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【カンボジア飯】シェムリアップのムーガタ(?)は豚肉だけじゃなかった

 タイではムーガタ、あるいはヌアヤーン・ガウリーと呼ばれる焼肉が、アンコールワット遺跡で有名なカンボジアのシェムリアップにもあった。現地でなんと呼ばれているのかわからない。看板には「カンボジアBBQ」とあったはず。ちなみにラオスにも同じものがあって、こちらはシンダートと呼ばれるらしい。

 タイの場合、ムーガタという名称通り、ムー、すなわち豚肉が中心になる。しかし、シェムリアップのカンボジアBBQは豚肉だけでなく、シーフードや爬虫類などいろいろな肉があった。

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 タイのムーガタはバンコクでの名称で、発祥とされる東北部ではヌアヤーン・ガウリーと呼ばれる。これはプルコギを原形としているので、ヌアヤーン・ガウリーを直訳すると韓国焼肉になる。プルコギもジンギスカン鍋のように中央が盛り上がり、そこで肉を焼き、ふちにスープを入れて野菜を煮るタイプがあるらしい。

 バンコクのムーガタは、2000年初頭にバンコクで流行し始めたヌアヤーン・ガウリーの食べ放題バージョンを指す。だから、セットあるいはアラカルトが基本の東北のヌアヤーン・ガウリー店のうち、最近食べ放題を始めている店はあえてムーガタと名乗るケースも増えている。

 シェムリのムーガタは観光客向けというのもあって、セット内容が豊かだった。まず、肉はもちろんだが、野菜がセットに入っているのも当然としても、米と麺がついてくる。タイのムーガタでは米を食べる人はほとんどいない。麺がある店もあるけれど、基本はせいぜい春雨くらいだ。その点ではカンボジアBBQは優れているかもしれない。

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 日本のジンギスカン鍋はここまでふちが深くなかった気がするがどうだろうか。こちらではスープを入れることが前提なので、山と鉄板の端がやや広めの設計になっている。

 銅製の鍋もあるが、多くがこのアルミ製だ。ちなみに、タイでは地方とかバンコクの下町だと配達のムーガタもある。コロナ以前から定着しているサービスで、このアルミの鉄板と肉と野菜のセットを人数分運んでくれる。たしか炭とか七輪も一緒に持ってきてくれたはず。自宅でムーガタをしたいときに注文できる。

 カンボジアBBQの焼き方はタイのムーガタと同じだ。鉄板の上に豚の脂肪を乗せる。この脂と肉などを焼いた汁がスープに流れ落ち、さらに野菜を煮ることでスープがだんだんとおいしくなっていく。

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 このようにふちで野菜やキノコ、場合によってはシーフードを煮る。タイだとルークチン(練り物)があったりするが、カンボジアBBQでは見なかった。単にこの店だけかもしれないが。

 タイと違うのはこのように麺を入れることか。ただ、麺はできれば最後がいいのだが、ベトナムの鍋といい、どうしてもインドシナ人たちは先に麺を入れたいようである。最初は店員さんが入れてくれたのでこういうことになった。

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 タレはこういうものだった。ただ、味は憶えていない。ボクは基本的に焼肉は塩で食べる派なので。どうもタレが濃すぎて好きではない。

 ちなみにタイスキを食べるときは、たとえばMKならタレは最小限にする。小鉢にレンゲに半分以下のタレを入れ、スープで薄め、それをつけて食べる。だから、ボクの妻なんかはMKで食べると2回くらいタレをもらうが、逆にボクは最初のタレを使い切ったことがない。それくらい、塩が好きである。

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 麺は茹でて食べるけれども、米はそのまま食べる。ムーガタもそうだが、東南アジアでは鍋などのあとに雑炊をすることはほとんどない。だいたいムーガタの鍋で雑炊をしても、スープが少なすぎてうまくできない。そもそもスープも雑炊ができるほど出汁が取れない。

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 さて、メインになる肉だ。牛肉はもちろん中央にメインとして置かれる。黄色いのは黄身だったような気がするけど、ちょっと記憶はあいまいだ。

 扇形の左の白いものはイカ、その隣は鶏肉だった。その右隣はヘビだ。タイはヘビはあまり食べないので、かなり珍しい。一番右がなんだったかな。ワニかダチョウだったはず。

 これはあくまでもセットだったので肉はこれだけだった。ほかにもアラカルトで、アヒルやカンガルー、淡水魚、カエルなどの肉もあった。

 タイはヘビをあまり食べないし、シカやイノシシなどのいわゆるジビエも少ない。というのは、食品衛生法かなにかで野生動物の肉だとか爬虫類、犬肉などが認められていないとかなんとか。シカやイノシシを出す店はあるが、それは全部認可された養殖場から出ていて、本物の野生ではない。

 カンボジアはタイよりも食材が豊富というか、アグレッシブな印象があるね。貝や虫などもタイにはないものが市場や屋台に並んでいるし。

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 東南アジアは肉類は基本、日本よりもおいしいと思う。鶏肉なんかいい例だ。養鶏場から食卓までの距離が短いからなのではないかなと思う。

 タイの牛肉は近年になってやっとおいしくなってきた。カンボジアやベトナム、ラオスはやっぱりフランスの影響なのか、ずっと前からタイよりもはるかにおいしい、ただ、基本が赤身なので、人によっては固いと感じるかもしれないが。

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 ベトナムの路上焼肉などもそうだが、ベトナムやカンボジアは店員がいろいろとやってくれるので、初めてでも食べ方がわかって安心だ。考えてみると、タイはこういうサービスがだいぶ減ったような。20年くらい前はよく見た気がするけれど、今はほとんどないはず。

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 ボクの初めてのシェムリアップは2000年とかそれくらい。20年も前になるが、その当時はなにもない町だった。それが今やウォーキング・ストリートなんてできて(パブストリートって名前だったかな?)、外国人だらけの歓楽街みたいエリアができてしまった。このカンボジアBBQの店もまたそんなウォーキング・ストリートにあった。

 東南アジア慣れしてくると、こういう外国人スポットは高いというイメージができあがってしまい、あまり行きたくない。とはいえ、カンボジアはベトナムやラオス同様にアルコールが安い。だから、料理が外国人料金設定でもトータルは安いのでいいんだけど。

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