暦と養生〜小草生ふ如月
日本の暦を美しく、わかりやすく綴った「和暦日々是好日」というダイアリーがあります。
扉絵もとても綺麗です。
このダイアリーを作っているのは、高月美樹さん。
高月さんはもともと雑誌の編集の仕事をされていたそうで、世界の文化に触れる中で、改めて日本列島にもともとあった文化の素晴らしさを再認識し、季節の移ろい、そこに紐付けられた風習や暮らしの知恵、動物や植物、生態系のありようをまとめられています。
十年以上作られているというこのダイアリーには、毎年描き下ろしのコラムや、詩、俳句、絵図などがレイアウトされていて、毎年読み物として楽しみにしている方も多いといいます。
(トイレに置いておいて、毎朝その日のページを読んでいる、という方もいます)
そして僕は今年、和暦のひと月ごとに、その季節の養生法についてのコラムを書かせていただきました。
それぞれの月のページに、もともとその頃にはどんな風習があって、どんな養生法が伝わっていたかといったことを、現代を生きる私たちの暮らしに活かせるようにと考えて、書かせていただきました。
今回は、その中の、如月の養生法のコラムを、少し加筆しながら、紹介させていただきたいと思います。
如月:2/24~3/23 啓蟄、春分の頃の養生
今年の如月は、西暦2/24(新月)から始まって、3/23(新月の前日)に終わります。
その間に、二十四節気の「啓蟄(3/5)」と「春分(3/20)」を通過します。
啓蟄の啓はヒラク、蟄はムシです。
啓蟄=ムシヒラク。
立春も過ぎ、日照時間も長くなってきました。
空が晴れ、雪が溶け、土の中に水が染み込み、種が破れる春。
土が温められることで、土壌微生物たちの働きも盛んになっていきます。
そんな土の中の変化が連鎖して、地表に新芽が出てきます。
そこから小さな葉が出てきます。
それらはムシにとってはごちそうです。
美味しそうな食べ物がある地上の様子につられて、土の中からムシが這い出してきます。
そのようにして庭や河原の生態系がにぎやかしくなり始める頃、河原や野原を歩く「青踏み」という風習がありました。
鳥の声を聞き、花や草木を愛で、裸足で土壌微生物たちと交流する逢瀬のひとときでもあります。
「小草生ふ」如月。
小さな草々たちが懸命に芽を出す季節。
静かな雨が土をうるおし、草木がよみがえる如月。
「春の七草」は路上にも生えています。
歩くペースを落とし、時には足を止めてみると、それまで見えていなかった命の営みが見えてくるかもしれません。
河原や野山や庭を歩き、足元の草々をよく見て、摘んで食べる「摘み菜」という風習は、都市でもできる採取生活のひとこまです。
野草の新芽などの「成長」のエネルギーが高まる場所には、生育・成長の活動を助けるための乳酸菌やミネラルがたっぷり含まれています。
草木や風が運ぶマイナスイオンいっぱいの空気をゆっくり吸い込んで、大きく吐き出ことで、体も心もリフレッシュすることができます。
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「和暦日々是好日」は、読み物として、自然界の今を知る地図や譜面のようなものとして、どの季節に使いはじめてもらってもいいものだと実感します。
(僕も10年ほど愛用させていただいています)
お求めはこちらから:「和暦日々是好日」BY LUNAWORKS
年度の変わり目や、春分という自然界の節目を迎える今、そんな季節の移ろいを楽しむ日々の傍らに「和暦」をぜひ取り入れてみてください。
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そして、最後に、、
季節の節目にあわせて、僕も新しいチャレンジをしています。
暦、季節、選び方や使い方、たしなみ方、について、看護師でありホメオパスでもあるコジマリエさんとオンラインで、コラボレーション講座を行うことになりました。
こういったことに興味があるけど、家を出てワークショップに参加するのは難しいという方、子供を抱っこしながら、ご飯を作りながらでも聞けるような講座を求めているという方、リエさんが出会ってきた、そんな方々と、いろいろな形でつながって、学び合っていけるようにと、今年の始まりの頃から準備をしてきました。
そして、最初の講座は暦をテーマにしようということになり、試行錯誤しながら、今のベストの形を日々イメージしながら一緒に作っています。
ご参加いただけたら嬉しいです。
コジマリエのインスタライブ、チャリティセミナーで人気の暦のお話。
さらに日常のくらしに取り入れやすいお話を、
著書『春夏秋冬 土用で暮らす』『いのちとみそ』の著者、
大阪中津で暮らしと支える衣食住との向き合い方、これからの暮らしを見つめる提案やワークショップやマルシェを行う『冨貴工房』運営の冨田貴史さんとでお話いたします。
冨田貴史パート 90分
◉日本に古くからある暦
◉春夏秋冬と土用
◉春の季節の養生
こじまりえパート 70分
◉暦ってなに?
◉耳にしたことがあるいろんな暦
◉自分の時空間を生きよう
を柱にじっくりお話しいたします。
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○動画再生時間
冨田貴史さん 約90分
こじまりえ 約70分
※別々の動画となります
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*お申し込み期間:3月5日(木)〜3月15日(日)23:59
*配信日時:3月12日(木)〜3月22日(日)
配信期間終了後に、Zoomにて質疑応答の機会を設けます。
▶︎4月5日(日) 10:00〜11:00予定
どうぞお気軽にご参加ください。
お読みいただきどうもありがとうございます。