劇場版 『美しい彼~eternal~』

毛嫌いしていた『美しい彼』に急激にはまりました。
なぜ毛嫌いしていたかは話せば長くなるので省略しますが。
劇場版公開1週間前のタイミングで、たまたま推し活でHuluに1か月だけ入っていて(入会してすぐに退会すると1か月後に自動的に切れる)、強く熱く勧められたのとその日いつもより早い時間に帰宅してしまったのと、見始めたら30分番組でシーズン1と2を合わせても10話しかなくて、その日のうちに一気に見終わってしまった。
そして落ちた。
そのまま翌週末に劇場版を見ることに。

見終わって開口一番出た言葉が、落合モトキくんと和田聰宏さんがすごかったということ。
さすがすぎた。
萩原くんと八木くんは二人のやり取りから生まれる感情の情報量が多すぎて、1回では咀嚼できなかった。
この二人に強くかかわる落合くん、和田さん、そして仁村紗和さん、これらの俳優陣の芝居は間違いなく主役二人の演技に影響を及ぼしたと思う。
そして何より、萩原くんと八木くんはお互いに本物の感情をぶつけ合っていて、それを受け取るには量が多くて、1回では受け取れきれなかった。
2回見てようやく咀嚼できた気がする。
テレビシリーズから劇場版のラストに向けて、平良への愛がどんどん大きくなる清居の平良に対しての心の揺れを、八木くんはその目と口元できっちり表現してくる。
平良は、清居に対しての感情はずっとMAXのままブレることはないが、清居と共に生きるために欠けている部分があることに気づきそれを埋めるための心の動きを、清居を見つめる目で萩原くんは表現している。
目は口程に物を言うとはまさにこのこと。
八木くんはただ奇麗なわけじゃなく相手の感情を受けやすい気がする。
この作品では、俳優の熱心なファンたちも描かれる。
その一人が杏奈のファンの設楽(落合モトキ)。そして、清居のファンのパン姉さん(伊勢佳世)。
熱心なファンの中にはともすれば推しのためにこんなに頑張っているのにと自分の感情を推し本人にぶつけるタイプの人が一定数いる。
設楽はそのタイプで、パン姉さんはあくまでファンとして精神的に一定の距離を保っていた。
ただ、パン姉さんもほかのファンの人たちに「清居ファンとしてあるべき姿」を提示したりしているので、いつ設楽のようになってもおかしくないと思うが、ここでは最後まで清く正しいファンのお手本だった。
またネット上の数々のアンチ発言も本当によくある現象で、その文字を眺めながら清居がつぶやくシーンは俳優の人気の実体のなさを表していた。
(この場面は平良の気持ちと重ね合わせている部分が大きいのだけど)
設楽が桐谷(前田挙太郎)を蔑むように表現したり、清居を顔だけの俳優と評したり、自ら推している杏奈のことも過去作品だけを絶賛したり、現場に足蹴く通うファンであっても目の前の俳優の一面しか見えていない。

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ここまでが4月30日までに書いた文章です。
追加しようかと思ったけど、この文章の時点で映画版は5回くらい見ていて、その後10回ぐらい見てしまっています。
当時書いた文章を読んでみて、今感覚がバカになっていて同じ感覚で映画の感想を続けられないことに愕然としています。
いい映画でした。いろんなメッセージが込められていた。
間違いなくBL作品なんだけど、ハッピーエンドの前に身につまされるエピソードがいろいろあった。
それを書き留めたかったんだけど、今の感覚では書けないです。
せっかく書いたのでこのままアップします。


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