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バンコク「大枡」の枝豆つかみ取りの正解は結局なんなのだろう

 2000年初頭以前にあったバンコクの和食店というと、特にこれといったコンセプトはなく、普遍的な和食を幅広く出すという感じだった。これが2010年前後から和食の盛り上がりと共に、様々な店が登場する。専門料理に力を入れる、エンタメ系に力を入れるなど、今もそれぞれが様々な工夫で展開している。

 その中ではこの「大枡」(だいます)はそういったコンセプト系ではわりと早いうちに登場したと思う。とはいっても、2011年よりもあとに出てきたはず。浅草や上野アメ横などにあるような、ビールケースを椅子にした安い居酒屋の雰囲気で、一時期は足繁く通ったものだ。

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 大枡の社長はバンコクで飲食店を複数経営する方だ。元々実家もとんかつ店だそうで、隣のかつ真も系列店だし、以前バンコクの牛丼といえばでみんなが名前を挙げた牛野屋もこの方が手掛けている。

 大枡は先述の通り、浅草やアメ横にある立ち飲み屋とか、安い居酒屋のような雰囲気で、内装もそのまま下町の居酒屋の感じになっている。七輪を置き、ホルモン焼きを中心にして、いろいろと楽しめる。

 中でもボクが好きだったのはバクダンだ。ビールジョッキに電気ブランをいっぱいにしたショットを沈める。タイなのでさすがに電気ブランではなく、ブランデーかウィスキーを入れているだけだと思うが。とにかくこれが酔うんだな。3杯4杯でもうべろべろ。

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 最初はスリウォン通りのソイ・タンタワンにできた。ボクが初めてタイで暮らした場所もまたこのソイだった。2000年のことなので、当時は高くておいしくない和食店が1軒あっただけだが、今や大枡とかつ真を中心に何軒も並ぶ。

 今、大枡はバンコクに2軒だと思う。もうひとつはスクムビット通りソイ26の日本街にある。こちらはより広い店舗なので、店の奥の個室はこういった日本の飲み屋街を模した廊下になっている。

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 さて本題だが、今もまだあるのかどうかわからないが、大枡では枝豆の掴み取りができる。枝豆を注文したら漏れなく参加になり、好記録はホワイトボードに名前とグラム数が記載される。あまりにも少ない場合は、計測後に店員さんが少しオマケしてくれるという優しさもある。

 これが結構難しい。いろいろな人が挑戦しているところを見るが、枝豆の形状の関係か、手の大きさとか握力はそれほど関係ないような気もする。もちろん小さいよりは大きい手、弱いよりは握力が強い方がいいとは思うが、必ずしもその条件を満たした人が大量に掴めるわけではない。

 そして、別のところに大きな問題がある。仮に大量に枝豆を掴めたとしよう。むしろ、男性が挑戦すれば大概、他店で普通に枝豆を注文するよりもたくさん食べることができる。これが好成績ならさらに大量になるわけだが、困るのはその大量の枝豆を持て余すことだ。

 よほど枝豆が好きならともかく、いい中年男性の飲み会に大量の枝豆があっても最終的には残すことになってしまう。これまで大枡で何度も枝豆の掴み取りをしてきたが、最後まで食べ切ったことがない。途中で絶対に飽きてしまうのだ。

 結局のところ、この枝豆の掴み取りって、正解はなんなんだろう。多ければ多いで食べられないし、少ないのは損した感じで悔しいし。

 上記マップは上がスリウォン店、下が日本街店のもの。でも、マップのタイトルが偶然かなんなのか、浅草の店になっているな。かつ真も上野だったかな。台東区にある社長の実家の店の名前を使ってかつ真にしているのだったか、似た名前にしているのだったか、そんな感じだと伺ったことがある。大枡もなにか関係があるのだろうか。

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