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オリジナルキャップをバンコクで注文する

 バンコクは東南アジアの中ではだいぶ発展した都市だ。ベトナムのホーチミンもだいぶ発展したように見えるが、バンコクの都会レベルに比べたらまだまだ。その分、バンコクは物価が高くなった。いろいろなものが手に入るようになったが、輸入品などは日本よりも高いものが多い。

 とはいえ、為替レート的には日本より安く手に入るものもあるし、日本では気軽に発注できないようなものも頼むことができる。名刺などは商業施設の印刷ショップで気軽に頼めるし、写真を油絵に起こすこともできる。「亜細亜熱帯怪談」の表紙もタイ人の画家に頼んで作ったものだ。服飾市場に行けばオリジナルのTシャツ、チーム・ユニフォームを安価に、しかも少数ロットで注文できる。

 タイは服飾に関してはかなりレベルが高い。昔のような1回着たら破れてしまったり、洗濯したら縮む、色落ちするといった問題がほとんどなくなった。現在の政情不安の元凶でもあるタクシン・チナワット元首相が在任時に服飾業界のレベルアップに力を入れたことがその一因だ。日本や欧米のアパレルがカンボジアに工場を出し始めたことを見て、タクシンが力を入れただけかもしれないが、いずれにしてもタイの縫製技術やデザイン力は20年前と比較しても全然違う。

 とはいえ、オリジナルTシャツ発注はある程度数がまとまらないといけないし、服飾市場はあまり英語が通じないので面倒だ。そんな「オリジナル」を手にすることを目的にした中でが、帽子、特にキャップをおすすめしたい。1個から注文でき、かつ時間にして1時間もかからないという早さもある。

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 オリジナルキャップを注文できる場所は案外に多い。外国人が行くところで言えば、まずMBK(マーブブンクローン・センター)がある。

 住宅街に近いスーパーマーケットやデパートでも見られる。というのは、タイでは幼稚園から大学まで制服があり、胸元や体操着などに刺繍で名前を縫う必要があるためだ。学校側がやることもあるし、保護者が注文しなければならないケースもある。必要なものなので、縫製店がそこかしこにある。

 オリジナルキャップと言っても、キャップそのものを作ることはできない。ここで言う「オリジナル」はデザインを指す。上記の画像のようなキャップ店に行くとたくさんの種類がある。ブランドものばかりではあるものの、99%がニセモノである。これらは縫製マシンで既製のキャップに有名ブランドのロゴを縫いつけて製造している。そのマシンを借りて、オリジナルを作るわけである。

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 これはボクの知人がバンコクで作ったオリジナルだ。キャップは店に揃っているので、サイズを選び、あとはデザインを注文する。

 デザインは店によってはベースがある。フォントはなにを使うか、どれくらいの大きさか、縫製のレベルはどうかなど。そこにオリジナルの文章や文字列にしてもらうか、データでデザインを持ち込んで頼む。

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 店員は慣れたもので、こちらの注文をパソコンなどに取り込み、それを縫製マシンに落とし込む。そうすれば、あとは自動で縫われていく。ちなみに、こういったマシンを置く店ではオリジナルのワッペンも製作依頼できる

 先日、こういったマシンの展示会に行ってきたのだが、やはり日本製がきめ細かで、デザインも自在という印象だった。ただ、そうなると価格的に高く、多くが中国製を使っていると見られる。実際、展示会で縫製マシンを出している企業は9割くらいが中国からの出展だ。

 料金はやり方による。キャップを持ち込むか、ここで買うか。また、縫い込む色の数や大きさなどによっても変わってくる。それでも高いところで帽子込みとしても1000バーツもしない。日本円で3000円もしないわけだ。実勢料金としては500バーツという印象をボクは持っているが、こればかりは店によって違う。

 というわけで、バンコクの思い出にオリジナルキャップの製作もいいのではないだろうか。

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