見出し画像

タイの自動車保険の更新

 タイで車を所有する以上、日本同様に自動車税だとか車検、整備や保険など維持費がかかる。車自体は日本よりもずっと高く、パーツも高額だ。維持費の中で日本より安いのは整備の人件費と燃料費、車検費用と自賠責保険くらいではないだろうか。任意保険は日本と同じくらいという印象か。

画像1

 タイの車に関係する保険は日本でいうところの自賠責保険と任意保険になる。自賠責保険はポーローボーと呼ばれる

 ポーローボーへの加入は車両の新規登録からの年数で変わってくる。タイでは新車登録から7年間は車検が免除になる。その場合、まずローンを完済していない段階では年に1度の更新時に、その時点での所有者となる銀行やローン会社から請求が来る。支払いが終わると、上記記事内の真ん中あたりにある四角い証明書が送られてくる。

 7年以前でローンも終わっている場合は、自分でポーローボーを扱う代理店などに行って支払いを済ませ、サムット・タビアンロットと呼ばれる青い車両登録証と自賠責の支払い証明を持って陸運局に行けば先の四角い証明書が発行される。

 7年以降の場合は上記記事のように車検場に行けば、そこが代理店になっているので、車検と同時にポーローボーに加入できる。ポーローボーは普通の車種で650バーツくらい。高くない。

画像2

 任意保険は自動車保険を扱う保険会社各社を比較して加入することになる。大手保険会社はほぼすべてが扱っているので、大手で加入した方がいい。というのは、タイでは事故を起こした場合、むしろ警察より先に保険会社に電話をしなければならないからだ。保険会社は詐欺防止のためなのかサービスの一環なのか、現場検証は独自に行う。大手だとタイ全土に現場検証の査定担当者がいるので、電話すればすっ飛んできてくれる。

 保険料は新規加入だとか無事故(無請求)の年数によって違うが、新車の一般的な車種で2万バーツ台と見る。およそ7万円くらいか。ただ、この金額は1等と呼ばれる保険の金額で、ほかの等級なら新車でも1万バーツ以下に抑えることは可能だ。最近はディーラーで新車を買うと保険は1等がついてくるのが当たり前なのだが。

 この等級はタイでは3段階ある。1等2等3等だ。2等3等はそれぞれに+クラスがあるので、全部で5種類になるのかと思う。要はカバー範囲の違いと思っていていい。

 まず一番保険料が高い1等は自損だろうがなんだろうが、基本的に保険会社が全部払ってくれる。補償額も高いので、一番入っておきたいものだ。ちなみに、タイではひとり当たりの対人補償額と対物補償額総額を比較すると、対物の方が金額が大きくなっている。いずれにしても、対人補償額はあまり高くなくて、タイでは命が安いと感じる。

 保険会社や内容によっても違うが、2等3等は自分の車の修理費などは一切出ないとか、補償額が下がるなどの違いが出てくる。保険料はその分安いので、タイ人の中には低い等級の任意保険を選択しているケースが少なくない。自賠責は加入していないと自動車税や車検支払いができないので加入しているが、任意は入っていないという人もいたりして、タイの交通社会は怖い。

画像3

 任意保険を安くするコツもいくつかある。先のように等級を下げることもそのひとつと言える。そのほかには日本と同じように運転者指定にすることもある。さらに、修理工場指定の場合もちょっと安い。1等は保険会社に加盟する工場やディーラーならどこでもキャッシュレスで修理できるが、工場指定にすれば保険料が安くなるのだ。その代わり、修理前に保険会社に問い合わせて、どこで修理できるかを訊かないといけなくなる。

 もうひとつ、任意保険を安くする方法がある。それは保険の代理店を使うことだ。ボクの場合はディーラーで新車購入して、そのときからずっと連絡してくる、ちょっと大きめの代理店を利用している。ここなら多数の保険会社と提携しているので、電話一本で複数の保険会社の料金を比較できる。しかも、更新時期が近づくと向こうから電話をしてくるので、忘れることもない。

 タイはおもしろいもので、こういった更新が必要なものは多くが満期になってから更新する。運転免許証も最近になって誕生日前に更新できるようになったが、以前は期限切れになってからでないと受け付けてもらえなかった。ポーローボーや自動車税も同じで、期日から確か90日以内くらいに更新すれば問題なかったはず。期日を過ぎても罰金は数十バーツレベルなので、ついつい忘れがちになる。

 代理店のメリットは、新車7年未満ならポーローボーの支払いも同時にできる。また、保険会社を替えてしまっても無事故の実績が適用されて、保険料が自動的に安くなっていく。また、契約が成立すれば自宅まで来てくれるので面倒がない。クレジットカードでの支払いも可能だ。

 ただ、保険会社を替えるときは車両の状態を確認するのでちょっと時間がかかる。同じ保険会社で継続すればチェックなしで更新されることもある。こんな感じで毎年、自動車保険は更新されていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?