見出し画像

タイ警察の警察犬部門「POLICE K-9」

 タイでも警察犬が活躍している。空港や路上検問、捜査現場などで容疑者捜索、麻薬や爆発物の検索に犬の嗅覚が活躍する。ただ、各警察署に警察犬が所属しているわけではないようで、タイ警察は別途警察犬専門の警察署を用意して、日々訓練と任務に明け暮れる。その部門は「POLICE K-9」と呼ばれる。

画像1

 1989年にジェームズ・ベルーシ主演で警察犬を相棒にしたアメリカ映画「K-9」が公開されたので、警察犬=K-9とわかる人も多いだろう。タイの警察犬部門もK-9と呼ぶ。これは単にアメリカを真似たのか、アメリカから警察犬の技術を導入したからなのかはわからないが。

 ちなみに、K-9の語源は「犬科」から来ているのだとか。犬科、すなわちCanineはケーナインと発音するので、その当て字でK-9となった。

 タイの警察犬警察署は、最も簡単な呼び方を直訳すると「警察犬課」といった名称になるが、実際に警察署の前にある看板はえらく長い。ぎっしりとタイ語で埋まっている。ところが、英語ではPOLICE K-9とだけしかそこには書いていなかったりする。適当に訳している感じが半端ない。

画像2

画像3

 1日に数回ほど、犬の集中力が切れない時間の中で訓練が行われる。画像はウォーミングアップの様子だ。ラフな格好をしているが、みな歴とした警察官たちだ。

 彼らが訓練を行い、現場へも向かう。こういった訓練で警察官と犬の信頼関係を構築していく。

画像4

画像7

 他国の警察犬訓練を生で観たわけではないのでわからないが、案外、というか、タイらしいというか、ウォーミングアップ自体はのんびりとした雰囲気で進んでいく。犬もしっかりと伏せず、中途半端なのが多い。

画像6

 ここにいるのが警察犬の総数ではなく、その日の体調や機嫌なども見て、犬小屋から連れ出す。この日も何頭かは小屋に残っている。

 ちなみに、タイの警察官はその多くが警察署に隣接する官舎に家族と暮らす。警察犬部門の警官たちは四六時中犬のそばで生活していることになる。

画像7

 警察犬といえばシェパードが思い浮かぶ。きりっとした姿が、容疑者を追い詰め、ねじ伏せそうに見えてくる。

画像8

 ところが、こんなちょっと間の抜けた顔の警察犬もいる。日本でも麻薬探知犬はゴールデン・レトリバーもよく採用されている。それはタイも同じようだ。タイは不明だが、日本は基本的には7犬種が警察犬として認められている。

 タイは気温が高い国なので、警察犬を飼うこと、採用することはほかの国とは違う部分も多いらしい。とりあえず、このときはシェパードとレトリバー系が訓練していた。

画像9

画像10

画像11

 のんびりとしたウォームアップではあるものの、ちゃんと訓練されているので、容疑者の遺留品を嗅がせて、そのものを探すのは朝飯前といった感じだ。デモンストレーションとして靴を見つける様子を見せてもらった。

 他県にもあるが、バンコクの警察犬専門部署は、バンコク在住外国人がお世話になるイミグレーションの近くにある。バンコク中心から見ると、ウィパワディー・ランシット通りの、ジェンワッタナ通り交差点の手前だ。

画像12

 タイの公務員は副業が黙認されている。バンコクの警察犬警察署では一般の人の犬を預かって、躾をしてくれるコースも用意している。ネットで検索すると、最早警察署のサイトよりも前にトレーニングコースの方が出てくる。ただ、いろいろとよくない噂もあるので、一度見学してから考えてみるといいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?