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タイにあって日本にないもの【アルコール規制編】

「日本にあってタイにないもの」とも言える話なのだが、アルコール販売などに関する規制はタイの方が日本よりも圧倒的に厳しい。そのため、タイから日本に行くと、日本がアルコール天国に見える。小売店やコンビニ、酒屋においてもとにかく商品の種類が多い。価格も安い。それから販売時間が制限されていない。タイ政府はアルコールを諸悪の根源のように見ている節がある。そのため、様々な規制があるし、税金が高いので物価指数的に言うとアルコールは無駄に高めになる。

 アルコール飲料への厳しさがタイにはあり、そして日本にはそれがない。タイトルとしては逆でもいいのだけれども、日本にあってタイにないものの記事はすでにいくつか書いたので、数合わせ的に逆に設定しただけの話であるが。

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 日本は飲食店のバリエーションも豊富だ。外国に出てみてわかることは、日本人ほど食べることが好きな国民性はないのではないか、ということだ。タイも近年こそ食事の幅が広がったが、2010年以前のタイ人は外でも家でもタイ料理しか食べないし、和食だって洋食だってタイナイズされた味でないと評価しなかった。外国の料理の味を理解することは一切なかったのだ。

 大なり小なり、それはほかの国も同じで、おそらくは日本人にもそういった部分はある。それでも、日本人は積極的に美味を求め、海外に行ったら地元の料理を追い求める。これは日本人の変態的な気質であり、誇るべき性質でもある

 アルコールに関しても、たとえば居酒屋ひとつ取っても様々な形態がある。味一本で勝負するところはもちろん、エンターテインメント性で勝負する店もあろう。他県の郷土料理を売りにしている店もあるし、とにかく豊富なアイデアで展開している。

 この中でタイ在住のボクから見て特に特殊に映った飲み屋は赤羽の店だ。

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 この「まるます家」は最早東京の観光名所になっているくらい、特に日本人に人気だ。有名なグルメまんがで紹介された、朝から営業している店である。近所の工場などに勤める夜勤明けの人が来ていたような店らしく、朝から居酒屋メニューを楽しめる。ただ、この記事は2016年に行ったときのことを元にしているので、今はちょっと状況が変わっているかもしれない。

 この店はアルコール類の規制が少ない日本では珍しく、注文可能数が制限されていた。注文できるのは3杯までだったかな。店員によっては融通が利いて、1杯だけ多く頼めたりするようだ。ボクなんかは体格がこれなので、特別にあと1本くらいならって言ってもらえた。

 いずれにしても制限があるため、多くの人がより大容量のサワーみたいなものを頼んでいた。ここの名物で「ジャン酎」と呼ばれる。ただし、ジャン酎は1リットルなので、1本しか頼めない。ボクはちょっと飲みたかったものがあったので、ジャン酎はあきらめてビールと日本酒にした。

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 この日本酒「丸眞正宗」は東京23区内最後の酒蔵で造られる日本酒で、どんなものか飲みたくて行った。北区に酒造があるので、この店で飲むということはすなわち地酒を飲むに等しい。正直、あまりおいしいとは思わなかったが、結果的に行ってよかった。

 というのは、この2年後にこの酒造が廃業したのだ。

 ただ、下記のように遠縁の酒造が引き継いでいるので銘柄自体はなくなっていない。あくまでも23区内で最後の日本酒だったわけで、今は23区内で醸造される日本酒がなくなったことになる。上の画像のボトルももう存在しないのだ。一応、そんな酒を飲めたことはよかったなと思う。

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 つまみは本当にどこにでもあるようなものだ。この店はウナギと鯉の店なので、とりあえずウナギと鯉の刺身は注文しておいた。ほかにもごくありきたりなものばかりだったけれど、どれも特別おいしいわけではないが、雰囲気はいい店だった。

 とにかくまるます家はメディアに出たことで人気があり、開店早々に行かないと並ばないといけなくなる

 ボクの地元は足立区で、日本滞在中は20年くらい前に引っ越した埼玉県草加市の実家にいる。草加市と足立区は隣接しているし、足立区と北区も隣接している。だから、赤羽は直線距離はそれほど遠くないのだが、交通機関の関係で草加市から赤羽はものすごく遠い

 それくらい面倒なので、早朝に赤羽に行くのは結構大変だ。だから、このときは結構がんばって朝の7時半くらいになんとか到着したものの、開店9時までぶらぶらして開店前に戻ったら、結果20分くらい待つことになった。勝手に朝6時くらいから始まっていると思っていたし、そこまで人気だとは知らなかった。事前に調べないタチなもので・・・・・・。

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 ボク自身は飲食店で並ぶのはあまり好きではない。同じように飲食店で待つのが嫌だという人も少なくないだろう。そんな人も赤羽は安心だ。まるます家の近辺には早朝居酒屋がたくさんある。この界隈には午前中からオープンしている居酒屋が目白押しだ。

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 ここなんかはあとで知ったのだが、立ち飲みのおでん屋なんだとか。ここもたくさんの人で賑わっていた。まるます家目当てで行ったので、飲んで戻ってきたらもういっぱいで食べるのをあきらめた。

 あとはこんなものが注文できる店もあった。

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 ピザや生ハムといったおしゃれなメニューが食べられる店だ。もうこうなると居酒屋ではなく、バーだね。早朝バーとでも言おうか。

 このときは地元の友人と一緒に行ったのだが、我々以外は女性客ばかりであった。だから、中に入りづらくて表の席で飲んだ。土曜だったと思うのだが、昼間に道端で飲むってのはなんか不思議な感じだった。タイだったらカオサン通りなどにそういう店はあるが、東京でこんな感じなのは楽しくもある。

 ボク自身は基本的に明るいうちは飲みたくない派なのでそう滅多に行くところではないが、たまにはこういうスタイルで飲むのも、タイにはない、日本的なものでいいなと思う。

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