カンボジアでヘビを食べた
2009年10月のことなので、もう10年も前の話だ。mixiで知り合った近所に住むMさんに連れて行ってもらい、カンボジアのポイペトにあるレストランでヘビを食べた。ヘビはこのときが初めてだったと思う。
経緯から話すと、2009年あるいはその前年にネットショップをやろうと動いていた。会社員をやっていたが、副業でアランヤプラテートのロングルア市場で古着のアロハなどを仕入れ、売ろうとしていた。
アランヤプラテートはバンコクから約250キロほど東に行ったところにある、タイとカンボジアの国境の街だ。そこに巨大なロングルア市場があり、カンボジアから古着が集まってくる。その古着は日本やアメリカなどから入ってくる。ほかにもあらゆるものが売られていて、バンコクの週末市場「チャトチャック・ウィークエンドマーケット」に出ている商店の仕入れ先のひとつでもある。
Mさんはちょっとしたアパレルの会社を経営していて、この市場のカンボジア人と取引をしていた。その取引先に行くときにボクものこのこついていき、関係ないのに歓待された。
アランヤから国境を越えると、そこにはポイペトという街が広がる。貧しい村で、国境沿いこそカジノできれいに見えるが、裏手は赤土がむき出しの道しかなく、掘っ立て小屋に住む人ばかり。売春宿もあって、ボッタクリ価格で700バーツ(当時2000円くらい)だった。
その街にある一番のレストランに連れて行ってもらい、そこでカンボジア料理を食べた。カンボジアの料理は当時はロックラー(発音で憶えているので正しいかよくわからない)とかしかしらなかった。肉の炒めものに目玉焼きがついていて、結構おいしい。このレストランでは鹿肉のロックラーを食べさせてもらった。
あとは魚の干物とか、肉を焼いたものとかいろいろあった。
その中で一番の思い出がヘビ料理だ。店に着いた段階で調理が始まって、それを見せてもらった。
網から出し、血を抜き、肝を抜き。肉はスープにした。
肝はひとつしかなく、噛むと苦いのでまるっと飲み込む。ここでもボクが一番の無関係者なのに、その肝を飲む役をいただいた。まあ、味はなかったし、精力がついたかどうかわからなかったが。
血はアルコールに混ぜて飲んだ。ウィスキーだった。特に臭いとか、そういう印象はなかった。ただ、最初こそ血で割っていたものの、血は早々になくなり、その後ウィスキーをストレートで飲みまくった。
おもしろいのは、このレストランにはウェイトレスがいた。いや、ウェイトレスはどこにでもいるけれども、この店の子は違っていたのだ。しかも途中までボクはウェイトレスではなく、Mさんの知り合いか、取引先の人の知り合いかと思っていた。
なぜなら、そのウェイトレスは私服で、しかも我々の席に一緒に座り、普通に食事をしていたからだ。ウェイトレスとホステスの中間くらいの役割だろうか。
こういった、タイにはないおもしろさ(タイも田舎に行けば一緒に食事をするウェイトレスはいるんだけれども)、それからボクの隣に座った女の子が色白でかわいく、テンションが上がってしまった。
ちなみにだが、その女の子は「バレーボール入ってるの?」っていうくらい、胸が大きかった。尋常じゃない大きさ。カンボジアの貧しい土地柄で豊胸手術をしたとも思えないし。あれは本物だったんだろうか。
あまりに楽しく、ベロッベロに酔っ払ってしまい、トイレに行くのも一苦労だった。なにせ、そのレストランは林の中にあり、トイレは林の向こうにあるのだ。ホント遭難寸前だった。
何回目かのトイレで、アルコールを便器に流し、同時に思い出も流してしまったようだ。その瞬間から翌朝までまったく記憶がない。どうやって帰ったんだろう。まあ、Mさんが抱えて帰ってくれたんだろうけど、ホテルはエレベーターなしの3階だったわけで。
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