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ベトナムの両替は空港で

 先日怒濤の連載を続けた「ベトナムのススメ」で、最も言いたかった両替の話を書くことを完ぺきに忘れていた。ベトナムの両替事情はタイのそれとはちょっと違うみたいなので書き残しておきたい。あくまでもボクの取材旅行の中で見てきた話なので、在住者は違うと言うかもしれないけれども。

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 まず、ベトナム・ドンはベトナム国内において外貨から両替する分にはいっさい問題がない。米ドル、日本円、タイ・バーツはどこでも両替できる。むしろ、バンコクでは両替できないラオス・キップも両替できるので、環境はいい。

 ただ、ドンから外貨に両替するのは難しいようだ。難しいというか、面倒というか。だから、基本的には使う分だけ両替した方がいい。ボクのようなヘビーリピーターはまた来るから余ってもいいので、関係ない話だが。

 そんな両替はどこですればいいのかと悩む人もいることでしょう。タイなら空港はレートがよくないというので、市街地の銀行や公認両替所で替えた方がいい。

 しかし、ベトナムは事情が違う。

 ベトナムの両替で比較的レートがいいのは空港である。ハノイのノイバイ国際空港、ホーチミンのタンソンニャット国際空港の両替所の方が、基本的には市街地の銀行よりレートがいい。為替レートの状況や通貨によって違うようだが。

 直近のメモを紛失してしまったので、ボクのTwitterにあげた備忘録でレートを見てみよう。

 ちなみにタイ在住のため、レートはベトナム・ドン(VND)とタイ・バーツ(THB)のものになる。上記の数字の見方は1バーツ当たりのドンのプライスなので、バーツをドンに替えるときは数字が大きいほど有利だ。

 上記は南部のホーチミンのレートとなる。市中の銀行レートがないので、これはボクの著書「ベトナム 裏の歩き方」から抜粋したい。

2017年9月1日のレート
■日本円(1円)
・空港の銀行 205.21VND
・市中の銀行 205.09VND
・闇両替所A 180.00VND
・闇両替所B 190.00VND
・闇両替所C 203.00VND
・闇両替所D 206.00VND

■タイバーツ(1バーツ)
・空港の銀行 657.00VND
・市中の銀行 684.15VND
・闇両替所A 580.00VND
・闇両替所B 550.00VND
・闇両替所C 620.00VND
・闇両替所D 686.00VND

ベトナム 裏の歩き方 242ページより

 書籍内で紹介しているレートもホーチミンのものだ。ハノイもほとんど同じなので、ベトナム全土の両替率と見ていい。だいぶ時間が経っているが、状況は大きく変わっていないはずだ。

 タイ・バーツに関しては市中の銀行の方がいい。これは東南アジアの経済的な協力関係の中で両国人の往来が増えているからと推測される。

 ただ、市中での両替はそもそもすべての銀行でできるとは限らないことと、両替専門ではないのでちょっと手間取るというデメリットがある。特に日本円は空港とレート差がほとんどないので、むしろ空港でさっと替えた方が楽でいい。その手間を考えれば、バーツも空港で両替してもレートは悪くないのでは?

 とはいえ、市中の闇両替所の方がレートはずっといい。タイの場合は政府公認の両替所になるが、ベトナムはよくわからないのでかっこよく闇両替と呼んでいる。それはあくまでもボクの呼び方で、店自体はオープンにやっているので、怪しさはないので安心して利用できる。

 Twitterにも書いているが、書籍内で紹介している「闇両替所D」は、ホーチミンの安宿街ブイビエン通りに近い「KIM MAI」という店だ。表向きは宝石店なのか金行のようであるが、奥に入ると両替所になっている。

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 銀行の両替所のようにレートが貼っていないので、両替したい通貨を告げると計算機で叩いて見せてくれる。そのレートで納得いけば両替をする。日本円なら「ジャパニーズ・イェン」と言うか、紙幣を見せればいい。

 基本的に1円あたりのレートを提示してくるので、単純に両替したい金額をかければドンの金額が弾き出される。言うまでもないが、両替は紙幣のみだ。外国では硬貨は両替できない。

 ホーチミンならほかに日本人が多く暮らすレタントン通りに近い、「ホーチミンの銀座」とも呼ばれるドンコイ通りにも闇両替があるようだ。

 ハノイなら、安宿街のホアンキエム区にある旧市街にある。この中に「ハンザ」というデパートのような市場があり、その裏手の通りが宝石店街になる。そこに並ぶ店で両替が可能で、銀行よりも高レートになっている。

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 このハーチュン通り(読み方が性格かどうか不明・・・・・・。Ha Trungと書いている通り)に何軒も宝石店があるので、中にずかずか入っていって、替えたい通貨を告げると、やはりレートを計算機で出してくれる。店によっては一覧を紙で持っているところもあった。

 いずれも銀行よりいいが、店によってレート差があるので、何軒か周って有利なところで替えるといい。訊くだけ訊いてそのまま去っても特に怒られなかったので問題ないだろう。

 これらはあくまでも取材時のレートの状況だ。おそらく大きな変化はないとは思うものの、正確なところは現地で調べるしかない。

 それから、闇両替はハノイやホーチミンに点在しているので、その近くに滞在していない場合、そこまでの交通費や手間も考えた方がいい。総合的に計算して、どちらが得かを見てから両替所を選ぶべきだ。

 また、空港は両替率が悪くないのだが、銀行員が悪い場合がある。というのは、特に夜の便などで到着すると、「テスーリョー」とか言いながら、表示のレートとは違う額を提示して、謎の手数料を奪っていく。ボクの感覚だとホーチミンにそのケースが多い。これもホーチミンを好きになれない理由のひとつでもある。

 とはいえ、すべての窓口でやるわけではないので、違う料金を提示してきたら、ほかの窓口にも訊いてみることだ。空港の両替所で、どんな時間帯に到着しても、ちゃんと正規のレートで両替してくれるところもある。






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