田中圭ファンミーティング

かつてヨンさまなどの韓流俳優がファンミーティングという名称を使っていたのが、私がこの言葉を知った最初だった気がする。
ちょうどそのころ私は今でいう2.5次元俳優のファンイベントに参加していた。
こちらはイベントという言い方をしていた。
当時2.5次元舞台のファンは多くがアニメオタクで、アニメオタクはコミケもイベントと呼んでいたので、基本、イベントと呼んでるのかもしれない。
俳優側がイベントにどういう名称を付けていたか覚えていない。

先にアップした文章にも書いた通り、いつ振りかわからない俳優イベント。
しかもテレビでおなじみの有名人。
人生最後の俳優イベントだと心得、無駄にアピールなどして禍根を残してはいけないと、普通に、何も狙わず、ただただ生の田中圭を享受することを目的としての参加。
当然、手紙やらプレゼントやらそんなものを用意する気など、思い浮かびもしなかった。
(もしかしたらプレゼントはご時世柄禁止だったかも。それすらも知らない)
イベント内で質問コーナーがあって、一応質問はスマホのメモに書いてあったけど、紙に書く気が起きなくてそのままにしてある。
場内に入って質問箱を見て思い出したけど、その場で書く気は起きなかった。

大阪遠征は新大阪駅付近のコインパーキングに車を駐車し、そこから公共の乗り物に乗って目的地に向かうのがいつものパターン。
だが、このご時世、去年のロミジュリ大阪公演は梅芸にほぼ隣接しているお高い駐車場に止めた。
今回も悩んだんだけど、6月に東京に行ってるじゃん。
空港から豊洲に行って、友人に会うために東京駅とか行ってるじゃん。
そもそも、今回のZepp大阪ベイサイド付近で手ごろな駐車場が見つけられなかった。
正確には1か月前には見つけたつもりだったのに、間近になってもう一度検索したがどうしても見つからなかった。
同行者は全然気にしていなかったので、私のいつもの大阪遠征と同じパターンで現地に向かった。
ついでに大阪遊びに行く人いない?という呼びかけに応じてくれた友人と、ファンミに一緒に行く友人の計3名。
いつもは現場が終わるとまず帰路につき高速のSAでご飯を済ませていたので大阪らしい体験がほとんどない。
今回は同行者のリクエストで、新大阪駅内で昼食としてたこ焼きを食べ、それぞれのイベント後、大阪駅構内でリクローおじさんのチーズケーキなるものを購入し、新大阪駅まで戻って牛カツの晩ご飯。
めちゃくちゃおいしかったよ。
普段だったらたこ焼き屋も牛カツ屋も、私は入店しない雰囲気の店。
めちゃくちゃおいしかったよ(2回目)。
お店の人の対応も素晴らしくて、翌週地元デパート内にあるレストランの接客に、ああ、金沢はこんな感じだったわと、その落差をしっかり感じました。
会場の近くのホテルは堅苦しくない制服の女性がロビーしか使わない私たちに丁寧な案内をしてくれるし。
いろいろ快適でした。
ファンミのことを書かなくてもいいかな。
いい旅だった。

で、ファンミ本編ですが。
時間は100分ほど。
確かに体感もそれくらいだった。
でも、そこで受け取る情報量が100分とは思えないほど多くて、ものすごく濃密だった。
何を言ったとか、どんな話をしたとか、そういうのではなくて、そこに生の田中圭がいて、直接何も通さず彼をこの目でとらえて、何も遮るものがない状態で彼の何かわからないけど波動みたいなもの?を受け止めるみたいな。そういう情報。
少なくとも芸能人・田中圭であったとは思うけど、本人は素の田中圭をみんなに見せたいということをコンセプトにしていて、MCに永島知洋さんを起用したのも、安心して素の田中圭を見せることができる相手だったからだろうなとみていて思った。
どんな無茶ぶりも受けてくれるし、MCとして安定していて隙がなかった。
田中圭に関しては、とにかく一挙手一投足、すべてをこの目で見よう。
時々間が差して後ろに大写しになっている田中圭に目が行ったけど、そこにいるのはいつも映像で見ている田中圭で、かっこいいんだけど、目の前の田中圭となんか違った。
あ、そうだ。
生田中圭、かっこいいどうしようとか言う感想を持つだろうと思っていたけど、それがなかった。
なんだろ。キャパオーバーだったのかな。
なんか生の田中圭を余すことなく受け取ろうとしていて、咀嚼しきれなかった感じはものすごくする。
よく噛まずに飲んじゃったみたいな。
トークしたり質問コーナーしたり、田中圭出題のクイズをしたり、最後が歌でした。
本当にカラオケっぽかった。
田中圭もカラオケって言ってた。
一緒にカラオケに来た感覚。
歌ったのは5曲。
シャッター?という曲は聞いても全然知らない曲でした。
それから菅田くんの間違い探し。
そして手塚翔太の曲を3曲。
4曲はワンコーラスだけで、最後の会いたいよだけがフルコーラス。

とにかく、いつもの田中圭をみんなに見せたかった。
最後のあいさつでもそう言っていました。
彼は生で会った時ならではの情報をファンのみんながちゃんと受け取ってくれることに賭けた。
素の自分をわかってくれたら、いろんなニュースで惑わせることはなくなるだろうという思いがあったのではないだろうか。
あいさつの中でもフェイクニュースとかあるけどいちいち反論するのも違うと思うということを言っていた。
たぶん、キリがないのよ。
フェイクなんだもん。何もないことから生み出すニュースはいくらでも作れるわけで、いちいち対処出来ない。
だからとにかく直接自分の素を見せたかったのかな。
それに、ファンも自分の都合のいい田中圭像を作りがちだから。
それぞれの「私の田中圭」を多かれ少なかれ持っていると思うのよね。
でも、ほんとの自分はこれですって、ファンに対しても伝えたかったのかなと思う。

最後にお見送りがあるわけだけど、かつて俳優イベントを何回か参加した経験から、欲張ったら後悔するという思いがあったので、ただただ手を振ろうと決めていました。
私の前にいた二人は指ハートとか空中に大きくハートを書くとかしていて、田中圭は一生懸命それにこたえてました。
こういうのは、誰かがしているのを間近で見る方がはっきり見えて面白い。ありがとうございます。
私は田中圭を見る前に剥がしのお姉さんが結構な場所にいることに目が行ってしまって、田中圭本人を見ることが遅れちゃったんだけど、とりあえず両手で手を振った。
「ありがとうございました」って声は出したけど、マスクと謎のアクリル板だかビニールだかに包まれた田中圭に聞こえたかどうかはわからない。
しかも反射していて今一つクリアではなかったけど、私だけを見る田中圭は見たことがない人に見えました。
大体、基本的に握手会とかに行くと相手の俳優はちょっと引く傾向にあるので(何もしてない。かつての俳優ファン仲間の証言だと、ファンに見えないそうです。なんでこの人ここに来ちゃったんだろ?という雰囲気を持っているらしい。結構前のめりなんだけど。前のめり故か)、この表情は既視感がありすぎて、田中圭、お前もか。ってなりました。
そして、自分を見ている感覚がない。
これはかつても経験したことがあるので、この感覚こそが私と目が合ってることだと無事に変換。
でも幻を見ているようだったなぁ。
確かにいたけど、幻だったみたいな気がする。
などと口に出して言えた私はまだ正気だった。
ロビーで落ち合った友人がちょっとヤバいなと気づいたのは少し後。
私を見ていなかった。後ろの人を見ていたと、ものすごくがっかりしてた。
いやいや、それこそが!よ!!
と、力説しました。
聞けば、こんなアットホームなイベントは初めてとのこと。
それはそう感じるのも無理はない。
普通に生活していたらこんなイベントに来る機会はない。
私もアルフィーへのファン活動は大人になってからはまった俳優ファン活動とは全く質が違うので、これが高見沢さんのお見送りだったら正気じゃなかった。
きっとそういうことだ。たぶん。

嬉しいことに田中圭もこのファンミーティングはとても楽しかったらしい。
それはきっと彼が思ってた以上だったんじゃないかな。
何となく圭モバサイトからそういう雰囲気を感じます。
私たちが生の田中圭から様々な何かを受け取ったように、田中圭も何かを介して接していたファンと直接会うことで、生ならではの何かを受け取ったんじゃないかな。
おっさんずラブ以降、新規ファンが急増して、きっとそれまでのアットホームさを感じられなくなっていたんじゃないかなと勝手に思ってる。
今回のイベントではきっとそういう人たちも多くいたと思う。
むしろそういう人たちに素の田中圭を見せたかったんじゃないかなと思う。
同時に田中圭にもファンを見てもらえて、私たちが応援してるんだよという情報を直に伝えられて、彼がそれをちゃんと受け取ってくれた。
すごいね。生ってすごいね。
受け取ったよということをちゃんと発信してくれる田中圭もすごいね。
とてもいいイベントでした。
ご本人気をよくして、次のイベントは5年後とか最初は言ってたのに、後半のイベントでは「来年ではない」に変わっていたらしいので3年後ぐらいにまたイベントがあるかもね。
私を見ていなかったとショックを受けていた友人には、3年後また行こう。と、うっかり口に出して言っていました。
うん、また行こう。こんなイベントがあったら。

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