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ウルトラ・ライト・プレーンでタイの空を舞う

 タイ観光もいろいろとあるが、ウルトラ・ライト・プレーン(ULP)も案外おすすめだ。寺院巡りやリゾート、ショッピングとたくさんの遊びがあるが、あまり知られていないのがこの超軽量飛行機(正確には「超軽量動力機」)の観光フライトで、日本人も何人かタイで免許を取得されて楽しんでいる。

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 ULPは様々な形があって、一般的に思い浮かぶ小型飛行機のセスナのようなタイプもあれば、写真のように骨組みだけの、まさに超軽量なタイプもある。ちなみに、ウルトラ・ライト・プレーンはアメリカの呼び方で、ヨーロッパではマイクロ・ライト・プレーンと呼ばれるのだとか。

 ボクはサワダさんという方とmixi時代に知り合った。アマチュア・パイロットで、趣味でULPをやっていると伺い、会いに行ったときに乗せていただいた。ライターになる直前だったか、直後だったか。だから、初めて乗せてもらったのはもう10年も前の話になる。

 ボクの場合はサワダさん経由だったので、サワダさんの隣に乗せてもらって飛んで、しかも上空で操縦桿も握らせてもらった。子どものころはパイロットになることが夢だったし、飛行機の操縦なんてなかなかできるものではないので、あのときの感動は今も忘れていない。サワダさんは大学時代にグライダーでフライト技術を身につけたため腕はプロ並みで、タイのエアラインパイロットや空軍パイロットも一目を置く方である。

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 その後、ヤマナカさんという方とも知り合い、この人もULPにハマって、最終的には小型飛行機の免許も取得している。サワダさんの友人であり、ヤマナカさんの師匠でもあるブンヤリット空軍少佐(画像の方。タイでは退役後も軍や警察の位が残る)に何年か前に会いに行き、隣に乗せてもらった。

 このときの様子は下記で記事にした。

 これ以来、ブンヤリット少佐にはお目にかかっていないのだが、ドンムアン国際空港の北東辺りに飛行場「オンカラック・フライングクラブ」を持っていて、そこで乗せてもらった。

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 オンカラック・フライングクラブの滑走路は草地になっている。ヤマナカさん曰く「厳しい先生」とのことだが、空軍のレスキューだったかで飛んでいた人なので、腕はピカイチなのだそう。観光では難しいけれど、ある程度長くタイに滞在できるなら、ここでタイのULPの免許を取得できる。

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 骨組みだけのULPはとにかくシンプルな造りで、最初はちょっと怖いかもしれない。ボク自身は実際には高所恐怖症ではあるが、サワダさんに乗せていただき操縦桿を握らせてもらってから怖くなくなった。むしろ、自分で操縦する場合、高ければ高いほど怖さがなくなるようだ。

 シートは地面からほんの十数センチという低さだ。地を這うような姿勢からフルスロットルで加速し、舞い上がる瞬間の感動ったら。こんな体験・感覚はほかにはない。

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 ULPとはいえ、ちゃんと計器もついている。ヘルメットもあって、身体に風を感じるものの耳にはうるさくない。なにより、パイロットが隣で操縦しているのも見られるので、こんなに楽しいイベントはない。

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 タイでのULP体験が優れているのは、自由に飛べるという点に限る。もちろん航空法などでエアラインの空路や軍事施設近辺など制限はあるにはあるのだが、基本的にはどこでも飛べる。日本にもULPはあるが、聞いた話では民家や公道の上空は飛んではいけないという決まりがある。つまり、日本だと飛べるのは基本的には滑走路の上くらいに限られるのだ。

 ところがタイでは本物のエアライン同様に飛行方法を使いながら航路を設定して、どこにでも飛んでいける。ULP自体の対地速度は時速100キロもないようなのでかなり遅いのだが、自由に空を楽しめるのだ。

 タイが落ち着いて、観光に来る際はULPもぜひ観光目的にひとつにいかがだろうか。

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