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タイでは当たり前の外国人価格は日本にもあるのでしょうか

 タイには二重価格、特にタイ人と外国人を分けた外国人価格がある。ボッタクリの民営施設ならともかく、国の施設や公園が堂々とそれをやっているのだからタチが悪い。タイ人の言い分としては、国立公園や観光スポットはタイ人のものなのでタイ人は無料もしくは安く、外国人は入らせてあげるのだから高くしますよ、ということだ。実際10倍くらい違うのだから、なんだかなあと思ってしまう。

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 ここまで公に二重価格を設定するのならば、もっと堂々とすればいいものを、とも思う。というのは、多くの二重価格設定施設ではタイ人価格だけタイ文字を使って、タイ文字が読めない人にはわからないようにしている。気遣いのようにも見えるし、悪質であることを承知でやっているようにも見える。

 タイ人のスポットだから外国人には高くというのはわからなくもないのだが、観光スポットならなおさら外国人を受け入れるべきなのではないか。グッズだとか周辺の商売にもっと金を落としてもらうようにすればいいものを、入り口でぼるというのがすごい。空港のボッタクリ系タクシーとほぼ同じ精神レベルだと思う。

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 以前はタイに住んでいるとか、タイ語ができるというだけでタイ人価格になった。最近は労働許可証の提示を求めるようになっていて、向こうも少しでも金を取ろうと必死だ。

 この労働許可証の提示もなんだかなあ。労働許可証を求めるということは、タイで働いていることを示すわけで、すなわち納税していることになる。だからタイ人価格というわけだが、そこまでするならば、むしろ外国人価格は安くするのが筋ってものじゃないかなと思う。外国人は法的にはタイ人よりも納税額は多いのだから。

 だいたい、長期滞在だからといって、外国人すべてが労働許可証を持っているわけではない。労働許可証は基本的にはその人物が指定された場所で働くことの許可証なので、普通は職場に置いておく。だから、これを持ち歩くことはまずない。そうなると、提示できる人はほとんどいない。きっとそれを知っているタイ人がマニュアル化して広めているのだと思う。

 二重価格は民営だとバンコクのサイアム・パラゴン地下にある水族館、ランシットの方の遊園地が挙げられる。国営ではタイ国内全域にある国立公園はほぼすべてが二重価格だ。

 そういえば、ナイトバザールのアジアティーク内の観覧車は開業当初は二重価格だったはず。ここは外国人がオーナーだったと記憶している。タイ人には安く、外国人は高く。確か、タイ人のために安くしたという事情があった。外国人が二重価格をタイ人のために設定をするなら理解できる。しかし、それに噛みついた外国人観光客がいて、オーナーは仕方なく、元の外国人価格を通常価格に設定した。ま、そうするよね。

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 プーケットのゴーゴーバーはタチの悪い観光客対策で二重価格設定があった。中国人専用価格だ。我々日本人が入ると、タイ人には中国人と日本人の違いがわからないので、ムチャクチャ高いメニューが出てくることもある。そのときに日本人だというと通常価格のメニューに変わるらしい。これは中国人観光客が大勢で押しかけ、かつ複数人で1杯しか頼まず、しかも長居するので、その対策だったという話だ。

 タイ人にはタイ人の考えがあるのだから二重価格を責めることはできないとは思う。でも、理由が納得いかない。観覧車やプーケットのゴーゴーのような事情ならまだわかるのだが。国立公園や博物館などのタイ人のものだからというなら、別に公開しなければいいじゃない。観光で成り立っている部分も大きな国なのに、国が率先してボッタクリというのが解せない。

 日本にも二重価格というのはあるのだろうか。ボクが知る限りでは目に見える範囲内で堂々と外国人価格を設定しているところはないように思うのだが。でも、ガッチガチにコースを固めた団体旅行にはそういうのはあるのかなと疑ってみたり。

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