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【タイ飯】バンコクおすすめクッベ・ナーイエとカフタ・ナーイエ【生肉料理3】

 日本国内ではなかなか食べられない「生肉料理」がバンコクなら自己責任で食べることができる。屋台から高級レストランまで、あらゆる飲食店で生肉を目にする。そんな、バンコクで食べられる生肉料理を複数回に渡って紹介していきたい。今回は日本人でも知らない人が多いレバノンの生肉料理を取材した。店名は「Nadimos(ナディモス)」だ。

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 生肉料理は意外な国でも食べられている。あまり日本人にはイメージがないが、レバノン料理にも生肉料理がある。そして、そんなレバノンの生肉料理を、世界中の食が集まるバンコクでも食べることができる。スクムビット通りソイ24にあるレバノン・レストラン「Nadimos(ナディモス)」だ。

 Nadimosに生肉料理は2種ある。「クッベ・ナーイエ」と「カフタ・ナーイエ」だ。両方とも歴史的シリアの伝統料理にあたるので、レバノンというよりは、この地域にある生肉料理のようだ。

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 このふたつの料理の違いはタマネギやスパイス、ブルグル(小麦の挽き割りの粉)など混ぜものが違う。どちらかというと、クッベ・ナーイエは混ぜるものがシンプルで、カフタ・ナーイエは混ぜものが多種になる。

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 レバノン料理にはほかにも生肉料理があるようで、クッベ・ナーイエの混ぜものがほとんどないものは「ハブラ・ナーイエ」というらしい。残念ながらNadimosのメニューにはなかった。

 そして、実際の調理方法はスパイスを混ぜるのではなく、肉と一緒に叩いていく。本場の伝統的な作り方は石臼でペースト状になるまで叩いてしまうそうだ。近年はそこまで労力をかけず、ミキサーで混ぜてしまう。Nadimosでは包丁でシェフが一所懸命に叩いていた。

 結局のところ、ヨーロッパなどで食べられるタルタルステーキに作り方が近い。あくまでもボクの意見だが、クッベ・ナーイエとカフタ・ナーイエがタルタルステーキと違う料理と言えるのは、ブルグルの存在かなと思う。この小麦粉の挽き割りの粉は、後日紹介する別の国の料理にもあり、やはりレバノンというか歴史的シリアに近い場所にある国だ。

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 クッベ・ナーイエとカフタ・ナーイエは、レバノンにおいては羊肉で作ることが一般的だそうだ。もちろん、Nadimosでも羊肉を使う。それもオーストラリアから輸入する、新鮮なラム肉(子羊の肉)だ。わざわざ週1回輸入し、しっかりと洗った手で、シェフが自身の手も冷やしつつ、ラム肉を冷やしながら包丁で叩く。そして、スパイスを練り合わせていく。

 そのため、Nadimosで食べるクッベ・ナーイエとカフタ・ナーイエはまったく臭みがない。羊肉は、マトンはともかくとして、ラム肉でも独特な香りがする。苦手な人もいるかもしれないが、Nadimosのものなら大丈夫だろう。

 ただ、スパイスは独特な印象がある。肉はいいけれども、スパイスがだめという人も出てくるかもしれない。それで言えば、前述の通り、カフタ・ナーイエの方が混ぜものが多い分、ややスパイス臭がする。クッベ・ナーイエの方がシンプルな香りで食べやすいかもしれない。まあ、あくまでも好みの差のレベルだけれども。

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 そして、クッベ・ナーイエとカフタ・ナーイエはそのまま食べたり、小麦のパンのようなものに載せる。案外、しっかりと食べるとお腹にたまる逸品である。

 また、クッベ・ナーイエとカフタ・ナーイエは伝統的に「アラック」という酒と一緒に食べる。殺菌作用を狙っているのだろうか。この酒はブドウから3回も蒸留して作る酒で、香りにややクセがあって、アルコール度数もかなり強い酒だ。

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 そのため、Nadimosにおいてもアラックはショットグラスに注いで水と氷で割って飲む。ところが、ここがおもしろい。アラックには水に溶けない成分が入っている。だから、水を入れると透明だった液体が白濁し、アラックは雪のように白くなる

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 クッベ・ナーイエとカフタ・ナーイエを食べ、アラックでのどを潤せば、清涼感さえ感じることができる。この感覚の連係プレーが、クッベ・ナーイエとカフタ・ナーイエの素晴らしさなのである。

・DATA
店名:Nadimos(ナディモス)
住所:SukhumvitRd. Soi24 Klongtoey Bangkok
電話:02-261-9816~7、090-947-6006
時間:11:00~23:00
web:https://www.nadimos.com/
値段:
Kebbe Nayeh:750B
Kafta Nayeh:750B
備考:シーロム通りの「ホリデーイン」にも支店あり。
※この情報は取材時のものです。
※生肉食は100%安全ではありません。当記事はおすすめの生肉料理店を紹介するものであり、安全性を保証するものではありません。タイでの生肉食は自己責任において自己判断で食べるようにしてください。注意点などは下記にまとめています。
※当記事はバンコクで発行される無料誌「DACO」の492号(2018年11月5日発行号)に掲載された記事を加筆修正しています。

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