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在タイ外国人のビザが再度自動延長に【9月26日まで】

 ここ数日、新型コロナウィルスの新規感染者が激増している日本だが、タイは強硬策を採り続け、かつ国民もそれに従ってきた結果、国内での新規感染者ゼロ人を続けている。しかし、規制緩和を徐々にしてきているものの、外国からのフライトはほとんどない状態で、観光客は実質的に入国できない。これは逆に言うと、タイに滞在している外国人も自国に帰ることができないというケースも当てはまる。そのため、タイ政府は救済措置としてビザの手続き不要で自動延長する救済措置を実施していた

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画像引用:http://www.samutprakanimmigration.go.th/

 上記画像はサムットプラカン県イミグレーション事務所のサイトに掲げられている画像だ(執筆時)。元々、自国に帰れない外国人のための救済措置は4月30日が期限だった。非常事態宣言を発出した3月26日以降に滞在期限を迎える外国人すべてに対し、自動的に4月末までタイに滞在できるように取りはからってくれたのだ。その後、事態終息が見えないことから期限が延期され、7月31日までとなっていた。

 この時期はまだ国内新規感染者も出ていたので、救済措置はあくまでも自動延長ということで、イミグレーションに出頭して延長手続きをする必要がなかった。本来は延長には様々な書類提出と審査、さらに1900バーツがかかっていたが、これらはすべて免除となったのだ。

 観光ビザはともかくとして、婚姻ビザなどは配偶者や子どもたちも一緒に出頭しなければならないし、ビジネス・ビザでも本人以外にビザ担当者が一緒に出向くことが普通なので、出頭者の頭数の何倍もイミグレーションに足を運ぶことになる。そうなるとクラスターの可能性もあるため、完全自動延長ということになった。

 また、外国人は90日以上滞在する場合、居住場所を申告する必要がある。日本人はこれを90日レポートと呼ぶのだが、一時期はオンラインでできたものの、結構不便で、実際に出頭して提出する人が多かった。今回の自動延長ではこれも免除となっていた。

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画像引用:https://www.immigration.go.th/(以下すべて同サイトから引用)

 そして、4月21日に再度期限延長が発表された。今回の期限は9月26日までとなっている。24日午後以降にイミグレーション本部のサイトの掲示も更新され、上記、そして下記のものが貼られている。

 タイ自体は徐々に規制緩和が始まっていて、日本人は条件をクリアすればタイに入ることが可能となっている。そのため、7月末の期限が延長されることはないと見られていたし、7月中旬時点で政府側も延長はないとしていた。

 しかし、現実的に帰国できない国がある。たとえばベトナムも国内の規制緩和はだいぶ進んだ。同時に、日本人や韓国人は一部、商用に限って入国が可能なケースも認められているが、タイとのそのあたりの話が進んでいないと見られる。つまり、在タイのベトナム人は国に帰ることができない。

 カンボジアもおそらく同じような状況だろう。国境も条件付きでオープンになっているようで、カンボジアとタイの国境のひとつ、アランヤプラテートから日本人が入国したという情報もある。しかし、あくまでも条件付きなので帰国は難しいケースの方が多い。

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 そうした事情もあって、21日なって急遽、延長が決定されたというわけだ。ただ、今回こそはこれまでと同じようにほとんどの手続きが不要のままではあるものの、多少ルールが決められている。さすがに「もうここまでですわ」といったニュアンスのある条件がついている。

 上記がその内容になる。が、タイ語なのでちょっとわからない人もいるでしょうから、下記に同じページに掲載されている日本語版を紹介する。

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 って、あまり意味がわからないな・・・・・・。なんとなく言いたいことはわかるが、本当にそれが合っているのか自信がなくなってくる文章である。というわけで、下記に英語版を。

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 要するに、今回は9月26日まで滞在を自動延長するけれども、もうこれが最後なので、みんな9月26日まで帰る準備をしておけよ、というニュアンスである。

 ただ、短期ビザ――特に観光ビザなどの査証は2つのケースにおいては9月26日以降も滞在できる

 まずひとつめは、なんらかしらの治療中のケースだ。医療目的で入国していたり、現状飛行機に乗ることができない病気や体調の場合は、タイの医師が発行する診断書を用意することと書かれている。

 もうひとつは、不可抗力的な事情がある場合だ。そもそも飛行機が9月26日時点でない場合、そして帰国先が伝染病などのクラスターになっていて危険な場合だ。このケースに当てはまる場合は各国大使館がそれを証明するレターを発行することで、各イミグレーションで延長手続きが可能になっている。

 ただ、いずれの場合も短期査証であるため、延長できるのは30日間だけになる。おそらく申請日から30日間なので、できるだけギリギリで提出した方がいいかもしれない。が、書類不備で延長できない可能性もあるので、そこも注意が必要でしょう。

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 これはベトナム語のものだ。内容は同じだろう。

 2番目の項目は長期ビザのケースだ。婚姻ビザやビジネス・ビザなど、いわゆるノンイミグラン・ビザと呼ばれるビザなどのことだ。これは従来通りの手続きで延長が可能となっている。

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 こちらはラオス語だ。タイ、特にバンコクではラオス人、カンボジア人、ミャンマー人が単純労働者として受け入れられている。我々日本人とは違った入国条件や労働条件でビザが発行されているのだ。ラオス人は主に家政婦などに、カンボジア人は土木などの肉体労働、ミャンマー人は工場や飲食店で働く人が多い。

 さて、3番目の項目は先の90日レポートの件だ。今回は提出不要というわけにはいかず、提出が義務づけられた。8月1日から31日の間に出頭・提出せよということになっている。まあ、8月1日2日は土日なので、実質3日からということか。イミグレーションが大混雑すること間違いなしである。

 在タイの短期査証外国人は25万人いるとされるらしい。25万人がこの恩恵を受けるわけだが、確かに節約しているかもしれないとはいえ、25万人もが落とす外貨はそれなりの金額になる。外国人観光客が来ない今、この25万人の財布もなかなかの収入源になるわけだ。タイ政府はおそらくそのあたりも考えてのことなのだろうと見られる。

 いずれにしても、タイ政府もここまで長く鎖国状態を続けるわけにはいかないと考えているようだ。実際的に、もう次の自動延長の期限延長はないだろう。25万人もとりあえず身の振り方を考えないといけないときが来たようだ。

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