からメシ 第45話 2人の文化祭2日目
さて文化祭2日目。今日は文化祭の間はずっと自由行動
高木さんと一緒にまわるぞ
高木さんの発言からもしかして高木さんメイド服で一緒にまわるのかな?と思ってたが、そんなことはなく今日は普通に制服だった
まあ、よく考えたらメイド服で文化祭まわったらお互いなかなか恥ずかしいだろうし良かったんだけど
でも高木さんの期待しといてね的なセリフは一体何だったんだろう
今日はまず、1-1から
うちの高校は公立校だが、特進クラスがあり
どの学年も1組は特進クラスとなっていて、受験の時特進クラスに志願した人が入れる形だ。
2年次3年次に特進クラスから普通クラスに移ることもできるし、逆に学力があって希望すれば普通クラスから特進クラスに移ることも出来る
(ちなみに受験難易度も普通クラスよりだいぶ高い。また、普通クラス2~5組はランダムに振り分けられる)
中学の主なクラスメイトで1-1に在籍してるのは北条さんだけ
ちなみに浜口は受験の時、特進落ちて普通クラスに、高木さんも学力的には特進クラスも余裕で受かる感じだったが...俺と同じがいいって理由で普通クラスの方を受けた
1-1の出し物は謎解き脱出ゲーム
教室に閉じ込められてしまった!
暗号を解いて制限時間内に教室から脱出しよう!
というゲームらしい。ちなみに北条さんが受付やってた
「謎解きかー。でも西片と2人きりなら教室に閉じ込められてもいいや」
「いやダメだよ!そういう趣旨じゃないから!というか閉じ込められたら困るでしょ!トイレとかどうすんのさ!」
「いやー、でも西片と2人きりならさ、西片だけには見られてもいいし」
「ダメだって!大体閉じ込められた設定なんだからさ!1-1の人や他の参加者もいるし、2人きりじゃないから///」
「あはははは」
謎解きというから相当難しいのかと思ったら、
なんかタヌキらしき絵が書いてあってタを抜いて読むとかそんな感じのが多くて簡単だった
絵がちょっと...アレで何描いてあるのかがよく分からないのを除けば。
「西片クエストのが難しかったよ。西片クエストのが達成感もあったし。やっぱ西片はすごいなー」
「そ、そんなことないと思うけど...」
続いて、陸上部の出し物に行く。中学のころほんの少しだけ陸上部に入ってたのでやっぱ少し気になる
「あ、やっぱり陸上部気になるんだ。昔取った杵柄ってやつ?」
「いや、そこまで長く在籍してないし...」
「私のことが好きすぎて高校は、陸上部入るの辞めたんだよね」
「言わないでよ!...まあ...そうだけど......///」
「西片...あのさ......西片はほんとに良かったの?陸上部...」
高木さんはこういう子なのだ。俺がやりたいって思った事はたとえそのせいで、自分が辛く悲しい思いをしても、止めようとはしない。
でも口に出さなくても、内心傷ついてたりするのだ。だからこそ、ちゃんと答えてあげなきゃいけない。俺の一番大事なものは、高木さんだ、と...
「......陸上部と、高木さんなんてそんなの比べるまでもないだろ...」
「そっか...」
高木さんの手をぎゅっと握る。
高木さんがぎゅっと握り返す。
さて陸上部の出し物は、シャトルランとか立ち幅跳びとか50m走とか色々やって合計点を競う
特に好成績を残しても何も無い訳だが、一応現在の成績ランキングみたいなのがホワイトボードにあって
上位3人はそこに名前が乗る。ってくらい。
立ち幅跳び、シャトルラン、反復横跳びなどをこなしていく、残るは50m走だ。なんもなければ俺が1位になりそう
「西片。1位になってもご褒美なしなんてかわいそうだからさ」
高木さんが耳元で囁く
「1位になったら、私の初めてをあげるよ。明日。本気だよ?」
「ちょっ高木さん!」
位置に着いてください!と係の生徒の指示
あああああどうすんだこれ
位置に着いて!
からかいなのだけど、高木さんのからかいは本気だから、1位取ったら、明日、マジで勝負しに来るだろう...今までだってギリギリだったのに...
よーい!
でもだからって手を抜く訳には...どうしたら...
どん!
とにかく無心だ無心、無心で
ダメだ、裸で迫ってくる高木さんなんて考えたら
だめだ、だめだああ、わっ...
邪念に気を取られ転んでしまった...
「大丈夫?西片!?」
「大丈夫...」
さすがに転んでしまったので2位だった。
ちょっと擦りむいてしまっているのを高木さんが水道で洗ってくれた
そのまま保健室に行く。誰もいない保健室。ベッドに座り、いつかしてくれたみたいに、高木さんが消毒をして、大きな絆創膏をはってくれた
「西片転んでも2位なんてすごいや。これはご褒美あげないとだね」
「いや、1位だったらって話だし...///」
ベッドのカーテンをしめ、ベッドに寝転ぶ高木さん...
そして
「...わ...わたしの胸......す、す......吸ってみる...?///」
「た、た、高木さん!?だからそういうのは!大体ここ学校だよ?誰か来たらどうすんのさ!///」
「......そ、そうだよね!ご...ごめんね...///...つぎのところ回ろっか」
次は1-3に行く
3組で中学の主なクラスメイトは月本サナエ、中井、桜井あたり
ここはお化け屋敷をやるそうだ
ちなみに高木さんはお化けの類は一切怖がらないのだが
「西片。なんかここ。凄く良からぬものが憑いてる。不安だから抱きつきながら行ってもいいかな?
抱きついてキスしながら行けば大丈夫だと思うんだけど。ダメかな」
「ダメ!絶対怖くないだろ高木さん!」
「あはははは。バレましたか」
その後。お化けが出る度に高木さんはわざとらしい悲鳴をあげながら俺に抱きついてくる
高木さんの顔を見ると満面の笑みなので、やっぱり一切怖がってないじゃないか!全く!!
最後は1-4
中学の時の主なクラスメイトは
天川ユカリ、高尾、浜口、真野
ここはベストカップルコンテストとか言うのをやるらしい。誰が考えたかはまあ...大体わかる
天川さんと真野さんに
「高木さんたちも出なよ!」
「西片君と高木ちゃんなら優勝間違いなしだよ!」と勧められたが
「西片、どうする?出たい?西片が出たいって言うなら...いいけど...」
高木さんは出場にはあまり乗り気じゃなさそう
「あんまり見せびらかすみたいなのは恥ずかしいし...それに...高木さんへの気持ちを...誰かに順位つけられるなんてなんか嫌だ...もし1位になったとしても...」
「私もね。同じこと思ってたよ。出場はやめとこっか」
「うん。」
「でも、西片、ちょっと見ていかない?」
高木さんと俺は参加はしなかったが、ベストカップルコンテストを見ていくことにした
かくしてベストカップルコンテストが開かれた。総勢14組のカップル
知ってる参加者は真野&中井ペア、北条&浜口ペア、そして
夏凜「お兄ちゃんなに勝手にエントリーしてんのよ!リタイアして帰るわよ!」ポリポリ
春信「せっかくだしいいじゃないかたまには」ポリポリ
どうやら部外者で兄妹で片方が勝手にエントリーでもエントリーできるらしい。何だこの大会。解説はこの人
ユカリ「この中には中1の時からの仲良しカップルもいます。やはり中井くん・真野ちゃんペアが有力でしょうか!北条さん・浜口くんペアも見逃せません!さあ、優勝は誰の手に!?」
ユカリ「ダークホースはなんと遥々、観音寺市から、年の離れた兄妹というまさに禁断の愛!果たして恋は実るのか!私は俄然応援するわ」
夏凜「ちょっとあいつひっぱたいてきていい!?」ポリポリ
春信「おちついて!」ポリポリ
まずは何考えてるのゲーム
お互いに今考えてることを相手に紙に書いて伏せる
判定(審判はユカリ)で惜しいのは有効としてそれぞれ1点、片方が当たれば技ありで2点、両方が当たれば1本で5点というゲーム
高木さん「これいつも私が頭の中で西片にやってるやつだ」
西片「ええ!そうなの?」
しかしこれ、
参加しなくてよかったー!
みんなの前で好きな人と今考えてること当てっこゲームとか恥ずかしすぎるだろ
参加者もみな顔真っ赤にしてる
中には恥ずかしさに耐えきれずリタイアする参加者も
ユカリ「それではリバースカードオープン!」
※自分が思ってること/それに対する相手の予想回答
真野「恥ずかしい...」/中井「おなかへった」
中井「おなかへった」/真野「好き」
北条「なにこれバカみたい」/浜口「呆れた」
浜口「恥ずかしい...」/北条「大人っぽいかもこのゲーム」
夏凜「にぼし」/春信「にぼし」
春信「にぼし」/夏凜「にぼし」
真野「中井くん!自分の思ってる事言うゲームじゃないんだよ!なんなのおなかへったって」
……
ユカリ「おーっと早くも番狂わせか!三好兄妹一本勝ちで5点先制で1位におどり出た!さらに浜口選手有効を決め1点、優勝候補中井真野ペア得点ならずー」
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高木さん「西片、今何考えてるか当ててあげよっか?」
高木さん「恥ずかしすぎる...///出なくてよかった...でしょ?」
西片「なんでわかるの!いつも!」
西片「高木さんはどうせ...西片顔真っ赤で...恥ずかしがっちゃってかわいい...とかだろ?」
高木さん「ピンポーン。正解!」
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ユカリ「次はNGワードゲームです。」
NGワードゲーム
お互いにNGワードと名前を紙に書いて伏せる
相手の紙に書いた言葉を言ってしまったら負け
というゲームだ
ユカリ「5分間の会話でお互いNGワードを言わなければ一本勝ち5点、片方言わなければ技ありで2点です!」
浜口「なんだ、喋らなきゃ勝てるじゃん」
ユカリ「ちなみに会話しない、定期的に「あ」って言うだけ、みたいのは消極的な姿勢として指導で1点減点します。続くようならどんどん指導が入りますので。あとNGワード言ったのにカードをオープンしない、事前の談合やサイン盗みも反則で5点減点します。」
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サナエ「ユカリのやつ...策に溺れたな...」
高木さん「ニッシー、私たちもやったね、NGワードゲーム。楽しかったねあれ。」
西片「やめてよそのあだ名...///」
高木さん「でも、ニッシー、このゲーム、このルールだと必勝法があるよね。だってお互いNGワード言わなければ勝ちでしょ?相手が、もしくは普段絶対言わないだろう単語をNGワードにしとけばいいだけだもん。」
西片「そうだよね。俺もいまそう思ってた」
高木さん「さすが西片。こういうゲームやりなれてるよね」
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北条(急に5分間会話って何を話せば)
浜口(そんな急にいわれても緊張して...)
ユカリ「はい、北条・浜口ペア消極的な姿勢で1点減点」
浜口「ああああ、俺がなんとか手に入れた俺の1点が...」
北条「ふふふふ、浜ぐ、ハマー。///大丈夫よ。私が2点は絶対取るから...」
浜口「何なんだよそのあだ名...」
北条「名前をNGにしてるの警戒したのよ!こっちだって恥ずかしいんだから...」
浜口「ところで...今年のサマースクールどうだった?またカナダ行ったんだろ?」
北条「まあ...楽しかったわよ...近くに化石が出る所があって...恐竜時代よりずっと前の...」
浜口「あ……ごめん北条...それ...まさか言うと思わなくて」
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結果
※「」内はNGワード。相手が言ってしまった場合は❌表記
真野「嫌い」
中井「好き」
5点獲得
北条「CP対称性の破れ」
浜口「恐竜」❌
2点獲得
夏凜「いりこ」❌
春信「いりこ」❌
無得点
真野「中井くん!なんでNGワードが好き、なのよ!言って欲しくないの!?」
中井「いやだって真野...人前じゃ恥ずかしくて言えないって言ってたから言わないだろうなって思って」
北条「なんで絶対言わない単語用意しないのよ!」
浜口「北条が恐竜なんて言うと思わなかったんだよ...」
夏凜「なんでにぼしは言いそうだからってNGワードいりこにしたのにいりこって言っちゃうのよ!」ポリポリ
春信「にぼしがNGだと思ったからいりこって言ったんだよ」ポリポリ
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ユカリ「最後は思いよ届けゲームです!お互いに今伝えたい事を伝えあってください。どれだけキュンキュンしたかを、それぞれ5点満点ずつで私めが採点します」
夏凜「松山の方でもう雨が降っているみたいよ。今干してる煮干しは大丈夫かしら」ポリポリ
春信「うん、心配だからこれ終わったら従業員さんに電話しとくよ」ポリポリ
ユカリ「ただの業務連絡ですね、お互い0点と言いたいところですが生活感が出てるのがなんかいいので1点ずつ。2点!」
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中井「伝えたい事って言っても今更特にないよなあ」
真野「なんで無いのよ!ちゃんと考えて!中井くん」
ユカリ「無いんかい!って言いたいとこだけど今更ないってところがキュンとするわ。いつも言いたい事言い合える仲というか
それでも言って欲しい真野ちゃんのちょっと考えてって言葉もグッとくるわ!3点ずつ。6点」
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浜口「......」
北条「...な。なにか言いなさいよ。」
浜口「...実は俺...今毎日、結構勉強してんだ。2年になったら、特進...ほ、北条と同じクラスになるために...!だから...」
北条「いまのあんたの成績じゃ無理よ。」
浜口「そ、そんな...」
北条「......だから今度から勉強を教えてあげてもいいわよ...///」
ユカリ「こ、これは強い!!好きな人のために勉強を頑張る彼、そしてそれに答え勉強を教えてあげる、という彼女。これは胸キュン!4点ずつで8点」
サナエ「満点じゃないんかーい」
ユカリ(すごい胸キュンだけど...やっぱお互いに、ずっと幸せにする。って永遠の愛を誓い合う言葉じゃなければ満点はあげられないわ)
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高木さん「西片、私が西片に伝えたいのはね、ずっと変わらないよ。去年の夏祭りの時に言った言葉...あとね、大好きって事。」
それだけで、高木さんが言いたいことはわかった
私も西片を幸せにするよって言葉だ
俺も同じ想いだから...すぐわかった
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ユカリ「というわけで上位入賞発表」
3位は7点で三好兄妹ペア!
2位は10点で北条・浜口ペア!
1位は11点で中井・真野ペアとなりました!
ユカリ「いやぁ、しかし僅差でしたねぇ。1位には豪華賞品、金メッキの指輪が送られます」
中井「これ指入んないんだが...」
ユカリ「ごめん!あとで紐持ってくるから首飾りにでも...」
ユカリ「それでは優勝ペアにインタビューを」
真野「は、恥ずかしかったけど...出てよかったです...でも私なんかが優勝しちゃっていいのかな」
中井「たしかにあんま実感ないなー。でも優勝は優勝だろ?」
真野「でもあんまり優勝した気しないよ...」
真野さんがチラッと俺と高木さんを見た気がした。
そんなこんなで丁度文化祭が終わった
みんなで片付けをして、夕方、高木さんと一緒に帰る。
高木さん「西片~、明日私たちバイトはいってないよね、西片の家行っていい?丸一日。」
西片「かまわないけど...」
高木さん「やった。それじゃ約束ね。」
高木さん「じゃあ西片。またあした。」
西片「うん。また明日。」
高木さん。めっちゃ嬉しそうにしてたな。
そんなに明日俺の家で遊ぶのが楽しみなのか...?
第45話 完
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