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ベトナムのススメ【フエ編】

 ベトナムが好きだ。なんなら、今、タイよりも好きだ。タイにはもう長く暮らしているので、むしろ自分にとっては外国ではない。だから、好きな外国を訊ねられたら、現在は真っ先にベトナムと答える。そんなベトナムのどこがいいのか、ボクの見てきた感覚で紹介する。第5回目は中部にある、ベトナム最後の王朝があったフエだ。

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 中部の港湾都市ダナンを滞在の拠点にすると、ダナンそのものもおもしろいが、日帰りで往復できるフエホイアンに足を伸ばせる。中部は今ベトナムの中でも特に熱い。

 フエはベトナム最後の王朝である阮王朝(グエン王朝)が1945年まであった、歴史ある街だ。スタンリー・キューブリックの映画「フルメタルジャケット」の後半の戦闘シーンの部隊もこのフエである。

 フエに行ったのは12月だったので、ちょっと寒かった。とりあえずの目的はグエン朝の王宮だった「フエ王宮」とフエの名物である「ブン・ボー・フエ」である。

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 ダナンからの行き方はタクシー、バス、列車がある。あとは旅行代理店のミニツアーに参加するなどだが、ボクの場合は団体旅行をしたことがないので、人と行動するのはちょっと難しい。マップを見ていると、どうも列車が海岸沿いを走り、しかも道路がないので独特の景色が見えるのではないかと、国鉄ダナン駅から列車で向かった。

 まあ切符は当日で大丈夫だろうと思ったら、ネット予約が普通になっているようで、窓口がいつまで経っても開かない。それで、出発直前に開いた。結局、ベトナム人は2等車か3等車になり、外国人は自動的にエアコン付きの1等車になり、がらがらだった。

 ただ、3等車(2等車?)に乗れるならその方がいい。道程は約3時間くらい(だったはず)なので、3等でも十分だ。1等車は窓が開かないし、洗車していないのか窓ガラスが完全に曇っている。そのため、海岸沿いの写真を車窓から撮ることができない。3等なら窓がないので、写真は撮りやすいのではないか。

 帰りも列車がよかったが、残念ながらフエ-ダナン間は夜しかないみたいでバスで戻ることになった。バスは道路が山を貫き、かなり短縮されたようで、2時間とか3時間で着く。ただ、バスターミナルが市街地から離れているので、ボクは不便に感じた。

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 フエ王宮に思い入れがあるわけではなく、地図上で見ると四角いので、直線を多用した建造物なのかという期待があってのことだ。カンボジアのアンコールワットやタイのクメール遺跡の直線が大好きで、フエ王宮にもないかなと。

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 まあ、こんな感じだ。クメール遺跡のように石でできた建造物で、あれほどの直線美ならば感動だが、木造ならまあこんなものでしょう。

 ちなみにこの直後にカメラをぶつけ、撮り溜めていた画像が全部消えた。バックアップも取っていなかったので、本当に青くなった。カメラマンもそうだが、ボクみたいなライターにとっても画像は大切なものだ。あるライターが神経質なまでにバックアップを取っていたが、ボクはそれを怠っていた。すぐに近くのカフェに入る。ベトナムのカフェは大体Wi-Fiが使えるので、対策を調べてみた。それでなんとか復旧できた。

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 ブン・ボー・フエは名称の通り、フエの名物になる。ハノイホーチミンなどどこにでもあるのだが、地元で食べたいじゃないか。

 ブンは米粉から作る微発酵麺で、ボーは牛肉という意味だ。たとえばフォー・ボーなら牛肉のフォーだし、ブン・ボーは牛肉のブンということになる。そこにフエがついているので、フエの牛肉ブンという意味になる。

 意気込んでフエのブン・ボー・フエに乗り込んでみたものの、そもそもブン・ボー・フエを食べたことがないので比較対象がないことに気がついた。また、ハノイのブンチャーならともかく、ベトナムの麺の中で普通のブンはあまり好きでないことに改めて気がつき。でも、この店のは麺そのものがおいしいかどうかはともかく、牛肉がよく煮込んであっておいしかった。

 ベトナムは各地で飲むビールの銘柄が違うのだが、中部はラルーが主流になる。しかし、フエにはフエのビールがあるみたいだ。しかし、訪れたのが昼間だけ。ボクは昼間にビールは飲まない主義なので、出会わずに帰ることになってしまった。次回はフエに泊まってビールを楽しみたい。

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