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#1319 読書感想文『ザイム真理教』

今回読んだ本はこれ。『ザイム真理教――それは信者8000万人の巨大カルト』森永卓郎著

「経済学」という学問、大学でマクロとかミクロとかかじった程度でちっともわかっていない。

筆者は日本の財務官僚も「ちっともわかっていない」と断言する。何故なら東大法学部出身者ばかりだから。

この本の主張はシンプルで「緊縮財政じゃなく積極財政を」ということ。

失われた30年、財務省は日本の借金ばかりを強調し、この「膨れ上がった借金をまず返すこと」、「未来に先送りしないことが先決」をことごとくアピールしている。

その金額、2022年時点で1660兆円!確か小泉政権の頃の20年前は660兆円〜800兆円くらいだったから1000兆円も増えたわけか。

この数字に踊らされて、自分もこの教義を信仰し、ここ30年くらい入信してきた。

借金返済のための消費税増税、賛成は7割以上。人口で言うと8000万人はいるし、個人的も致し方なしと思っていた。

この「財政均衡主義」という教義。無借金で財政健全化することこそ最もやるべきことだと強く思ってた。

ところが森永氏の主張は180度違う。まず元気がない景気を借金をしてでも刺激する、積極財政政策を打つべきだと。

具体的には国債を発行して景気対策すること。そして、消費税も廃止すべきだと。

確かにこの30年で消費税が3%から10%にまで上がり、地味にこの重税が効いてきている感はある。加えて、せっかくコロナが開けたと思ったら円安・資源高・物価高がやってきてかなり重荷。これが一気に10%引になると単純にありがたい。

消費税に加えて様々な制度改悪で、この10年で国民の税負担率は10%も上がって、五公五民になった。

また、数字がひとり歩きしている莫大な借金、この数字も単に貸借対照表で言う負債の額で、資産(土地・道路・建物など)を差し引くと400兆円ほどだと言う。

もう一度、財務省の考え方を超シンプルに言うと、税収に対し、支出をなるべく抑えて、高齢化によって足りなくなる社会保障費は消費税増税で賄うという主張。

逆に森永さんの考え方は、借金(国債発行)をして仕事をつくり、そこに投資する。さらに消費税を廃止して需要を喚起する。

財務省の考え方と森永さんの考え方、一言で表すと「堅実に行くか、投資をするか」。ブレーキを踏むかアクセルを踏むか。

まあ一般家庭と同じ感覚で、借金したら「首がまわらなくなる」と考えてしまう根深さはある。加えて、「投資」と考えると失敗するリスクもあるわけで、怖い部分もある。

ただ、アクセルを踏むことによって起こりうる様々なリスクはほぼ起こり得ないと断言している。インフレとか、恐慌とか。

あと100年前のニューディール政策やケインズ政策とどう違うんだろうか?素人にはわからなかった。また勉強しなくては。


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