500記事以上のタイトル分析で解明!ウィズ・コロナ時代の飲食メディア攻略法vol.1

こんにちは。

大手PR会社でPRコンサルをしていたASAP高田です。
飲食や小売を中心に、自動車メーカーや金融、共同組合など幅広いジャンルのPRを担当していました。
今は建設関連会社の経営に参画しています。

このnoteでは20、19年のグルメ系メディアの記事タイトルを分析し、

①ウィズ・コロナ時代を表す、記事タイトルは何か？
②ウィズ・コロナ時代に、やるべき施策は何か？
②各媒体ごとの掲載方針に、どんな変化があったか？
③各媒体が今、求めている情報は何か？

上記4点を明らかにしていきます。

ちなみに早速結論ですが、タイトル分析の結果、
Q1.ウィズ・コロナ時代を表す、記事タイトルは何か？

「注目の名店がテイクアウトを開始！自宅で楽しめる絶品お取り寄せグルメ３選」

Q2.ウィズ・コロナ時代に、やるべき施策は何か？

①テイクアウトグルメを制作すること
②EC環境を整え、全国への配送体制を整えること

①、②の実施が難しい場合は

お店の看板メニューをレシピ化→公開する

という結論に至りました。

本noteですが、
①PRパーソンに少しでも貢献できればいいな。
②飲食店経営者にPRパーソンとして一歩踏み出して欲しい。
そんな思いで書いてます。

リラックスして読み進めていただき、
分析過程を楽しんくれると嬉しいです。

※タイトル分析方法について※

PR会社時代に個人的にやっていた、下記の分析方法で実施します。

①20、19年5月6日〜4月1日 グルメ記事タイトルを収集
②テキストマイニングを実施
③19年と20年の分析結果を考察

①【macaroni】

macaroniは「食からはじまる、笑顔のある暮らし。」をコンセプトに、レシピ動画と最新グルメニュースを毎日配信するメディア。内食・外食問わず、グルメや料理、暮らしに関する幅広い情報発信。月間利用者数1,500万人を突破など、最高峰のグルメ系メディア最高峰。お洒落ママ〜大学生、料理好きな人がよく見てるイメージ。

★macaroniのタイトル分析結果

★2020のタイトル傾向
① 専門店の新作グルメをテイクアウト
② 人気店の味を再現！家で楽しむやみつきレシピ
③ SNSで話題！ローソンに期間限定の新作が登場！

★2019のタイトル傾向
① 日本初のベーカリー専門店がオープン！
② 海外で人気！日本初上陸グルメが新発売
③ ローソンに新作登場！噛むとおいしい絶品アイス

★今後の掲載方針
① テイクアウト、再現レシピが取り上げられる。
② 新作グルメは取り上げられる。期間限定が強い。
③ SNSで話題！のニュースバリューは高い。
④ ローソンの新作は必ず試す。

★考察
19年と比べ20年は"新店舗オープン"や"日本初"といった新規性が高い情報の掲載は減少傾向。代わりに"テイクアウト"や"OOレシピ"といったワードが頻出。飲食業界にコロナショックが直撃し、企業が新商品制作や新店舗オープンに対する投資を削減→情報が激減していることが原因だと考えられます。
テイクアウトやレシピ情報を出せる方は、macaroniへのアプローチをオススメします。今のmacaroniで最もバリューが高いタイトルは、
「SNSで話題！人気のOO専門店がテイクアウト開始！やみつきレシピも大公開」です。

②【ELLEグルメ】

ELLEグルメは「食のバイブル」をコンセプトに、プロによる料理レシピや、手土産におすすめのスイーツやパン、トレンドのレストラン等のグルメ情報を毎日配信。雑誌もあります。SDGs関連情報など、食にまつわる社会問題も積極的に取り上げる。全体的に、かっこいい。

★ELLEグルメのタイトル分析結果

★2020のタイトル傾向
① 初心者でも失敗なし。自宅で作れるおすすめレシピ
② お取り寄せ食材で作る、簡単アレンジごはん
③ ヘルシーな食生活のために心掛けることとは？

★2019のタイトル傾向
① エディターが行く。甘酸っぱい”いちごスイーツ”
② ワインと食べる、おすすめグルメパン
③ 自宅でも味わえる。愛らしいタルティーヌのレシピ

★今後の掲載方針
① シェフ伝授のレシピ記事は優先的に取り上げられる。
② 初心者が作れるレシピの情報は高く評価。
③ 食材の背景(無農薬など)の情報が好まれる。
④ 腸活など、ヘルシーな食生活が好まれる。

★考察
エディターがどこにも行かなくなってしまいました。
"オープン"という単語がほとんど出てきません。行く店がないようです。代わりにエディター陣は、自宅にある食材をどうアレンジするか？ここに焦点を当てているように思います。レシピ情報を探しているようです。
世界的に活躍するシェフのレシピであれば、情報のバリューはかなり高いです。今のELLEグルメで最もバリューが高いタイトルは、
「 初心者も失敗なし。余り食材でできるシェフおすすめのヘルシーレシピ」です。

③【Hanako.tokyo】

フード、街、トラベル、新商品のほか、誌面で紹介されたお店の検索やまとめ記事など、”東京をおいしく生きる”ための最新情報を発信。芸能人関連の記事も掲載されるなど、ライフスタイル記事も充実しています。
全記事おしゃれな雰囲気。さすがマガハジンハウス様。

★Hanako.tokyoのタイトル分析結果

★2020のタイトル傾向
① やみつきパンが楽しめる！おしゃれベーカリー3選
② 京都で出会える絶品コーヒー！お取り寄せも人気
③ 忙しくても立ち寄りたい！都内の名店スイーツに注目

★2019のタイトル傾向
① 人気スイーツが楽しめる都内のおすすめカフェ5選
② 鎌倉エリアでおすすめの手土産3選
③ 東京駅はグルメ天国！パン好き必見のレストラン

★今後のタイトル傾向の予測
① パン、スイーツ、カフェ情報は掲載優先度が高い。
② お取り寄せ可能な絶品グルメ情報は高く評価。
③ 京都や鎌倉など、東京エリア以外も掲載対象。
④ O選やO軒など、店舗は複数まとめて紹介される。

★考察
19年と同じく20年もパン、スイーツ、カフェ情報の掲載優先度は圧倒的。コロナでの変化は、お取り寄せ可能グルメの掲載が始まったこと。飲食店のEC化が進んできたこと、そして在住エリア関係なく読者にメリットがある記事になるので、この方針を取っていると考えます。
パン、スイーツ、カフェ、お取り寄せ可能グルメの情報がある方は、アプローチをおすすめします。　　　　　
今のHanako.tokyoで最もバリューが高いタイトルは、
「 東京で楽しめるおしゃれベーカリーの人気パン3選　お取り寄せも可能」です。

④【OZmall】

会員数340万人の女性向けWEBメディア。ターゲットは東京＆首都圏の女性。雑誌もあります。
グルメ・ビューティ・トラベルの最新トレンドや毎日を楽しく過ごすためのアイデアを毎日発信。記事に対して、読者がコメント可能な珍しいメディア。

★OZmallのタイトル分析結果

★2020のタイトル傾向
① おいしい銘柄牛を、屋上ガーデンスポットでBBQ
② 都会のオアシスで味わえる、テイクアウトごはん3選
③ 母の日に行きたい、池袋のテラススポット

★2019のタイトル傾向
① gwはBBQ！みんなで楽しめる簡単フルコースレシピ
② デートでときめく、憧れの工場見学O選
③ テラスで楽しむ、横浜のホテルビュッフェイベント

★今後の掲載方針
① ビアガーデン情報が優先的に取り上げられる。
② テラスやキャンプなど、外グルメが取り上げられる。
③ サマービュッフェ情報が取り上げられる。
④④ O選やO軒など、店舗は複数まとめて紹介される。

★考察
20年も19年と掲載方針はほぼ同じ。掲載優先度はBBQとGWの2強です。カフェの新作情報は優先度高めで掲載している様子です。6月は例年通りビアガーデン記事が充実してくるのではないでしょうか。ビアガーデン、カフェの情報がある方は、アプローチをおすすめします。今のOZmallで最もバリューが高いタイトルは、
「 テラスで楽しめる！都内のビアガーデン3選」です。

⑤【るるぶ&more】

読者のおでかけ悩みを解消。「好き」にとことん寄り添った、今すぐでかけたくなるような「かわいい！きれい！マネしたい！」と思う、おでかけ情報をお届けするメディア。天下のお出かけ雑誌”るるぶ”のWEB版。

★るるぶ&moreのタイトル分析結果

★2020のタイトル傾向
① お取り寄せ可能！京都で食べたい絶品スイーツ３選
② マツコの知らない世界で話題！テイクアウト可能なチーズケーキ専門店
③ 鎌倉で見つけた新感覚贅沢パン

★2019のタイトル傾向
① 絶品スイーツが楽しめるパフェ専門店3選
② 京都にオープン！隠れ家カフェで味わう抹茶グルメ
③ 恵比寿で味わえる人気のタピオカドリンク3選

★今後の掲載方針
① 日本各地のカフェ、スイーツが取り上げられる。
② お取り寄せ、テイクアウトの掲載優先度が上昇。
③ OO選など店舗やグルメは複数まとめて紹介される。
④ローソンなど、大衆グルメの新商品も取り上げる。

【考察】
スイーツやカフェ情報が最優先で掲載される中、20年はお取り寄せグルメ、テイクアウトの掲載優先度が上昇。パン情報の掲載優先度も高い。京都愛も継続中です。　スイーツ、カフェ、パン関連の情報がある方は、アプローチをおすすめします。
今のるるぶ&moreで最もバリューが高いタイトルは、
「 京都で新オープン！絶品スイーツがテイクアウトで楽しめるカフェ3選」です。

⑥【東京カレンダーWEB】

東京の人気レストラン、料理を徹底し、デートやビジネスに役立つグルメ情報を配信。東京を遊びつくすためのグルメ情報が丸ごとあなたのものに。ここに掲載された瞬間、ある一定層からの予約が急増する。(港区男子)

★東京カレンダーのタイトル分析結果

※カレテイクアウト＝テイクアウトとしてカウント

★2020のタイトル傾向
① 恵比寿の絶品フレンチ店OOO。自宅にテイクアウトできるって知ってた？
② 麻布十番に新店！名店を受け継ぐ大人メニューを堪能
③ 広尾の名店グルメに悶絶！持ち帰れる贅沢ランチ

★2019のタイトル傾向
① 美女が通うステーキ店で、絶品グルメをほおばる
② 銀座を賑わす絶品グルメ。予約困難なイタリアン３選
③ 話題沸騰！入手困難なおいしい手土産3選

★今後の掲載方針
① テイクアウトグルメの掲載優先度が急上昇。
② 贅沢グルメの代表格”フレンチ”の掲載優先度が上昇。
③ O選など店舗やグルメがまとめて紹介されにくい。
④味の表現に甘辛いや瑞々しいなどの形容詞を使う。

★考察
ヤンチャな港区男子も、今は自宅でテイクアウトグルメを楽しんでいるようです。でもさすがは港区男子。恵比寿や白金の絶品グルメをテイクアウトしている模様。
普段はテイクアウトできないお店が、テイクアウトを開始したといった情報であれば、1店舗単独の記事掲載を狙えそうです。
東京エリアで高価格帯のテイクアウトグルメを始めたという情報がある方は、アプローチをおすすめします。
今の東京カレンダーで最もバリューが高いタイトルは、
「 ミシュラン獲得！フレンチの名店OOの名物△△が期間限定テイクアウト開始」です。

【ウィズ・コロナ時代の記事タイトルとは？】

★上記6媒体のタイトル分析結果

★考察
ウィズ・コロナ時代では、記事タイトルにテイクアウトやお取り寄せ、レシピが頻出します。また選や絶品も19年と同様に頻出。名店や専門店が取り上げられる可能性も高いままです。よって、

「注目の名店がテイクアウトを開始！自宅で楽しめる絶品お取り寄せグルメ３選」

上記タイトルが、ウィズコロナ時代を表す記事タイトルだと考察します。

【ウィズ・コロナ時代に効果的な施策とは？】

上記考察を踏まえて、PR目線で考えた企業がとるべき施策としては下記2つです。

①テイクアウトグルメを制作すること
②EC環境を整え、全国への配送体制を整えること

これらを実施した上で各媒体にあったアプローチができると、効果的にメディア露出を獲得できると思います。

①や②が予算や時間の関係上、実施が難しい場合は、
看板メニューをレシピ化→公開という手法も効果的。
※レシピ化する際、下記2点を意識できると良いです。

①初心者でもおいしく作れるレシピであること
②一般家庭の冷蔵庫内にある食材で作れること

レシピ化したメニューがお店でどれだけ人気なのか？であったり、シェフのプロフィールも添付情報としてメディアに提出できるとベストです。

【追記】

ASAP高田のTwitterでは、テレビ東京のWBSをPR目線で分析する”WBS日記”を更新中です。
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