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ハノイは服選びが難しい

 ベトナム好きのボクの中ではやっぱりハノイがダントツである。一般的に思い浮かべるベトナムがそこにあるからだ。ホーチミンにもベトナムらしさは十分にあるものの、どうしてもバンコクと比べてしまう部分も多少ある。そこにときどき冷めてしまうので、そう見ることのないハノイに「外国」を感じる。

 ハノイはボクが好んで滞在するホアンキエム区、もしくは旧市街と呼ばれるエリアはまさにベトナムといった雰囲気だ。だから、できればベトナム旅行は常にハノイを中心にしていたい。

 しかし、ハノイ好きではあるものの、快適に過ごせたことがほとんどない。というのは、ハノイは服選びが難しいからだ。

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 ボクがハノイに行くタイミングというのがいつも同じような時期だから、というのもあるかもしれないが、どうしてもハノイの季節が読めない。1月2月はだいたい寒いので冬服を持っていけばいい。ところが、12月と3月が結構難しい。そして、なぜかボクは12月と3月にハノイに行く機会が多い。

 初めてのベトナムがハノイだった。2010年12月だったと思う。会社員をやっていたころで、N社が新型カメラをタイで製造することになり、そのときのアルミ鋳造のパーツを勤め先が納入することになった。日本側で試作だとかしていたので、N社の製造拠点などが決まった段階でボクに連絡が入り。

 そして、その12月にN社のエンジニアたちがメーカー工場を視察に行くというので行ったわけだ。ボク以外はみんな日本からなので、ボクだけバンコクから飛ぶ。メーカー担当者が空港に迎えに来てくれるというからなにも調べずに飛行機に乗った。2泊だけだったというのもあり、かなり気楽に。

 バンコクでは会社員もスーツを着ず、ワイシャツ1枚である。ボクなんかはネクタイすらほとんどしない。ベトナムも東南アジアだし、そんなんでいいだろうと思って行ってみれば、極寒というレベルだった。ものすごく寒くて、ベトナム人はみんな厚手の上着やダウンジャケットを着ていたり。

 工場視察中、ボクはアルミの溶鉱炉の横に立ち、暖を取っていた。ろくすっぽ製造過程は見ていない。そこで学んだのは、ハノイの12月は寒いということだった。

 2回目のハノイも12月だった。ところが、このときのボクは「12月のハノイは寒い」と思い込んでいるので、冬服で向かって失敗した。ハノイの12月は気温差が激しく、現地在住者でさえその日がどうなるかは言えないのだ。週によって気温が全然違うときもあれば、日によって大きく違うときもある。今日極寒でも、翌日は真夏日なんてこともあるのだ。2回目のハノイは冬服なのに、Tシャツで過ごせる気温だった。

 結局、その後12月に行くたび、毎回失敗する。前回を踏まえると逆だし、逆だったからさらにその逆と推測していけば、服とは裏腹な気温になる。2017年は単行本執筆もあったので長めに北部に滞在したのだが、そのときも読み間違い、危うく凍死するところであった。

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 3月15日から20日まで2年ぶりにハノイに滞在した。ロックダウン寸前というより、ほぼロックダウンが始まった段階だったので、非常にピリピリとした雰囲気で、あまり居心地がよくなかった。本投稿の画像はすべてそのときのものだが、この時点でも外出する人が少なかった。

 この滞在中は雨ばかり。しかも寒くて、悲惨だった。在住日本人たちが言うには、この時期に雨が降っているのは珍しいそうだ。

 ハノイの3月は基本的には上旬なら寒いことが多いのでわかりやすい。その寒さも、タイの北部でもあり得ないくらいの気温で、バンコクに慣れてしまった身体には冬の防寒着でも結構厳しい。

 この3月の滞在もボクは失敗した。タイは4月5月が最も暑いので、3月も相当な気温だ。ハノイも中旬になれば暑くなるだろうと踏んだ。その直前の週も気温はそれほど低くなかったというのもあり。しかし、今回も予想が外れ、しかも雨によってかなり厳しい寒さの中で過ごすことになった。

 というわけで、ハノイ滞在、特に12月と3月は夏服と冬服の両方を持っていった方がいいかも。そうなると、荷物がかさばるので、バックパッカーにはあまり向かない。

 旧市街ならダウンジャケットなどを現地調達できる。旧市街は服飾店が多いからだ。ただ、どう見てもニセモノであるが。そんなものを売っているくらいなので、ボッタクリ店ばかりでもある。最初は結構な値段をふっかけてくる。ただ、交渉すれば適正価格まで落ちるのだけれども、すんなり買えないから面倒だ。だったら、最初から夏服・冬服の両方を持っていった方が早いというわけで。

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