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ベトナムのロト6は外国人でも賞金がもらえるみたいだから

 人間はギャンブル好きとそうでない人で大別できるが、東南アジア人は総じてギャンブル好きが大半であると彼らの日常を見てて感じる。特に男性だ。サッカー賭博はタイやベトナムで人気のギャンブルで、身の破滅を招く輩が少なくない。しかし、基本的には東南アジアのどの国も賭博を認めていない。せいぜいカジノが一部で認められるくらいだろうか。

 タイやインドシナ3国では宝くじは認められている。タイは月に2回も抽選日があり、日本の宝くじよりも当たりやすい。ラオスやカンボジアでは夕方になると路上に宝くじ売りが出てくる。

 また、ベトナムでは、日本で言うところのロト6、あるいは数字選択式宝くじと呼ばれるものがある。ボクはこれが気になって仕方がなくて、いつかベトナム滞在時に買いたいと思いつつ、まだなにもアクションできていない。もし今の騒動が終息してベトナムにも自由に行き来できるようになったら買ってみようかな、ということで、ちょっと調べてみた。

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 ベトナムの数字選択式宝くじはベトナム財政省傘下のベトロト社が運営している。別名をベトナム・コンピュータ宝くじ社というらしく、欧米とかシンガポールの企業と一緒に始めたシステムかと思いきや、マレーシアのベルジャヤ・グループと事業協力契約(BCC)を結んでいるようだ。

 そんな数字選択式宝くじが今現在、2種類ある。ほかにもいくつかあるのだが、ここでは「ロト6」と類似するものだけをピックアップしているので2種類とする。ほかのくじを知りたい場合は上記の公式サイトを見てほしい。

・メガ6/45

・パワー6/55

 両方とも6つの数字を選択する点では同じだ。ただ、選ぶ数字の範囲が違う。それぞれがどういうものか見てみよう。

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 メガ6/45はベトナムで最初に始まった数字選択式宝くじで、2016年7月18日に販売が始まった。当初はホーチミンだけだったようだが、今はほぼ全土で購入できる。

 6/45という名称どおり、1~45の数字の中から6つの数字をマークシートで選択して購入することになる。1口あたり1万ドンなので、50円くらいか。日本のロト6の1口200円より買いやすい。(※以下1ドンを0.005円で計算

 当選も毎週水曜日、金曜日、日曜日と週3回も抽選が行われるので、日本のロト6よりも回数が多い(ロト6の抽選は毎週月曜日と木曜日)。

 そして肝心の1等賞金だが、なんと120億ドンなのだとか。デカい! と思いきや、日本円で約6000万円なので、日本のロト6よりもずっと少ない金額になる。ただ、公式サイト上ではミニマムとあるので、この金額は最低限保証されていると見られる。日本の場合は理論値が出ているだけで、実際の売り上げや当選口数によっては理論値に届かないこともある。

 とはいえ、メガ6/45も当選者がいない場合にキャリーオーバーが発生するので、高額当選になる可能性もある。特にベトナムの数字選択式宝くじはいずれのタイプもキャリーオーバー発生時に受け取れる1口あたりの金額に上限設定がないようなので、さらなる高額が期待できる。日本のロト6は最高6億円までなので、それ以上キャリーオーバーが出ているときは何口か買った方が得られる金額が大きくなる。上限がなければ1口買うだけでいいので、買いやすくなるメリットがある。

 メガ6/45の当選金額を改めてまとめると下記のようになる。

・ジャックポット:6個が一致:120億ドン(約6000万円)
・1等:5個が一致:1000万ドン(約5万円)
・2等:4個が一致:30万ドン(約1500円)
・3等:3個が一致:3万ドン(約150円)

 公式サイトではジャックポット以外はキャリーオーバーがつかないみたいな記載になっている。となると、賞金を考慮すれば、どう見てもジャックポット狙いでしかない。しかし、普通宝くじを買うときは1等以外を狙うのはタイ人くらいかなと思うので、この設定でもいいのかもしれない。

 タイ人の宝くじファンはわりと現実的なことと、違法な地下くじを利用することが多いため、2~3桁の当たりやすい数字を狙う人が多い。公認宝くじは1等600万バーツ(約1800万円)で、1等以外では上3桁、下3桁、下2桁といった賞がある。地下くじは政府公認宝くじの当選番号を利用し、地域の胴元が売り出す宝くじだ。利用者が多い理由はいろいろあるが、好きな数字をすぐに買えること、電話注文できることなどが挙げられる。

 メガ6/45に話を戻すと、上記賞金一覧は単純に購入したケースだ。ほかにも購入方法というか、数字セットの買い方がある。一番下のマークシート画像のアップや、下記のマークシートの左にBAOというチェックがある。これはSYSTEM5~18という買い方で、賞金設定が別枠になっている。これは細かいので詳細は上記のベトロト社のサイトで確認してほしい。

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 もうひとつのベトナム式ロト6であるパワー6/55は、1~55の数字から選択する。上の画像はまさにこのパワー6/55のマークシートだ。シート自体は日本のロトくじに似ている。こちらもくじは1口あたり1万ドンだ。抽選は毎週火曜、木曜、土曜日に行われる。

 賞金も、メガ6/45より数字が多い分当選確率が低くなるため、高額になる。一番高い金額が300億ドンなので、1.5億円だ。これはキャリーオーバーのないときのミニマムの金額なので、当選者がいない回が続けば高額になっていく。

・ジャックポット1等:6個が一致:300億ドン(約1.5億円)
・ジャックポット2等:本数字5個と特別数字1個が一致:30億ドン(約1500万円)
・1等:5個が一致:4000万ドン(約20万円)
・2等:4個が一致:50万ドン(約2500円)
・3等:3個が一致:5万ドン(約250円)

 こちらもメガ6/45同様にジャックポットの2つ以外は「and accumulated」と記載がないので、キャリーオーバーは発生しないと見られる。そして、このパワー6/55もやっぱりジャックポット狙いになる。ジャックポット1等と2等の難易度が同じような気がするが、だからこそ狙うはジャックポット1等だけでしょう。

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 これまでのベトナム国内高額当選はいずれもパワー6/55で出ているようだ。最高額は2018年5月5日にハノイで出た3039億ドン(約15.2億円)で、2番目は2020年5月12日のホーチミンで1920億ドン(約9.6億円)だった。物価の安いベトナムならこの金額の価値は計り知れないものがある。

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 気をつけたいのは、賞金に対して10%ほど所得税がかかることだ。日本の宝くじはロト6、ロト7を含めて賭け金に対して税金がかかっているので、賞金は実質無税となる。しかし、欧米などの宝くじ同様に、ベトナムでは賞金に個人所得税がかかるので、公庫に納付したあとに賞金が入ってくる仕組だだ。だから、まるまるすべてが懐に入るわけではない。

 また、日本の宝くじは当選発表翌日からおよそ1年間、換金への猶予があるが、ベトナムは当選日から60日間で換金期限となる。もし当選者が換金しない場合はベトロト社の売上になってしまうので、早めの換金が必要になる。

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 これらを踏まえると、このベトナム版ロト6は外国人が当たっても賞金が入らないのではないか、ということが考えられる。しかし、原則では外国人でもこの賞金は手に入るようだ。

Vietlottの規定によると、ベトナム国民でない場合でも合法で滞在していれば宝くじを購入し、当選すれば賞金をもらう資格はあるという。
参照:https://poste-vn.com/news/20191115-9588

 上記の記事ではこうなっているようだ。しかし、「合法で滞在」がどう解釈されるかによると思う。「観光での一時的な滞在」を「合法で滞在」とも言えるし、一方ではそう認められないとも言える。労働許可証を得て働いている人は間違いなくもらえるでしょう。実際、上記の記事は外国人が賞金を受け取ったニュースの記事だからだ。

 まあ、現地の信頼できる友人に半分あげるからということで買ったりできそうな気もするが。どうなんでしょうね。


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