見出し画像

09:「分かるでしょ」で全てが終わる

不良ブラック企業の次の仕事も、これは俺の責任では無いものの、3ヶ月契約で更新されずに契約が終了。こんな状態の俺に流石の妻も限界だったみたいで、涙ながらに懇願された。

とにかく酒を控えて欲しいという事だった。だが、酒を控え始めると、今度は偶にしか手を出してなかったギャンブル(競馬)での浪費が始まる

早々に消費者金融で借金を作る迄に嵌まり込む。再び、妻から涙ながらの説教。競馬は止めてサッカークジに切り替える。

サッカークジなら、競馬と違い、1度試合が終わると、3日から1週間後迄試合が無い。だから、「通常のギャンブルと違うから!」「これは将棋とか碁と似たようなものだから」「賭けじゃない研究なのよ」などと、アホの言い訳を張り続けていた気がする。

途中から妻は何も言わなくなり、私に事前に伝える事もなく仕事を始めていた。

その後、日雇い派遣を経て、優良ブラック企業に就職した。ここも一応はブラックに属する会社と言えるだろうが同僚が良い人達ばかりだった。外部環境の激変によりブラック化せざるを得なかったという気の毒な事情だった。

だから、ブラックはブラックでも、主に賃金面や労働時間のみの仕方無いブラックで、他は納得の行く程度のグレーだった事もあって不満もそんなに無かったし、喧嘩も0だった。

ストレスが少ないからかもしれないが、お酒の量も減ったし、ギャンブルは殆ど手を出さずに済んでいたし、妻との関係性も一時期に回復し、子作りに励んでもいた。

だが、外部環境の変化には抗えなかったみたいだ。会社自体が吸収合併で消滅。俺は合併先には行く事は出来ず解雇になった。

優良ブラック企業を解雇になってから、中々次の仕事が決まらなかった。良い会社だったので、俺の基準が贅沢になったのも影響している。月給十万円台の正社員であれば、多分雇ってはもらえたと思う。でも、端からそういう会社を対象外にしてしまったのだ。

間もなく酒もギャンブルも復活する。こういう時に限って結構勝つ。そしてそれが酒へと回る。一度は回復した妻との関係性も、あっという間に崩壊。

ある日、離婚を告げられた。

理由を聞くが、「分かるでしょ?」で全てが終わった。

こうして堕落生活に突入。堕落生活の果てに、ハイエナコさんに助けられ、親友の高山に支援を依頼する事になったという訳だ。

<続く>

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?