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タイのミスドの怖い話

 記憶が正しければだが、日本のミスタードーナツはほとんどが店舗でドーナッツを作っていたような。タイは、ごく一部にオーブンらしきものを置いている店舗もあるが、ほとんどはおそらくセントラルキッチンで作られているものを持ってきていると見る。そのため、同じブランドではあるものの、おいしさでは圧倒的に日本の方が上だ。

 だからというか、たぶんタイ在住日本人でミスドでドーナッツを買う人はほとんどいないのではないかと思う。ボクの場合は家族がタイ人であるし、子どももまだ小さいので、ときどきミスドでドーナッツを買う。

 注意したいのは、基本的には有人の店舗で買うべきである。最近の話ではないけれどもとんでもない様子を見たことがあるので、無人の棚から取るタイプのミスドはやめておくべきだ。

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 タイのミスドはほぼ日本とは別物と思っていいものの、最近は日本と同じタイプも多少ある。たとえばポンデリングも何年か前から売られるようになったし、フレンチクルーラーとオールドファッションもある。ただ、店舗によってはフレンチクルーラーはないことが多い。特にボクの自宅近辺はバンコク郊外になるので、品揃えが都心と違う。

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 タイのミスドは1978年にサイアムスクエアで誕生している。発祥のアメリカにおいては親族が経営するダンキンドーナッツにミスドは買収されているようで、今は事業の中心は日本になるという。その関係もあって、今のタイのミスドはおよそ70店舗が全土にあり、基本的に新メニューは日本から来るケースが多くなっている。

 とはいえ、タイではオリジナルのメニューもときどきキャンペーンで登場する。数年前には画像のように寿司を模した「スシド」が出ていた。ほかにはサンリオのキティーちゃんだとか、ドラえもんのキャンペーンが行われている。

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 タイのミスドはほとんどが商業施設内の一角にスタンド的に展開している。今はコロナの関係で棚には透明シートがかけられ、カウンター内にいる店員に口頭で注文して箱に詰めてもらう。それ以前は、パン屋のようにトレーにドーナッツを載せて、レジで支払う。

 タイの場合はこういった形態であることもあって、1個いくらという値段がついているものの、5個10個といった単位で割引がある。ちなみに1個当たりの値段は10~20バーツ程度(約35~70円)なので、日本より安いものもある。

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 画像の店舗は比較的大きい方になる。こういう店だとドリンクの種類も多い。小さい店舗だとドリンクがないこともあるし、少ない種類で展開しているケースもある。

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 座席がない店舗も多い。だから、基本的にタイのミスドはテイクアウトで買うものという認識である。

 どちらかというとミスドよりもダンキンドーナッツの方が多かった気がするが、タイではコンビニでドーナッツ販売があった。しかし、最近はドーナッツをコンビニなどで売ることがあまりなくなった。少なくとも90年代後半や2000年代初頭は、コンビニ内に小さなガラスケースがあって、そこでドーナッツを売っていた。それがダンキンドーナッツの方が圧倒的に多かったと思う。

 棚を開けて、その辺りにセットされているビニル袋だったか箱にドーナッツを入れ、レジで会計をする。要するにその棚を店員は誰も見ていないわけだ。

 2000年の初頭だが、スクムビット通りのソイ23にあるセブンイレブンにも当時ドーナッツの棚があった(もしかしたらダンキンドーナッツだったかも)。それを、ゴーゴー嬢が開けて買っていくこともあるのだが、中には開けて指でドーナッツをつんつん突いて立ち去る人もいた。というか、そういう人が少なくなかった。

 ボクは正直結構な衝撃を受けたもので。最悪、悪意があるならまだしも、彼女たちは食べたことがないものなので、不思議に思って突いていくのだ。悪気がないというか、なにも考えていない。

 タイと日本は似ている部分も多いが、違う部分も多い。日本で常識であることがそうでないケースもある。特に当時はバンコクと地方の格差が大きかったので、無教養な家庭に育つと驚くほどモラルが低い人間が出来上がることも少なくなかった。

 これはあくまでも昔の話で、今はどうかはわからないし、そもそもそういったドーナッツの棚はほとんど見かけなくなったので心配はいらないのだろうが、とにかく、タイでドーナッツを買う場合は、有人の店で買うべきなのである。

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