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慣れすぎてしまって熱の測り方が雑になってきた【タイ】

 タイは国内感染がほとんどないので、例の騒動に対してはだいぶ落ち着いているというか、ピリピリした感じはほぼ収まっている。4月5月の雰囲気が最悪だった。

 とはいえ、商業施設や飲食店、はては公園でさえ、タイ政府が万が一の感染再発生の懸念から追跡ができるようにと開発したアプリでチェックイン/アウトをさせたりといった動きはある。しかし、そのアプリも面倒だし、現場ではその使用に関してはかなりいい加減だ。デジタルが苦手な人にはアナログで帳簿に名前を書かせたり。

 あと、必ず入り口に係員が立ち熱を計っている。BTSや商業施設によっては、空港などにあるような自動熱計測カメラを設置して、計測だけでなくひとりひとりの顔を録画している。

 係員が手に非接触型の体温計を持って計る場合には、いちいちそのときの体温を言ってくれる。タイは暑いから、外を歩いて入るときはちょっと緊張したりして。でも、だんだんこれにも慣れてきて、特に従業員側に気の緩みがあるような気がしている。

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 日本も同じだと思うが、タイはどんなに小さな店でも必ずアルコール消毒液がある。また、グーグルマップと連動させているのか、QRコードを使ってチェックイン/アウトをさせるところもある。

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 このアプリはタイチャナ(タイは勝つ)というもので、今はアプリもあるし、登場したばかりのときはウェブにQRで飛んでいちいちチェックインボタンを押していた。

 問題はチェックアウトの方で、わざわざ同じQRコードで入って、チェックアウトを押さないといけない。元の記録というか、チェックイン中画面というのはウェブ版の際はなかった(アプリは使ったことがないので不明)。これが結構面倒で、開始初日からすでにインとアウトの人数が合わない事態になっていた。だからなのか、当初はアプリで管理されるのは嫌だと反発があったのに、今はアプリ利用者が増えているらしく。

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 最初こそどの店の従業員も入店者に対してタイチャナへのチェックインを呼びかけていたが、そのうちそれすらも言わなくなった。当時は外出する人がそんなに多くなかったので、声かけも楽だった。あるいは、当時はピリピリした雰囲気があって、緊張感があった。今は国内感染がほとんどないので、追跡以前に作業の方が面倒になってしまっているのだろう。

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 特にタイ人向けの施設にその傾向が強い。熱も計ってその数値を読むだけの流れ作業になっているので、恐らく高温には反応するだろうけど、たとえば38度以下はなんだっていいという感じだ。

 これまでにボクが体験した自身の体温は、最も低いもので24.9度だった。冷蔵機能つきの棺桶に入っていた死体くらい冷たいのではないか。それでも従業員はなんの疑問も持たない。そんな体温計は本当に熱があっても34度くらいにしかならないのではないか。実際、アソークのターミナル21ではカメラによる自動計測であるにも関わらず34度というのもあった。現場はなんにも考えていないんだな。

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 一時期はこういう装置もできていた。ほかはわからないが、セントラル・バンナーにはこれがあった。ソーシャルディスタンスの一環で、人がエスカレーターに乗ると一瞬赤になって、青になったら乗っていいというシステムだ。

 これもすぐに壊れてしまい、ずっと青がつきっぱなしだった。ほかにもエレベーターの密を防ぐためにテープでパーソナルスペースを確保していたが、それもほとんど守られなくなっている。

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 そんな中で、というかボクが見てきた中だけだが、最もちゃんと管理しているのがユニクロだ。ほかはいい加減なのに、ユニクロは頑なに店内に入れる人数をコントロールし、かつタイチャナのチェックイン画面をしっかりと見ていた。ただ、アウトは見ていなかったけど。

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 スマホがない人は帳簿に名前と住所を書かせるのだが、しっかり子どもにも書かせていたので、さすが日系だなと思った。息子がちゃんとこういうのを書けるようになっているのを知る機会にもなった。

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