わかった。なんとかしてみる。元々、特進コースに編入に関しての条件は…」

①特進コースの編入に関しては、編入テストにおいて平均90点以上、最低点で80点以上を獲得していなければならない。

②以上の編入テストと、該当学年次の内申を考慮し編入を認めるかどうかを決定する。

先生「西片君は①の条件は満たしてる。②の条件はわりと曖昧だし、直近の成績がいいから…なんとかなるかも」

高木さん「ありがとうございます!」

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高木さんが生徒指導室から出てくる

と、同時に、高木さんが俺の手を握る
高木さん「西片、西片も特進コース入れるよ。三年生も一緒のクラスだよ。やった。やったよ!西片!」

高木さんの喜びようったらない。

西片「ありがとう。高木さん。俺のために、意見してくれたんだよね」

高木さん「西片がお礼言うことじゃないよ。...絶対同じクラスになりたかったから」

西片「それでも、俺だって、...絶対高木さんと一緒のクラスになりたかったから」

高木さん「ありがと。西片。」

西片「うん。」
「先生もありがとうございました!俺の特進コース編入、許してくれて」

先生「いいけど、入るからには頑張りなさい。」

西片・高木さん「「はい!」」

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「良かったねー。西片。一緒のクラス」

「うん。...あとは席も隣だといいけど」

「きっと隣だよ。だって私たち、頑張ったもん。隣にいるために全力を尽くしてる私たちには神様がきっとご褒美くれるよ。」

「...そうかもね。」

そう、高木さんと俺は、出逢った時からずっと隣にいる。そしてきっと。いや、絶対一生隣にいるに違いない。
だって、俺も高木さんも、隣にいるために全力を尽くしているから。

第139話 完

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